胎蔵界 127 迦旃延 

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迦旃延(かせんねん)Katyayana(カーティヤーヤナ)

尊形 比丘形

色  肉色

右手 小指・薬指を屈して、親指・中指・人差し指を伸ばして胸に当てます。

左手 袈裟の角をとります。

台座 蓮華に坐る。

釈尊の十大弟子の一人。論議第一といわれています。

元々クシャトリヤでしたが、釈尊に帰依し出家しました。

釈尊の教えを分析し、他の人々にわかりやすく説明する能力に優れていたといいます。

それゆえに、進んで衆生教化を実践していきました。

仏教を広めた功績者の一人です。

合掌

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胎蔵界 186 生念処菩薩

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生念処菩薩(しょうねんじょぼさつ) Smrtisajatya(スムリティサジャートヤ)

尊形

色  肉色

右手 蓮華を持ち、蓮上に月輪を置く。中に法螺貝があります。

左手 掌を仰向け胸に当てます。

台座 赤い蓮華に坐る。

『大日経』で説く、清浄慧菩薩がその像に当たります。

自性清浄なる法より生じた菩薩で、虚空のように無執着な正念を表します。

その正念に基づいて煩悩を摧破し、説法を司らんがために蓮華上に法螺貝を持ちます。

法螺貝は仏の説法を喩えています。

『諸尊便覧』には蓮華上羯磨杵とありますが、法螺貝に改めました。

合掌

 

 

 

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胎蔵界 146 髻設尼童女

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髻説尼童女(けいせつにどうにょ) Kesini(ケイシニー)

尊形 童女形

色  黄色

右手 剣を持つ

左手 青い蓮華を持つ

尊名は美しい髪などの意味があります。

髻設尼は文殊の五使者の一人で、その美髪は文殊の知恵の一智を表す。『大日経疏』

髪は心智の標幟であるから、美髻は心智の清らかさを意味します。童女とは10〜20歳くらいの純潔の少女をいいます。

伝統的には文殊八大童子と称されますが、明らかに尊名が女性形なので、すべて童女としています。

合掌

 

 

 

 

 

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胎蔵界 128 優波離

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優波離(うばり) Upali(ウパーリ)

お姿  比丘形

肌の色 肌色

左手  小指、薬指、中指を屈して人差し指、親指を立てて胸に当てます。

右手  掌を立て、中指薬指を屈して小指、親指、人差し指を伸ばして胸に当てます。

台座  荷葉座

釈尊の十大弟子の一人。持律第一といわれています。

「我が弟子の中で、戒律を守り置かさない者は優波離である」と『増一阿含経』に記されています。

身分は低く、理髪師でもありました。

貴族出身者もいたのですが、釈尊は優波離を兄弟子としました。

貴族出身者のものと一緒でしたので身分制度があった時代、優波離に礼拝するのをためらっていました。

しかし、教団にあっては、受戒の前後はあっても身分の差はない、として諌めました。

合掌

 

 

 

 

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胎蔵界 175 壇波羅蜜菩薩尊像

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檀波羅蜜菩薩(だんはらみつ) 梵名 Danaparamita ダーナパーラミター

尊形

色 肉色

左手 金剛盤を持ち、花を盛ります。

右手 小指と親指を立てて人差し指、中指、薬指を屈します。

衣  羯磨衣を着します。

台座 赤い蓮華に坐ります。

解説

十波羅蜜の第一で、布施の徳を表しています。

十波羅蜜菩薩はすべて女尊の姿です。

羯磨衣は作業のための衣であって、働きやすい姿をしています。

左手に持っている金剛盤には花が盛られていますが、この花は七宝(金・銀・瑠璃(るり)・玻璃(はり 水晶)・硨磲(シャコ シャコガイの略)・珊瑚(さんご)・瑪瑙(めのう 層状または縞状のある鉱物))七宝から成る花で、それらの花を衆生たちに施すことを示しています。

布施には財施・法施・無畏施の三種あります。

 

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合掌

胎蔵界 182 願波羅蜜菩薩

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願波羅蜜菩薩 がんはらみつぼさつ (梵名:Pranidhanaparamitaプラニダーナパーラミター)

身色 肌色

左手 水囊(すいのう)を持つ

右手 胸前で人差し指と中指と親指を伸ばす

衣  羯磨衣を着す

台座 赤い蓮華に坐す

十波羅蜜の第八、願の徳を表します。

右手に持つ水囊は魚を取る網です。

『華厳経』に「八地の菩薩は大悲の網を下して人天の魚を捕らえ、涅槃の岸に置く」とあります。

この尊像は五大願のうち衆生無辺誓願度にあたり、それが以下の二つの願になります。

① 仏果菩提を得んと願う求無上菩提願

② 一切の衆生を救済せんと願う利楽有情願

合掌

 

 

 

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胎蔵界 181 方便波羅蜜菩薩

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方便波羅蜜菩薩ほうべんはらみつ (梵名:Upayaparamitaウパーヤパーラミター)

身色 肌色

右手 索を持ち、羯磨衣を着す

左手 索を添える

台座 赤い蓮華に坐す

十波羅蜜の第七尊、方便の徳を表します。

羂索は摂取の働きがあり、方便を示します。

方便とは具体的な手段の意味で、菩薩が種々の方便をもって衆生を済度することを示します。

それには二種類あります

① 以上の六波羅蜜によって得た善根を衆生に回向して、共に無上菩提を求める回向方便

② 生きとしいけるものを救済する救済有情方便です

合掌

 

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胎蔵界 180 般若波羅蜜菩薩

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般若波羅蜜菩薩 はんにゃはらみつ (梵名:Prajnaparamitaプラジュニヤーパーラミター)

身色 肌色

右手 宝剣を持つ

左手 中指と人差し指を屈し、それ以外の指を立てる

台座 右ひじを立てて赤い蓮華に坐す

十波羅蜜の第六の尊像、智慧の徳を表します。

宝剣は切断の徳があり、智慧に喩えます。

あらゆる存在の真実の相を照らしだす智慧で、この智慧をもって生死の海を渡り、彼岸に到達します。

合掌

 

 

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胎蔵界 117 光聚仏頂

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光聚仏頂 こうじゅぶつちょう (梵名:Tejorasyusnisaテージョーラーシウシュニーシャ)

身色 黄色

左手 仏頂形をのせた蓮華を持つ

右手 胸の前で掌を立て薬指、小指を屈す

台座 赤い蓮華に坐す

五仏頂の一尊、放光とも訳すように、輝く光を意味します。

太陽が昇れば夜があけるように、如来の光明は普く衆生の闇を照らし功徳を与え、その徳を司る尊像です。

合掌

 

 

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胎蔵界 116 最勝仏頂

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最勝仏頂 さいしょうぶつちょう (梵名:Vijayosnisa ヴァイジャヨーシュニーシャ)

身色 黄色

左手 輪を載せた蓮華を持つ

右手 掌を立てて胸に当て、中指と薬指を屈する

台座 赤い蓮華に坐す

五仏頂の一尊、一字金剛・高頂輪王ともいいます。

三形にも示されるように、この尊は、仏の転法輪の徳を司る。

輪は古代インドの武器の一つでした。

仏教ではこれは法論で、あらゆる煩悩を摧破(さいは)し仏道に導くための説法をいみします。

合掌

 

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