釈迦三尊像を作り直す1 普賢菩薩像について 

 

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釈迦三尊像を新しく彫り直す

私が釈迦三尊像を彫刻しようと思ったのは、中村元先生の仏陀のことばという本を拝読させていただいた事がきっかけだったと思います。

下記に中村元先生の動画を載せておきます。

中村元「ブッダ最後の旅」

中村元先生のその他の動画集

 

中村元先生の穏やかな語り口で釈尊を語るととても落ち着きます。

お釈迦様がおなくなりになられて500年ほど経過した紀元後1世紀頃にガンダーラ、マトゥラーで同時期に石に彫刻したお釈迦様の姿が出現しました。

お釈迦様のお姿が日本まで伝わるのに時間はかかりましたが、現在でも禅宗を中心にお釈迦様の像が奉られています。

仏教の根本であり開祖でもあられるお釈迦様を彫りたいと思ったのは自然の流れだったのかもしれませんが、

実は当初、普賢菩薩を彫刻したのがきっかけでした。

私の生まれ年の守り本尊さんでもあり、自分の普賢菩薩を香合佛として彫刻などもしていました。

また大蔵集古館蔵の象に乗られる平安時代の普賢菩薩像の優美なお姿を見たときに、私も彫刻をしてみたいと心に秘めていました。

写真の向かって左側の両手を合掌している姿が普賢菩薩像ですが、この像を制作する前に実は二体、普賢菩薩を挑戦していました。

それが今から11年前になります。

 

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一体目の時も、大倉集古館の普賢菩薩をモデルにしましたが、彫っている最中それ以外の普賢菩薩像も気になり同時代の像、鎌倉時代の像など色々と見すぎたのも良くなかったのだと思いますが、それぞれに良さがあって、全ての良さを一つに集約したいと思ってしていたのですが、あっちもこっちも手を出すものだから、だんだんと細くなり、最後には修正が効かない状態までなってしまいました。

それから二体目に挑戦したのですが、二体目は一体目に彫りすぎた箇所を把握して二体目ではその箇所を残し気味で彫刻を進めていきました。

私の中で完璧な普賢菩薩像を今回は作り出せると考えていたのですが、平安時代の仏像は鎌倉時代と比べると華奢で猫背になっています。

胸の厚みも薄くそれが平安の優美さにつながっていると思います。

 

続く

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