わらじの制作 2

前回からかなりお時間が空いてしまいました。

実は、あの記事を書いてから、嬉しいことに義父ではなく私にわらじの注文が5足ほどいただき、わらじ作りと仏像彫刻だけに専念しておりました。
注文のわらじを作る前に、久しぶりに義父を訪ね、注文を受けた報告をすると家の奥からアバカのわらを取り出して、「一足編んでみろ」と言われました。
義父のきびしいまなざしの中、わらじを編むのはとても緊張しましたが、編んだわらじをみて、一言「いいんじゃねぇか」との言葉を賜りました。

その言葉は職人の世界に少しでも身をおいたことのある人なら、どれほどの深い想いと意味がこめられた一言であるかは想像がつくと思います。

その後義父より「お前は自分の編んだものを最後まで責任もってやれ」と訓示をいただきました。

実は義父のわらじは、永久無料修理をしています「free repair forever ] 義父の口癖です。
どんなに痛んでいても、必ず直す。

義父のわらじは日本人の金銭感覚では、高い金額で売っているものではないけれど、フィリピン人にはとても高価な買い物になります
私は義父の家で12年履きこんでくれたわらじを見たことがあります。

アバカがまるで別の材料のようにやわらかくなじんでいて、履いてみましたが、持ち主の足以外決して受け付けないワラジになってました。

私のワラジがここまではきこんでもらえるものになるかは私の腕次第。
私のワラジは残念ながら今はお代金を受け取れるクオリティのものは作れないので、はいていただける方に、正直に感想をいってもらうことを条件に差し上げております。

そして、修理を続け改善を続けることで、美しく、手放したくないワラジを作れるようになります。

前置きが長くなりましたが、早速続きを始めさせていただきます。

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継ぎ足した藁を使って同じように編みこんでいきますが、継ぎ足した藁が抜けないように、しっかりと手前に引き込みながら、編んでいきます。

 

 

 

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↑この写真に写っているように、左手の指を使ってしっかりとつま先方向に力を加えます。
そしてこのくらい編めるとつま先の形が決まってくるので、右足用にするか左足用にするかを
決めますが、この段階ではあまり意識しすぎて、形を作らないようにします。

 

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↑写真でも伝わるかと思いますが、相当足を前に出し、手を手前に引き締め上げるので、
慣れていても足の指はかなり痛みます。もし初めてチャレンジされるのであれば日本の藁や、布などの
やわらかい素材で始めたほうがいいと思います。

 

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↑手前だけでなく、両端の藁を片一方ずつ引っ張って、左右のバランスを整えます。

 

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この段階で大事なことは出来るだけ、両端の藁がまっすぐに整い、骨組みとなる藁が見えないように
しっかりと編みこむことを意識します。ここをおろそかにしてしまうと、後でやり直しになります。
ただ、多少は後で調整できます。

 

 

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↑引っ張るときの手の形です。私は両手を使って全体重をかけて引っ張ります。

 

 

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↑一列編んではあらゆる方向からつま先の形を崩さないように良く見て
引っ張るを繰り返していきます

 

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↑私がワラジを編んでいると我が家のネコ達が必ず藁束の中で遊びだします。
アバカにはマタタビのような効果があるのかも知れません。
余談ですが、わらじを履いていると、野良猫がたくさん寄ってきます。
そのおかげかどうかわかりませんが気づけば我が家には三匹のネコが住み着きました

 

 

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↑この写真は悪い例です。引っ張るときに足の左右がそろってません。
足の間が痛いとどうしても、左右均等の力が出せなくなってしまいます。

 

 

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↑このあたりまで編めてくると徐々に足を開いて、わらじの幅を出す動きを小さくしていきます。

 

 

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↑先ほどのネコとは別のネコがやってきました。
藁で遊んでいたのですが、眠くなったようで、とても邪魔なところで
眠りだしましたが、起こすのも忍びないので、場所を少し移動します。

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あとはかかとの仕上げをすれば、わらじの基本部分が完成です。

 

 

 

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わらじの制作 2