34 不空羂索観音菩薩尊像

  不空羂索観音菩薩尊像  (梵名:アモーガパーシャ)

 

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この菩薩さまは不空羂索観音菩薩(ふくうけんじゃ

くかんのんぼさつ)です。

蓮華部院という枠の上から四番目の向かって左側

に佇んでいます。

頭にかぶさっている宝冠には化仏という小さな仏

さまが、表現されています。

お顔は三面あり、またそれぞれに額に目がありま

す。

そして腕は四本あります。

左手の第一手(胸前)には開いた蓮の華をもち、第二

手に羂索があります。

右手の第一手(胸前)には念誦をもち、第二手に澡 瓶

(そうびょう)という水がめを持ちます。

鹿の皮の衣を着て、赤い蓮華に坐ります。

羂索とは網と釣り糸ののことで、大きな慈悲の網で

苦悩にあえぐ衆生という鳥を捕らえ、また利益をも

たらす釣り糸で苦海にさまよう魚を釣り上げる働き

をします。

そのような働きが空しくないので、不空羂索の名前

があります。

ほかには羂も索も、ともに衆生を彼岸に導く縄であ

るとする説もあります。

この尊像にはほかにも、お顔が一面、十一面、そし

二本、六本、八本、十本、十八本などと異なった像

が多いようです。

ある経典によると、孝行な息子が母親の盲目を治す

ために、鹿皮を着て鹿も乳を求めていました。

そんな中、狩人が鹿の皮を着た孝行息子を誤って射

ってしまいました。

神々は彼を哀れみ、蘇生させて母の眼も癒しました。

この孝行息子がこの尊の前世であったようです。

そういった因縁によりこの尊は鹿皮を着ともいわれ

ています。

獣の中でも鹿は特に子を思う気持ちが強いようです。

合掌

 

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