167 施無畏菩薩尊像(無記載)

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胎蔵界 除蓋障院 167 施無畏菩薩(せむいぼさつ)(アバヤンダダ) 今回ブログに初めて、一体ずつ尊像を紹介しますが、最初に紹介するの は、施無畏菩薩です、本来ならば一番最初に紹介するのは中央尊である 大日如来が妥当なところですが、全体的に彫り進める過程で彫刻する手 が慣れた頃に大日如来を彫り進めたいと考えております。 全体の雰囲気を確認しながらなので、荒彫り段階で一度止めて、次の仏 様に進むという作業になります。 彫ることも労力が必要ですが、一仏さまを調べるだけでそれでも結構な 労力を要するので一体目で、ばてそうになります。 調べた元の本よりもできるだけ単純化して自分なりに簡単にまとめよう と思っていましたが、結構難しいです。 多分自分の頭でまだちゃんと理解をしていないところがあるからだと思 います。 施無畏菩薩(せむいぼさつ) この方は胎蔵界曼荼羅の除蓋障院(じょがいしょういん)という枠の中 の上から三番目におられる仏さまです。 除蓋障院の蓋障は蓋をする障りすなわち煩悩が人の心を覆って善心を生 じさせないところからこの名前がつきました。 そして、 この院は煩悩を除かしめんとする誓願を表しています。   施無畏菩薩とは 未だ目覚めていない衆生に対し、真実への畏怖心を除く菩薩 ということですが、どのようにしてこのような意味がつけられたのか、 調べてみますと、 ノウマク サマンダボダナン アラサナン アバエンダダ ソワカ と古代インドで唱えられていました。 この言葉は真言(マントラ)漢訳では咒、明咒と言います。 真言は密教成立以前の古代インドから効能がある呪文とされて重視され てきました。 その真言を唱えることで、発願を仏に直接働きかけることができます。 そしてこの仏さまの真言が中国に渡り …味あるものに…無畏を与えるものよ。 と訳されました。 そして手の表現ですが、右手の指、五指を外に向ける施無畏の印は5種の 力(五根)を表していて、それぞれ小指は信仰、無名指は精進、中指は 思念、頭指は禅定、大指は智慧である。この五種の力を我々に得させ、 無畏を施し、破悪趣(死者の魂を苦しみの世界から救う)へと向かわせ ます。  種字のラはラサナの頭文字でこのラの梵字一文字でこの仏さまを表しま す。 ラサナとは味という意味です。 その種字を利用して描かれた曼荼羅が種字曼荼羅と呼びます。 ここまできて、寺院に納まる曼荼羅の制作年数が5年とか10年という単位 で制作されますが、非常に時間がかかるのには納得しました。

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