13   妙見菩薩

妙見菩薩(みょうけんぼさつ)は、仏教における信仰対象である天部の一つ。

妙見尊星王(みょうけんそんしようおう)、北辰(ほくしん)妙見菩薩とも呼ばれる。
妙見信仰は、古代バビロニアにはじまり、インドを経て、中国で仏教と道教と習合し、仏教と共に日本に伝来したという。
「菩薩」とは、本来サンスクリットの「ボーディ・サットヴァ」の音写で、「悟り(真理)を求める者」の意であり、十界では上位である四聖(仏・菩薩・声聞・縁覚)の一つだが、妙見菩薩は他のインド由来の菩薩とは異なり、中国の星宿思想から北極星を神格化したものであることから、通常は大黒天や毘沙門天・弁才天と同じ天部に分類されている。

古代中国の思想では、北極星(北辰とも言う)は天帝(天皇大帝)と見なされた。これに仏教思想が流入して「菩薩」の名が付けられ、妙見菩薩と称するようになった。「妙見」とは「優れた視力」の意で、善悪や真理をよく見通す者ということである。七仏八菩薩所説大陀羅尼神呪経には「我れ、北辰菩薩にして名づけて妙見という。今、神呪を説きて諸の国土を擁護せんと欲す」とある。

妙見菩薩信仰には星宿信仰に道教、密教、陰陽道などの要素が混交しており、像容も一定していない。 他に甲冑を着けた武将形で玄武(亀と蛇の合体した想像上の動物で北方の守り神)に乗るもの、唐服を着て笏を持った陰陽道系の像など、さまざまな形がある。
日本で重要文化財に指定されている妙見菩薩の彫像は、読売新聞社所有(よみうりランド内聖地公園保管)の1体のみである。この像は、正安3年(1301年)の銘があり、もと伊勢神宮外宮の妙見堂にあったものとされる。

しかし、この像は甲冑を着け、右手に剣を持ち、頭髪を美豆良(みずら)に結った特殊な像容を示し、所伝とおり妙見菩薩と呼ぶべきかどうか若干疑問の残るものである。
中国の神。北の星宿の神格化。玄天上帝ともいう。宋代には避諱のため、真武と改名されている。清代には北極佑聖真君に封じられている。上帝翁、上帝公などとも呼ばれる
また、中世においては千葉氏や九戸氏が妙見菩薩を一族の守り神としており、千葉氏の氏神とされる千葉市にある千葉神社では今日でも妙見菩薩と同一と見なされている天之御中主神を祭神としている。

これは、明治維新の際の神仏分離令によって、「菩薩」を公然と祀れなくなってしまった為に採られた措置である。 同様の経緯による神社化は、岩手県奥州市にある日高神社や九戸氏の氏神とされている岩手県九戸郡にある九戸神社、大阪府の星田妙見宮、秩父市の秩父神社、千葉県君津市の人見神社、埼玉県飯能市の喜多川神社、茨城県竜ケ崎市の星宮神社および我野神社(あがのじんじゃ)の例など多数ある。
なお、千葉神社(かつての「千葉妙見宮」)は源頼朝から崇拝を受けたほか、日蓮も重んじた。また、日蓮宗の中山門流の檀越であった千葉氏が妙見菩薩を一族の守護神に位置付けていたこともあり、この縁により妙見菩薩が日蓮宗寺院に祀られることが多い。

参照Wikipedia

 

 

 

 

 

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