蓮弁の彫刻 7 最後の段、5段目の蓮弁を調整しながら彫刻
をしました。
正面の蓮弁を出来るだけ木目の美しい木を持っていくよう
に意識をしま すが、最初に一枚の蓮弁を調整して造ります。
一枚の蓮弁が出来上がると今度はその蓮弁を元に裏面、表
面を少し残し 気味で一気に7枚彫刻をします。
ある程度蓮弁の形に出来上がると、どの蓮弁を前に持っていくのかを
選 択します。
所定の位置が決まると、各枚、4段目に接触する部分を微調整しな
がら削 ります。
次に二回目の微調整ですが、5段目同士、横の蓮弁との隙間を出来
るだけ 小さくして削り合わせていきます。
この作業は蓮弁の最後の段の作業の特徴ですが、例えばこの蓮台に
お座 りになられるお釈迦さまを金箔にしようとした時、漆塗りを下
地に施し ますので、漆の厚みが出てきます。 そうすると、5段目の
隙間を木彫の段階で隙間なくきっちりと仕上げると 漆の厚みで入ら
ず、金箔がこすれて漆も傷がつき悲惨なことになってし まいます。
そうならないように、あらかじめ漆の厚み分を彫刻の段階で隙間を
開け ておきます。
今回は木彫の状態で仕上げるつもりでいるので、そこまで考えな
くても 良いのですが、もし蓮弁を彫刻して、なおかつ金箔で仕上
げたいという 人が万が一おられましたら、参考にしていただけれ
ば嬉しく思います。
同時進行でちょうど半分のサイズの蓮台も同時進行で彫刻をして
いまし た。
半分のサイズは削る量が少なくて大変ではないように思われます
が、実 は小さな蓮弁は左手で支える時に力が入りにくく、左手に
かすり傷をた くさんの負わせます、なので以外と手間がかかりま
す。
まだ仕上がってはいませんが、とりあえずすべての蓮弁を蓮台に
葺いて いく事ができましたので、蓮弁からしばらく開放されます。
あとは時間の経過と共に何か違和感がでてきたら、そこを彫り込
んで仕 上げに近づけていきます。