仏像の光背の修理

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古い光背の修復 お寺様から頼まれた光背の修復です。 光背の先が大きくいくつかの部材に割れた状態になっています。 仮組をしたところ、大きく欠損したところがなく、接着と形の整えと表 面の色合わせのみで取り組めそうです。

 

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今回は、接着、整え彫りまでの作業をしました。 接着は漆を使いましたが、漆は塗りだけではなく、接着にも使うことが できます。 接着効果を高めるために小麦粉と漆を練りこんでいきます。 見た目はちゃんと混ざっていてもそこからさらに練り込むみますと小麦 粉のグルテンがさらに粘りを出してきます。 粘りがしっかり出ていると、接着面の隙間ぎっしりと浸透していきます ので、これが接着効果をより高めてくれます。 ただし、しっかりと硬まるのに2、3ヶ月ぐらいはかかります。

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接着をして次の日にはだいたい固まっていますが、しかし整え彫りをす ると、剥がれてきたりします。 結局空気と触れている薄い表面だけが固まっている状態です。 それでも接着面が大きいと、だいたい一週間ぐらいで作業ができるとこ ろまでは硬まります。 今回は1ヶ月半前に接着をしてそのままにしておりました。 触ってみても、だいたい作業ができるところまでは固まっておりました ので、様子をみながら整え彫りをしてみました。 余った漆を私が普段使っている器や友人、知人から頼まれた器の修復に 使ったりします。 最後に器にあわせて銀もしくは金色に装飾して金継ぎを施したりします が、漆は耐水性ですので、器の修復には大変向いております。 話が少し脱線しましたが、次回は錆漆を使い隙間に埋めていきたい と思います。       そして最後になりましたが修復の依頼そして古い光背の修復過程のブロ グ掲載に御協力いただき、お寺様には大変感謝致します。  合掌

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