彫刻刀の柄の形 ー 使いやすい彫刻刀の柄のフォルムとは

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上の画像と下の画像は小道具の平刀です。

刃の幅は9分(2.7㎝)です。

彫刻刀の柄の形状は、彫刻をする人によって微妙に違います。

私もこの小道具の柄は何度も形状が変わっています。

刃先の長さは購入した当初はこの状態よりも3㎝程長くて15年でこの長さになりました。

そのため、たまに強い力を加えて彫刻をすると柄の先が細いので割れたりします。

その時は応急処置で接着剤を入れて使っていました。

忙しいとそのままにして使用していたりと、本当に乱暴に扱っていました。

このブログを書くことで、私の道具も自然と画像の中に写ったりします。

そして、私のブログを見てコメントを頂いた人に、彫刻のアドバイスをさせてもらう事も増えました。

そのため私は、彫刻を始めた頃を思い出すことも増えて、彫刻を始めた頃を思い返す事も増えました。

そして思い出すのと同時に、また道具をきちんとしておいた方が、初めて彫る人にも説得力がないと思い始めました。

ここ数年は道具に無頓着だったのですが、道具をもう一度見直しこれから彫刻を挑戦していきたいという人にも改めて今まで私が感じていた彫刻刀の柄について文章にまとめてみたいと思います。

 

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小道具という彫刻刀は刃の根元が細くなっています。

このような道具の利点は、見た目がかっこ良いというのもありますが、広い刃先の彫刻刀ですが細い柄で握りやすくて小回りがきいて使いやすいです。

普通の根元が細くなっていない平刀だと、手に持つ柄の部分が大きくなります。

大きいと力を込めて彫刻が出来るので、どちらもそれぞれに使い道があります。

上の画像の小道具は柄の先が細いので力が加わると割れる危険性があるので、私は糸を巻いています。

巻き方は下にリンクを張っておきます。

彫刻刀の小道具の柄の先に糸を巻いて強くする

道具のフォルムは、はじめのうちは柄のお尻の部分をあまり細くしていなかったのですが、今回は細くしてみました。

柄は小道具でも彫刻刀でもだいたい持つところが膨らんでいて、お尻の部分と柄の刃先の部分は細くして仕上げています。

お尻の部分を太くしても問題はありません。

現に私も太くしていた時期があったのですが、一番大切なところは持つ場所がきちんと持ちやすく出来ていたら、それ以外の場所では、極端な話彫刻をして遊んでも問題はありません。

また、漆を塗ってお尻の部分に切金を施している仏師の方もいらっしゃいます。

 

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こちらは浅丸の丸刀です。

普通の丸刀よりも浅くできています。

上の状態は長い間使用して、刃先が短くなってきたので、下の画像のように柄の方を切って短くしてみました。

短くする方法は下にリンクをはっておきます。

彫刻刀の柄の先を短くする

彫刻刀は長い間使用すると、柄の表面は焼けたり、手の油でどんどんと雰囲気が出てきます。

ですので刃先を削ると奇麗な木が出てきます。

私は使い古した雰囲気の柄が好きなのですが、また長く使用して上の画像のような状態に戻していきたいと思います。

柄の先を削ったのでついでに形状も少し変えて、写真には掲載していませんが、鉋で仕上げてサンドペーパーで表面を研いて椿油を塗ってみました。

実は今まで鉋で奇麗に仕上げてペーパーを使って仕上げる事に抵抗を持っていました。

それまでは、彫刻刀で仕上げごつごつ感を残して使っていました。

その方が、手作り感があって、なおかつ多少の滑り止めに(気休め程度ですが)なると思って使っていました。

私はどちらでの仕上げでも良いと思います。

自分が好きなやりかたで仕上げたほうが、モチベーションも上がります。

仕上げに椿油を塗っている最中に、これからも大切に扱っていきたいという気持ちが涌き起こってきます。

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上の画像は三分の印刀の彫刻刀です。

刃が斜めに真っすぐになっています。

この印刀はよく使います。

しかし、手の大きい人は幅が四分(1.2㎝)の彫刻刀が使いやすいように思います。

私も、中彫りの段階では四分をよく使い、仕上げに近づくと三分の印刀を使用しています。

この彫刻刀の柄の仕上げは、彫刻刀で仕上げて彫り跡を残しています。

先ほども記事に書きましたが、使い込めば使い込む程に、素朴な雰囲気になります。

彫刻刀の柄の形状で、私が感じる理想的な柄の制作方法は、柄を荒彫りの段階で彫刻をしてみる事です。

途中段階で使うとどこを細くした方が良いのか、残しておくべき箇所がリアルにわかります。

使いながら何度も何度も削り直して、一回で仕上げない方が私は良いように思います。

一回で仕上げても数日あるいは数ヶ月経過すると、おそらく削り直していると思います。

そんな風に、使い込みながら自分の理想の柄の姿をすぐに決めつけずに育てていくのが一番、理想的だと思います。

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最後に上の画像の小さい彫刻刀がありますが、私が携帯用に改良した彫刻刀です。

刃の大きさは同じです。

極限まで省略して、ペンケースに入るように施してみました。

下にリンクを張っておきます。

彫刻刀の柄を細く削り落として複数の彫刻刀をペンケースに収められるようにする。 その1 

 

下のリンク画像集は今回ご紹介した記事と重なるものもありますが、彫刻刀の柄に関する記事をまとめてみました。

彫刻刀に柄をつける

 

彫刻刀の柄を割って作る

ペンケースに入れる彫刻刀を改良してみる

二種類の砥石を使って彫刻刀を砥ぐ

彫刻刀の刃先が欠けたら

丸刀の研ぎ方

彫刻刀の柄を削って丸刀の刃先を長くする

彫刻刀の柄の先に糸を巻き付ける 

 

カッターナイフの次はから最低限の一本の彫刻刀と砥石をそろえてみる。

ブログを通して、カッターナイフで仏像彫刻をみて、実際に試してみた方からメッセージが届き、私自身思った以上の反響にうれしい悲鳴を上げていたところです。
そこで、カッターナイフから一歩進んで、最低限これだけあればという道具をあげてみました。

三分(約1㎝幅)の印刀の彫刻

中砥石

仕上げ砥石

この三つをまずはお勧めしたいと思います。

最初の行程として彫刻刀の柄をつけるところから、始めて見たいと思います。

初めて本格的に彫刻刀をもたれる方は柄が付いている彫刻刀から始めた方がよいです。

1 彫刻刀の柄の付け方

2 彫刻刀を研いでみる

3 一刀彫の彫刻開始

本格的にさらに進みたい人がおられましたら、彫刻刀の種類をそろえられたら良いですし、そうでない人はこの一本さえあれば、仏像以外にも何らかの細工をするときにとても重宝されるのではないだろうかと思います。

それだけ、この印刀という彫刻刀は使いやすい道具です。

まずは動画で

途中飼っているインコが登場しますが、ご容赦ください。

 

 

 

彫刻刀に柄をつける

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彫刻刀や大工道具などの専門の刃物を取り扱っているお店で彫刻刀を購入するとに同じ形状の刃でも、柄が付いているものと、刃だけのものが販売しています。

趣味やお稽古などで初めて彫刻をされている人などは、柄があらかじめついた彫刻刀を購入されている人が多いですが、慣れてくると刃の部分だけ購入して柄は自分で作る方法もあります。

柄付きの彫刻刀の場合と柄が付いていない刃だけの彫刻刀中身が同じかといえばそうではなく、初心者用として販売している彫刻刀の場合中身をかけると写真の鉄の長さの半分ぐらいしかありません。

しかし、そう簡単に減っていく物ではなくて、初心者用で毎日使い続けて頻繁に研ぐと1年持たないかもしれませんが、たまにしか彫らない場合だと何十年と使い続ける事が出来ます。

今回は柄が付いていない中身が長い方の彫刻刀の柄を作る制作行程をご紹介したいと思います。

 

 

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刃先は丸くなっていて切れない状態で販売しています。

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一本の彫刻刀の柄を作るのに二枚の細い板を使います。

あらかじめ鉋で接着面をかけておいてから、彫刻刀を合わせます。

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彫刻刀の輪郭を鉛筆やシャープペンなどでなぞります。

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輪郭線を削らないように中を丸刀で削り落とします。

 

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まだまだ彫り足りませんが一度、合わせてみます。

そして擦ると、木の方に擦った跡がつくのでそこを彫刻刀で削り落とします。

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丸刀から1、5分の平刀に変えて底の面と両面を削ります。

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彫刻刀を合わせて少しずつ微調整していきます。

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彫刻刀が入る溝が出来ました。

この次に接着をしていきます。

接着に適しているのは米糊、エポキシ樹脂、カゼイン、などは適していると思いますが、入手が難しかったり、するので木工用のボンドでも使えます。

木工用のボンドを使う場合気をつけなければいけないのはボンドが鉄に触れると錆の原因になるので、接着するときは触れないようにできるだけ気をつけます。

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固まるまで圧着します。

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固まりましたら、断面が楕円になるように四隅を削ります。

 

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四隅が削れると、断面が8画になります。

それから刃に近い柄の先と後ろの部分を細くします。

 

 

 

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彫りながら握ったりして自分の手に馴染む形状に合わせていきます。

 

 

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断面はあらかじめきっちりと楕円形を決めておくと早くて奇麗に仕上げることができます。

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柄の荒削りが出来上がりました。

この状態でも使う事が出来ますが、今回は鉋を使ってもう少し細かく仕上げていきます。

 

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鉋で削っている最中にもう少し彫りたいところが見つかると、彫刻刀を使って形を整えます。

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さらに鉋をかけます。

 

 

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柄の先の部分を平たくして完成です。

 

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以前ご紹介した携帯用の彫刻刀と合わせてみました。

刃も大きさもほぼ同じですが、柄の大きさで見た目も変わります。

 

完成

 

 

 

彫刻刀の柄の形 ー 使いやすい彫刻刀の柄のフォルムとは

 

彫刻刀の柄を割って作る

ペンケースに入れる彫刻刀を改良してみる

二種類の砥石を使って彫刻刀を砥ぐ

彫刻刀の刃先が欠けたら

丸刀の研ぎ方

彫刻刀の柄を削って丸刀の刃先を長くする

彫刻刀の柄の先に糸を巻き付ける 

二種類の砥石を使って彫刻刀を砥ぐ

今回は二種類の砥石を使って彫刻刀を研いでみたいと思います。

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左からキングの中砥石 800番 (数字が大きいとよりきめ細かくなり仕上げの砥石に近づきます。)

真中 天然仕上げ砥石 (規格外の砥石です。小さな彫刻刀などはこのぐらいの大きさでも研げます。)

右  印刀の彫刻刀 (刃が斜めについている彫刻刀を印刀と呼びます。)

 

 

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キングの中砥石はキングという商品名で販売されています。

人造の中砥石で今回800番を使っていますが、1000番などもあります。

数字が大きいときめ細かくなりより仕上げの砥石に近づきます。

 

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15分程水に浸しておきます。

よく水を吸う石なので、あらかじめ水を含ませておきます。

そうする事で彫刻刀を研ぐときに滑りが良くなります。

 

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彫刻刀を砥ぐ前の状態です。

 

 

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まずは刃の表側の面をきっちりとつけます。

人差し指か薬指を使って彫刻刀の面がピッタリと付くように指で押さえます。

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慣れてくると片手でも出来るようになりますが、最初のうちは両手で研ぎます。

しかし道具が小さくなると片手の方が、より安定して研ぐ事が出来ます。

 

 

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まだ面が完全に研げていませんので刃先が平らになるように確認しながらさらに研ぎます。

 

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面が平らになりました。

 

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仕上げ砥石です。

この砥石は、鳴滝砥石の黄板という種類です。

天然の仕上げと石の場合、水には浸さず研ぐ直前に軽く水をかけるだけで良いです。

 

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中砥石と同様に研いでいきますが、仕上げ砥石で研ぐ場合軽く力を加えるだけにしておきます。

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裏面も研ぎます。

小さな仕上げ砥石なので、持ち上げて軽く研いでいます。

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完成しました。

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試しに削ってみます。

研ぎ残しがないかチェックします。

筋が入っているともう一度研ぎ直します。

以上、彫刻刀の研ぎ方でした。

 

道具の種類

 

彫刻刀に柄をつける

 

彫刻刀の柄を割って作る

ペンケースに入れる彫刻刀を改良してみる

二種類の砥石を使って彫刻刀を砥ぐ

彫刻刀の刃先が欠けたら

丸刀の研ぎ方

彫刻刀の柄を削って丸刀の刃先を長くする

彫刻刀の柄の先に糸を巻き付ける