72 離戯論菩薩尊像

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胎蔵界 離戯論菩薩さま 今回ご紹介します尊像は離戯論菩薩〈りけろんぼさつ〉と呼びます。 お姿は左手に独鈷杵を立てて先端を床に押さえつけるように持ちます。 右手は胸前におき、人差し指を立てます。 尊名の 戯論とは実際には無いものを有るという偽りの意味ですが、尊名 には離れるという一文字が使われている事から、 無いものを有るという ような、偽りの世界から離れた状態の世界に住んでおられる尊像の事で す。 不生不滅、〈生まれることも滅することもない〉 不断不常、〈断絶でもなく、変化せず永遠に変わらないことでもない〉 不来不去、〈来ることもないけど去っていくこともない〉 不一不異、〈一つの意見でもなく、多くの意見でもない〉 そういうことを、理解することができれば、そこにすべての戯論は滅す るということを離戯論菩薩さまが象徴しておられるようです。 半沢直樹の奮闘劇、まさに戯論の世界を表しているようでしたが、そ ういう私も、戯論の世界から抜け出せないでいる一人です。                                                                                                                   合掌

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