無能勝妃像(梵名:アバラージター)
今回ご紹介します尊像は無能勝妃(むのうしょうひ)です。
釈迦院のお釈迦さまから向かって左下におられます。
青黒く、目が三つあり、左手は拳にして胸の前におき、人差し指を伸ば
右手は拳にして高くあげ、人差し指を伸ばします。
とても妃とは思えない風貌ですが無能勝明王の妃であり、明王と同じ徳
を具えます。
『大日経疏』には、釈尊が四魔を降伏し成道したとき、無能勝・無能勝
妃が重要な働きをしたと説いています。
菩提樹下での釈尊の降魔の徳を示す尊として曼荼羅に描かれます。
現図曼荼羅では、この尊を釈迦の右下に置きますが、観蔵院曼荼羅では
『大日経』の説に従い左下に改めました。