自画像の彫刻 7 完成

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前回、目を薄らと彫りましたが、その上から鉛筆で線を描き込みます。

今回は小鼻や口、口下のへこみ、横からの耳も描いていきます。

 

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耳の位置は基準の耳の穴を最初に決めると形が取りやすくなります。

 

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描いた線にそって薄らと削ります。

この段階でも微調整が出来る余地を残しています。

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耳の中も難しい場所です。

しかし、顔の表情にはあまり影響しませんので、彫り方を習得するには後回しになる事が多く、実は私も彫刻を始めた当初は顔の表情に特にこだわっていたので、耳を後回しにしていました。

こんな風に書くと耳は後回しにしても大丈夫だととらえられますが、上手に彫れる方が良いです。

しかし、これから彫る人の時間や環境などを考え、最も難しい顔の表情をピンポイントで短時間で彫れるように早めになっていたほうがモチベーションも上がり、どんどんと色んな物を彫りたいと思えるようになります。

 

 

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髪の毛の表現は最後まで悩みましたが、5分狩りにして仕上げて完成とします。

完成を見るとお坊さんのように凛々しく見えますが、実際の私はこんなに凛々しくはありませんので彫刻する人の特権だと思い、ご容赦ください。

 

完成

 

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完成です。

 

 

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花菱の彫刻

 

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今日は花菱の彫刻をしました。

この花菱という彫刻は、薄い板に幾何学紋の花をレリーフで彫ります。

仏像彫刻を初めて彫る方がこの花菱を彫ります。

花菱は、手に持つ板ということで手板と呼んだりします。

 

hanabisinotyoukoku-38初めて彫る人が彫刻するのだから、簡単な彫刻と侮ってはいけません。

あの明治の巨匠、木彫家、高村光雲が常に花菱を彫刻していたことは有名な話です。

花菱は、彫り慣れてくると見た目も華やかに見えるので上手く彫れているように錯覚することがあります。

深く彫るのは以外と簡単なのですが、薄く彫るのは結構難しい。

ですので、初めて彫られる方は薄く彫る事はとりあえず考えずに何度も挑戦して、こなれてきたら奇麗に彫れるようにして、次に薄く彫る事を意識すると良いのではないかと思います。

 

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ライブラリー 制作

自画像の彫刻 6

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前回うっすらと目を刻みました。

それで感じを掴み、修正を加えもう一度目を彫り角度や位置を若干変更するために目を削って薄く刻んだ所を消します。

 

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さらに目を薄らと刻みます。

私が最初に目を薄らと彫った時は目の感じを掴むため何度か彫る余地を残して彫りました。

そして今回も、もう一度薄らと彫っています。

今回は最初に目を小さく開けて徐々に広げていくやり方です。

目のラインをきっちりと決めて図を鉛筆で描くと、バランスが悪くなる可能性が高いです。

もちろん左右対称になりますが、硬い表情になります。

そのため、目のラインを作図するときは、薄らと描き、そのラインよりも細く目を描き、徐々に広げるやり方が一番良いように私は感じます。

 

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京都でお買い物 ー 菊一文字、鳩居堂 ー  

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今日は夕方、菊一文字という刃物屋さんに行こうと4日前から決めていました。

菊一文字の閉店時間が夕方6時30分までだったのですが、閉店時間が30分早くなったので何とか買いにいけるのが今日でした。

丸刀の裏を研ぐ砥石が欲しくて、別の刃物屋さんでも購入していたのですが、ほとんど私が買って、そのまま供給できていない状態でした。

それで菊一文字にあるという情報を聞いたので、早速行ってきました。

そしたら欲しかった3ミリ幅の石も置いてあって、3ミリと6ミリを、とりあえず5枚購入させてもらいました。

もう少しゆっくりと物色したかったのですが、閉店間際だったので次の鳩居堂へ急いでいきました。

鳩居堂では、お皿に入った金泥と小さな筆を購入、こちらも閉店間際なので物色せずに目的の物を購入して閉店となります。

鳩居堂は魅力的な商品が多く、店内の雰囲気も上品でいつも、お香の香りが漂っています。

今回初めて金泥のお皿を購入したのですが、いつもは葉書や封筒などの書き物を購入しています。

お気に入りの紙や筆やペンを使うと、書くという作業ではなく、書きたい雰囲気や気分にさせてもらえます。

近くにお気に入りの道具を購入できる環境に今日はなんだか感謝したい気持ちになりました。

実は、当たり前だと思っていた事が最近思うところがあって本当は恵まれていたのだなと気付かされました。

丸刀の裏を砥ぐ石なんて日本全国、どこでも手軽に購入できる物でもないし、特殊な細筆、金泥も大型ショッピングモールには置いていない。

今回購入した金泥は、香合佛に金線を描く為に購入しました。

翌日の日曜日に一日ゆっくりと金線で描きたいと思います。

 

 

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向って左がお皿に入った金泥、細筆、丸刀の裏研ぎ用の砥石

 

 

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本金の色はとても上品で、仏像の高貴な雰囲気にぴったりの色です。

ただ、金を定着させるための膠が入っていないので、薄めた膠を筆に含ませて使います。

自画像の彫刻 5

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首はまだ細くなります。

作務衣を着せていますが首回りが圧迫するぐらいの狭い間隔で作務衣のV字ラインを描きます。

スポーツ刈りから、5分刈りに変更するかどうか迷っています。

ですので髪の毛はまだ置いておきます。

 

 

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作務衣のV字ラインを浅く彫りだします。

まだまだ耳が見えてこないので最終的には耳を出すために顔の幅は狭くなってきます。

顔を細くするとさらに顔全体が細い印象を持つので頭頂部や顎を削ることも想定しておきます。

ですので首を短くしておきます。

彫刻するときに失敗する場合で、ある一部分をきっちりと形を作りすぎて、そのとなりの場所を削ることで最初にきっちりと形を作りすぎたところが、全く微調整が出来ず細くなってしまうことがあります。

ですので、木彫の場合は特に意識して残しながら彫ります。

 

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顎のラインは耳の後ろを超えて続いています。

仏像の場合はもここまでくっきりと出しませんが、耳の後ろは同じように、ほんのわずかに表現します。

 

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ここで一度目を刻んでみます。

目を早い段階で入れる事により、全体の形が見えてきて、彫るべき箇所が明確になります。

 

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自画像の彫刻 4

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目と口を彫り刻みました。

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顔の表情は最初に一番上の画像のようにお大きな面で目を刻み、バランスを取りながら微調整が出来るように残しながら細かく彫っていきます。

 

 

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顎から耳にかけてのライン顎から首に欠けての雰囲気は仏像とはちがいます。

仏像だと顎(あご)から頬(ほほ)にかけて丸く、顔の真ん中に風船をいれて膨らませたようなほほをしていますが、人間の場合は顎から首にかけて食い込ませるような彫りをします。

ここが一番大きな違いです。

 

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首はまだ残しておきます。

首はへこんでいるという事もあって初めてめて彫る人はついついへこませ過ぎてしまいます。

ですので彫りたいと衝動に駆られてしまいますが、今はまだ残して、全体の雰囲気のバランスを取る事に専念します。

 

 

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自画像の彫刻 3 荒彫り

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荒彫りはまず仏像と同じように横から見て顎の下を落とします。

 

 

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次に上から見て顔の丸みをつけるために大きな面で顔の前面をカットします。

大きな切り口でさらに頭頂部分を丸めます。

 

 

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後ろの首筋もカットします。

 

 

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まだ細かいところは手を付けずに外側から大きく丸めます。

 

 

 

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耳の後ろを削るときは、鼻先との関係が見えてきたら、余裕を残して少し削ります。

 

 

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耳の後ろを削ると後頭部の削る場所が見えてきます。

 

 

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反対側も同じように後ろの耳の位置を余裕を持たせて削ります。

 

 

 

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全体が丸まったら仏像と同じように鼻の下をまずは切り込みを入れます。

 

 

 

 

 

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横から見ると口に角度をつけています。

これでも口と鼻との関係性を見てみるとまだまだ口のボリュームは残っています。

荒彫りの状態では雰囲気を見るためにあえて彫りすぎないようにしています。

 

 

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鼻口目眉という順番で彫りだしています。

ここで生身の人間と仏像の表現方法の違いとして、人間の目の上の眉下のへこんだところは目の真ん中で止めておきます。

 

 

 

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仏像の口元の練習

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上の画像は割り箸です。

割り箸を使って仏像の口元の練習方法をご紹介いたします。

まずは、仏像の顔で一番難しいところは目であることは言うまでもないのですが、顔の表情を構成する目鼻口の中で、口の表情の役割は非常に大きく、どんなに素晴らしい仏さんの目が彫れても、口元で台無しになります。

口元は私もかなり苦労しました。

彫刻の上達は、最も難しいところを集中して彫り、回数を重ねる事です。

一体の仏像を光背台座すべて練習するよりも、仏像を各部位に分解し難しい順番に頭、手、足、衣と分解して難しいところを集中したほうが圧倒的に習得が早くなります。

そして一番難しい顔を沢山彫る事が上達の近道ですが、さらに顔の表情を決定づける目、鼻、口、耳(耳はこの場合後にまわします。)と分解します。

この中で一番難しいと思われる箇所をそれぞれに練習します。

目が上手く彫れるようになったら鼻、口に続きます。

それで目鼻口だけを一緒にして小さな枠の中で練習します。

次に頭全体を練習します。

すると、最初は上手くまとめる事は出来ないと思いますが、目鼻口を練習しているので、あとは関係性のバランス取るだけです。

頭全体を沢山彫るよりも、各部位に分けて練習する方が早い段階で顔の表情の作り方を自分のものにする事が出来ます。

仏像本体、光背、台座一式揃えて練習すると、技術の習得時間に時間がかかります。

台座や光背は実は彫り慣れると、結構見栄えよく上手く彫る事が出来ます。

そのために難しい顔の表情を避けてしまい、難しいところを彫る回数が極端に少なくなります。

私が顔を徹底的に練習するのが良いという大きな理由は、顔が彫れでば、仏像全体を彫るのは楽に彫れるようになります。

台座光背も楽に彫る事が出来るようになります。

そして仏像以外でも、動物、植物、乗り物の彫刻だって彫ることはできます。

今、顔の彫刻で、彫り方が難しく苦労なさっていたら、顔さえ彫れでば何でも彫れるという心の余裕を持って、チャレンジしてみてください。

これから彫る彫刻は割り箸を使って口を練習します。

一本の割り箸の中にたくさん口を練習して、的確な彫刻が彫れるように色々と試してみてはいかがでしょうか。

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まずは、鼻の下をV字に彫ります。

 

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少し見えにくいですが、しばらく下がると手写っていない画像でご紹介しています。

 

 

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彫っていた荒彫りの口の雰囲気です

次は私の手が写っていない画像を見てみます。

 

 

 

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上の画像は鼻と薄ら口を作っています。

口元は正面は彫っていません、下唇の端が一番深く彫っているだけです。

 

 

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口の正面を少し彫りだしますが彫りすぎないようにします。

 

 

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下唇を出します。

 

 

 

 

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完成です。

この上に(1)の画像がありますが、(1)からこの上の画像まで4枚の画像の彫刻を、徹底的に沢山彫ってみてください。

口の彫り方はかなり上達します。

 

 

 

 

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上の画像はまた別に作りました。

 

 

 

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上の画像は口元の練習を2つ連続で練習しています。

以上

 

砥石桶の砥石台を作る 後編

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漆接着が固まったので、丸ダボを鋸で切断します。

 

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最後に彫刻刀で仕上げるので面すれすれに切断せずに少し残します。

 

 

 

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鋸の跡を彫刻刀で削り、面をフラットにします。

 

 

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豆鉋で削っている場所は下の画像と同じ足の側面です。

天板の幅に合わせて削っていますが、鉋がない場合は下の用に彫刻刀で削ります。

 

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桶にセットして完成です。

 

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砥石を置いて試し研ぎしてみます。

上の砥石は、巣板という赤いまだら模様の入っている美しい砥石です。

これは京都で採掘される砥石の端材です。

小さな彫刻刀を砥ぐには使いやすいサイズです。

このぐらいのサイズだと、砥石桶とのバランスがぴったりです。

 

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上の砥石は一般的な大きさですが、載せてみると桶の幅いっぱいになります。

桶に対して砥石は少し大きめかなと思いました。

 

 

 

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上の画像は天然の中砥石です。

青砥と呼ばれているグレーの砥石です。

人造砥石のキングの中砥石と仕上げ砥石の間に使っています。

 

 

 

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砥石が大きいかなと思いましたが、実際に使ってみると十分使えます。

 

 

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これからも砥ぐのが一段と楽しくなります。

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砥石桶の砥石台を作る 前編

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この砥石桶と台は譲り受けた物です。

桶の形は楕円形をしています。

この楕円の長い場所に砥石台を載せてその上に砥石を載せて下のように研ぎます。

非常に長く使われていたのですが、素晴らしい事に水を入れても漏れることもありません。

試しに研いでみました。

研いでみると台が少しがたつくところがありましたので、この台だけを新しく作り直す事にしました。

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まずは材料を揃えます。

檜材を3枚用意しました。

 

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天板の板1枚と足を2枚少し大きめの物を使います。

 

 

 

 

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微調整は彫刻刀を使って仕上げるので、少し大きめに鉛筆で目安線を描きます。

 

 

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カットしただけではまだまだ大きいです。

下の画像のように彫刻刀で斜めにカットして、桶に入る幅を微調整しながら少しずつ下げていきます。

 

 

 

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上の画像はまだ入りきれていませんがこのぐらいになって初めて慎重に作業を進めて桶の高さと同じになるようにします。

 

 

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上の画像は板の幅に合わせて足の幅を揃えています。

下の画像は仮にセットしてみました。

 

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足は上から見ると長方形なので桶の丸みに合わせて削り合わせています。

 

 

 

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あるていど彫刻刀で削れたら、豆鉋で仕上げます。

 

 

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これで足は桶のアールにあいました。

次に足と天板をくっつけます。

まずは足が当たる箇所を鉛筆で線を引き、天板と桶の高さが合うよう鉛筆の線を基準にして段差を作ります。

 

 

 

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鋸をいれたら横から彫刻刀で木目に沿って割るように削り落とします。

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桶と台をセットしてみました。

高さがフラットになったら今度は足と天板を固定するためにまずは穴をあけて丸ダボを入れます。

 

 

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丸ダボを入れる位置に鉛筆で印を付けて、まずは錐を使って穴を小さくあけます。

 

 

 

 

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次に小さくあいた穴にドリルを使って穴をあけます。

 

 

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天板の穴があいたら、きっちりと固定してまずは片方の穴を天板から足にかけて深くまでドリルを入れます。

そして、一つ穴があいたら丸ダボを一本入れて固定しもう一つの穴をあけます。

穴があいたら同じように丸ダボを入れ、計四本同じ作業を繰り返します。

 

 

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麦と漆を使って練った漆接着材を作り、漆で接着します。

 

 

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接着できました。

 

 

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桶の中に入れて固まるのをしばらく待ちます。

続く