金剛界 69 風天

kongoukai 69-1

風天(梵名:Vayu ヴァ-ユ)

この尊像は風天(ふうてん)です。

羅刹形で右手は胸先で風幢を執り、左手は拳にして腰に当てます。

外金剛部二十天の一つで、西方に位置します。

五類天の中では地居天の一つです。

種字をni(二)といいますが二は風を意味するアニラの二です。

合掌

kongoukai 69-2

kongoukai 69-1

金剛界 50 無量光菩薩尊像

kongoukai 50-1

無量光菩薩尊像(梵名:Amitaprabha アミタプラバ)

この菩薩さまは無量光菩薩(むりょうこうぼさつ)です。

右手で持っているのは光明蓮華で左手は伏せて腰におきます。

無量の智慧の光によって普く十方を照らすところから無量光の名がある。

『浄諸悪趣経』にはその名前を甘露光(Amrtaprabha アムリタプラバ)としています。

甘露というのは不死の妙薬のことで、この尊像は無量の寿命を与える者というようです。

無量光では光に、甘露光では甘露にその比重がおかれ、全く別の尊格となるなります。

合掌

kongoukai 50-2

 

金剛界 68 羅刹天

kongoukai 68-1

羅刹天(梵名:Raksasa ラークシャサ)

この天部の尊像は羅刹天(らせつてん)です。

左手は拳にして腰に置き、右手は、ばいを持ちます。

外金剛部二十天の一つで、西南に位置します。

尊形のばいについて『賢劫十六尊』では槌、東寺曼荼羅では刀、御室版曼荼羅は棒をもつなど違いがあります。

羅刹は性質が暴虐で人肉を食べるようです。

胎蔵界曼荼羅の涅哩帝王(ねいりちおう)に同一視されています。

合掌

kongoukai 68-2

 

金剛界 70 金剛衣天尊像

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金剛衣天尊像 (梵名:Vajravasi ヴァジュラヴァシー)

この尊像の名前は金剛衣天(こんごうえてん)です。

胴体は人の体ですが、頭は象です。

左手に弓を執り、右手で箭(せん)を引きます。

毘那耶迦の一種で外金剛部二十天の一つで、西方に位置します。

金剛衣天は金剛衣服天とも呼びます。

『諸尊便覧』は尊名の衣について、この尊の大悲を意味してそれは母体に宿った胎児をつつむ胞衣に喩えられています。

三形の弓箭は性愛のカーマの持ち物で『賢劫十六尊』は西門に位置し、弓箭を持つといいます。

合掌

kongoukai 70-2

 

 

金剛界72 毘沙門天尊像

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毘沙門天尊像(インドの古い言葉:Vaisravana ヴァイシュラヴァナ)

この尊像は毘沙門天(びしゃもんてん)です。

左手には塔、右手には宝棒を持ちます。

外金剛部二十天の一つで、西に位置し、四天王、八方天、十二天の一つで北方を守護する。

金剛頂経というお経には毘沙門天に該当する尊を倶尾羅天(くびらてん)とします。

この毘沙門天と胎蔵界曼荼羅の倶尾羅天の関係は、本尊が倶尾羅とする、あるいは眷属とするなど古来より混同されてきたが その理由はヒンドゥー教では同体異名のようであります。

倶尾羅はヴェーダ神話のクベーラを指し、クベーラは福徳を授ける神のようです。

印相については違いが多く、根本印は内縛し、二無名指を立てて先を合わせ、二頭指を屈して鉤のようにするようです。

真言のバイラバは恐怖を意味し、それはヒンドゥー教の最高神シヴァの別名で、後代に流行した尊であります。

この毘沙門天の灌頂名をサンスクリットは金剛怖畏(vajrabhairava)としている。

合掌

 

kongoukai 72-2

 

金剛界 15 金剛笑菩薩尊像

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金剛笑菩薩尊像(インドの古い言葉:Vajrahasa ヴァジュラハーサ)

 

この菩薩さまは金剛笑菩薩(こんごうしょうぼさつ)です。

両手を耳の側に挙げて、金剛拳にして耳の背を押さえる勢にする。

宝生如来の四親近のうちの一尊で、宝生如来の南(図では左)に坐ります。

金剛幢菩薩尊像の布施波羅蜜の行願いが円満し、普く衆生を救済し、あらゆることが成就したことを大いに喜び微笑するのがこの尊像の働きです。

この尊像は衆生を救う一切如来の希有な出現に対する毘盧遮那如来の誓願でもあります。

そして、それは金剛薩埵の三摩地の喜びの境地でもあり、この喜びの笑いが一切の衆生に安楽と利益をもたらします。

合掌

 

konngou 15-2

金剛界51 賢護菩薩尊像

kongoukai 51-1

 

 

 

 

 

 

 

賢護菩薩尊像(インドの古い言葉:Bhadrapalaバドラパーラ)

この菩薩さまは賢護菩薩(げんごぼさつ)です。

賢劫千仏の一つで、梵本によればその名を甘露光(Amrtaprabhaアムリタプラパ)とします。

甘露とは不死の妙薬のことで、この尊像は無量の寿命を与えるものといわれております。

無量光では光に、甘露光には甘露にその比重が置かれ、全く別の尊格となります。

合掌

kongoukai 51-2

金剛界 71 火天

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火天(インドの古い言葉:Agni アグニ)

この尊像は火天(かてん)です。

右手は胸前で三角形のものを持っていますが、これは三角火炎といい炎です、その三角火炎を執り、左手は肩先で拳にし、人差し指を天に向けます。

外金剛部の二十天の一つで、西北に位置します。

お姿に違いがありますが、火天は老人であるとも青年であるともいわれております。

私が参考にしているのは老人のお姿のものですが、老人とは聖なる祭火として火檀に古代からまつられてきたからであるとされ、青年とは毎朝の火檀に灯されるので若々しいようです。

三角火炎は燃えあがる火炎でありますが、煩悩を焼き尽くす智慧を意味しているようです。

 

合掌

kongoukai 71-2