胎蔵界 187 忿怒鉤観自在菩薩尊像

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忿怒鉤観自在菩薩・ふんぬこうかんじざいぼさつ (梵名:Amoghakrodhankusaraja アモーガクローダーンクシャラージャ)

身色 正面肌色 左面青色 右面黒色

髻  頂に菩薩あり、その両手にはそれぞれ剣を持つ

手  4臂(四本の手)があり
第一の右手 三鈷鉤
第二の右手 施無畏の印を結ぶ
第一の左手 蓮華を持つ
第二の左手 羂索を持つ

三面 面ごとに頂に化仏がある

台座 赤い蓮華に坐る

『広大軌』などには蓮華印菩薩とあります。
忿怒の三昧に入った観自在菩薩が、慈悲の鉤をもって衆生を化導することを表しています。

合掌

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胎蔵界 147 優婆髻設尼童女

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優婆髻設尼童女・うばけいしにどうにょ(梵名:Upakesiniウパケーシニー)

身色 黄色。

右手 独鈷戟を持つ。

左手 掌を立てて、中指と薬指を屈す。

台座 赤蓮華に坐す。

三形の輸羅(sula)は、鋭い槍で、『大日経疏』に「妙慧を以て、無知を穿ち実相に達す」とあるように、鋭い智慧を表します。

種字のdiliは、『大日経疏』によれば、diは施者を表し、liは三昧の相を表します。

無相の三昧の中においてよく一切の願を成就すると説く。それゆえこの尊は、文殊菩薩の布施の徳を司ります。

合掌

 

 

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胎蔵界 203 孔雀王母

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孔雀王母・くじゃくおうも(梵名:Mahamayayuri マハーマユーリー)

身色 肉色

右手 孔雀の尾羽を持つ

左手 開蓮華を持つ。

台座 赤蓮華に坐す。

インドでは古来より孔雀は猛毒の蛇を食するので不思議な霊力があるとされました。

それゆえ、孔雀の真言を唱えることで毒を払うと信じられました。

釈尊の弟子の阿難は、ある比丘が毒蛇に咬まれて苦しむのを釈尊に伝えたところ、この孔雀の真言伝授されたと伝えられています。

この真言=明呪の霊験が特に顕著なので、孔雀明王とも称されているようですが、一般の忿怒形の明王とは異なり、本来は菩薩であるとされています。

漢訳の尊名に王母とするのは、真言陀羅尼を司る王(明王)の功徳を生み出す力を明王の母に喩えた命名であります。

手に持つ蓮華は、大悲を表し、この尊を単独で修法する一尊法の場合には、孔雀に乗った四臂あるいは六臂の像がしばしば用いられています。

合掌

 

 

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胎蔵界 197 蘇悉地羯羅菩薩尊像

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蘇悉地羯羅菩薩尊像・そしつちからぼさつ(Susiddhikara スシツデイカラ)

身色 白黄色

両手 胸に当てて印を結ぶ

台座 赤蓮華に坐る

『広大軌』などでは出現智菩薩といい、『大日経』には出てきません。

蘇悉地(susiddhi)は妙成就と訳し、羯羅(kara)とは作るという意味で、妙成就を完成したものの意味です。

妙成就には五種あります。

1、精進

2、明王

3、除障

4、もろもろの勇猛事

5、一切の真言

合掌



 

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胎蔵界 196 金剛針菩薩尊像

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金剛針菩薩尊像ーこんごうしんぼさつ(梵名:Vajrasuciヴァジュラスーチ)

身色 白黄色

左手 独鈷杵を載せた蓮華を持つ

右手 中指と薬指を屈し、小指と人差し指を伸ばす。

台座 白い蓮台に坐る。

印と真言が同じであところから、kお金剛手院の金剛説菩薩と同体であると考えられます。

金剛の針が何ものをも貫くように、針のような智慧をもって、一切法を貫きとおす徳を表します。

合掌

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胎蔵界 139 月光菩薩尊像

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月光菩薩尊像 がっこうぼさつ(梵字:Chandraprabha チャドラプラパ)

身色 黄色

左手 未開敷蓮華を持つ。

右手 半月をのせた青蓮華を持つ。

姿  童子形

髪  三髻にする。

台座 赤蓮華に坐す。

日光菩薩と共に、薬師如来の脇侍にもなっています。

青蓮上の半月は、法王を目指す文殊菩薩の修行中の智慧を表しています。

衆生を導く姿を、半月が次第に満ちていくさまとして示しています。

そして金剛界曼荼羅にも描かれています。

 

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胎蔵界 121 如来笑菩薩尊像

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如来笑菩薩尊像(梵名:Tathagatahasa:タターガタハーサ)

如来笑菩薩(にょらいしょうぼさつ)

身色=肌色

右手=口のそばに当てる

左手=蓮華を持つ。

台座=赤蓮華

如来の歓喜の徳を司る尊像で、如来の教えを聞き、心の底から喜びが涌き、心身ともに喜びにみちあふれている姿をした尊像です。

小乗仏教はもちろん、大乗仏教でも如来が大口をあけて笑うという記述はありませんが、密教では、これを積極的に肯定し、喜びを喜びとして表そうとしたと考えられています。

合掌

 

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胎蔵界 118 摧砕仏頂

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摧砕仏頂(梵名:Vikiranosnisa ヴィキラノーシュニーシャ)

摧砕仏頂(さいはぶつちょう)です。

身色=黄色

左手=独鈷鉤(とっここう)を載せた蓮華を持つ。

右手=薬指を屈して他の四指を立てる。

台座=赤蓮華

五仏頂の一尊像。除障仏頂ともいわれています。

この尊像は煩悩を摧砕し捨除する徳を司ります。

三形の鉤は、執拗にはびこる煩悩を引き寄せ、打ち砕くことをしめしています。

 

 

 

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金剛界 1 大日如来(毘盧遮那如来坐像)の二回目の彫刻

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二回目の彫刻

一昨日、胎蔵界の中尊である大日如来坐像の二回目の彫刻をしましたが、今回は金剛界の中尊である毘盧遮那如来坐像を彫刻してみます。

彫り進め方は胎蔵界と同じように顔の前面を彫り、顔を奥に引きました。

それにより胸に厚みを持たせました。

次に手先が大きく見えるので、左手の一差し指を右手で握り込んだ形を智拳印と呼びますが、その印の厚みをスリムにしていき、指と指の間の溝を彫る前の段階まで彫り進めました。

胎蔵界の大日如来と同様に、金剛界の中尊も彫り進めていくと、力が入りすぎて細かくなりすぎるので、曼荼羅の全体像を考えて今回も衣紋線を彫刻するまでにしておきます。

合掌

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金剛界大日如来一回目の彫刻←クリックすると進みます。

 

胎蔵界 150 召請童女

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召請童女(ちょうしょうどうにょ 梵名:Akarsani アーカルシャニー)

お姿=童子形

身色=黄色

手=右手に独鈷鉤(とっここう)を持ち、左手に青蓮華を持ちます。

台座=赤蓮華

鉤召とも呼ばれ、鉤をもって衆生を引き寄せ菩提へ導くので、この名前がつけられたようです。

この尊形は御室版曼荼羅では独鈷戟をもちますが、鉤召の意味からするところから、観蔵院曼荼羅では鉤を描いているようです。

合掌

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