如来笑菩薩尊像(梵名:Tathagatahasa:タターガタハーサ)
如来笑菩薩(にょらいしょうぼさつ)
身色=肌色
右手=口のそばに当てる
左手=蓮華を持つ。
台座=赤蓮華
如来の歓喜の徳を司る尊像で、如来の教えを聞き、心の底から喜びが涌き、心身ともに喜びにみちあふれている姿をした尊像です。
小乗仏教はもちろん、大乗仏教でも如来が大口をあけて笑うという記述はありませんが、密教では、これを積極的に肯定し、喜びを喜びとして表そうとしたと考えられています。
合掌
二回目の彫刻
前回の彫刻はお正月に荒彫りをアップしました。
それから10ヶ月近く経過しました。
このタイミングでもう一度中尊の大日如来像を彫刻してみようと思ったのは、曼荼羅の全体の彫刻の彫り進め方が少しずつ見えてきたので、私の中で彫り進めたい気持ちが強くなってきました。
できるだけ進め過ぎないようにお顔は前面を削り落として、奥にして胸の厚みを大きく見せました。
そして衣紋線までを彫刻してみます。
あくまでも全体像を考えた上での彫刻になりますので、今回はこのぐらいにおさえておきます。
次回は何ヶ月後にそれとも何年後に続きを彫るのか、その時期になってみないとわかりませんが、次回も今回と同じように、彫りたいという気持ちが強くなってきたらその時に続きを彫りたいと思います。
合掌
光網菩薩尊像(こうもうぼさつ 梵名:Jaliniprabha ジャーリニープラバ)
姿=童子形。
身色=黄色。
手=左手に青蓮華を持ち、右手に羂索を持ちます。
髪型=髪を三髻にする。
台座=赤蓮華
『大日経疏』に「文殊は形に表し得ないすぐれた智慧である。光網は荘厳されたあらゆる徳をあらわす」
『智度論』に「塩はあらゆる食べ物に調和しその味を倍増させる」とあります。
そのように真言行人は、実践のない空の智慧を修行するだけでは一方にかたよってしまいます。
そしてまた「世間での福徳の実践だけでもいけない」とあります。
この尊像は、文殊菩薩の智慧が現実に生かされることを示しています。
そして文殊菩薩の徳の荘厳さを司ります。
合掌
千手千眼観自在菩薩尊像
(梵名:サハスラブジャールヤーヴァローキテーシュヴァラ)
この菩薩さまは千手千眼観自在菩薩(せんじゅせ
んげんかんじざいぼさつ)です。
虚空蔵院の向かって左の大きな菩薩さまです。
お姿は二十七のお顔に千本の手を持っており、
そのうち四十二本の手を強調します。
その手にはそれぞれ眼があらわされています。
我々になじみの深い千手観音のことを指します。
千の手、そして千の眼をもって衆生をを救済し
ます。
それぞれの手持ち物には意味がありますが、ま
た後ほど加筆したいと思います。
この尊は観音さまが持つすべての誓願を備えて
おり、仏、蓮華、金剛の三部の果徳を表す虚空
蔵院に佇んでいます。
蓮華部の主尊であり蓮華王ともいわれ、また京
都三十三間堂は千手観音を千体祀っており、正
式には蓮華王院といわれています。
合掌
虚空蔵菩薩尊像 (梵名:アーカーシャガルパ)
この菩薩さまは虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)で
す。
この虚空蔵院の中尊で中央に佇んでいます。
左手を胸に当て、上に 宝珠を置く蓮の花を
持ちます。
右手には剣を持ち、頭に五仏の冠をかぶり
ます。
インド名のアーカーシャ・ガルバ(虚空の
母胎)といわれるように広大な宇宙のよう
な 無限の智慧と慈悲を持った菩薩といわれ
ています。
その菩薩さまを本尊として虚空蔵求聞持法
が唱えられていますが、それは記憶力増進
を祈念する修法です。
100日間で根本ダラニを100万辺唱えると
すべての教法を暗記することができるとい
われています。
古くは弘法大師空海が、室戸岬の洞窟に籠
ってその虚空蔵求聞持法を修したと伝えら
れております。
また日蓮上人も12歳の時に仏道を志すにあ
たって虚空蔵菩薩に21日間祈願を行ったと
言われています。
日本人にとっては観音さまやお地蔵さまほ
ど有名ではありませんが、馴染みのある仏
様の一尊です。
右手に持つ剣は智慧を、左手に持つ蓮の上
の宝珠は福徳を宝冠には五仏が表現されて
おります。
古代インド語に、この仏さまを指して、色
とりどりの衣をまとうものという言葉があ
り、それを象徴するため宝冠に五仏表現さ
れているようです。
合掌