月光菩薩尊像(梵名:Candraprabhaチャンドラプラバ)
この菩薩さまは月光菩薩(がっこうぼさつ)です。
この尊像は闇を照らす煌々と輝く月の光のように無知
の暗闇を破る尊像です。
月そのものよりも月の光を尊各化したものです。
日光菩薩とともに薬師如来の脇侍となっています。
密号では清涼と呼ばれ、清涼は月光は無熱であるとこ
ろから、煩悩の炎を滅した清涼な境地を表しています。
合掌
金剛因菩薩尊像 (梵名:Vajrahetu ヴァジュラへ―トゥ)
この菩薩さまは、金剛因菩薩(こんごういんぼさつ)です。
左手は、金剛拳にして、腰におきます。
右手は法輪を胸前にかざします。
金剛因菩薩は、無量寿如来(阿弥陀如来)の北方(曼荼羅
では、向かって右)に佇んでおられます。
尊名は金剛なる菩薩の因を具えた菩薩という意味です。
仏陀の智慧である菩提は、釈尊の成道の場面に擬せられて、
菩提樹下のいわゆる菩提道場で獲得される。
菩提道場での三昧の境地が因となり、その境地で菩提を獲
得するや、即座に説法へと向かういます。
この菩提の獲得の過程が、この尊によってイメージされて
います。
右手で持っている法輪は元来、古代インドでは武器の一種
でありました。
仏陀の説法は魔を退治し、煩悩を調伏するの武器に喩えら
れました。
合掌
金剛幢菩薩(インドの古い言葉Vajraketu ヴァジュラケート)
この菩薩さまは金剛幢菩薩(こんごうどうぼさつ)です。
両手には如意幢を持ちます。
宝生如来の円内のグループで西側、彫刻では上側に佇んでいます。
宝生如来の施与の働きをあらわしています。
宝生如来が右手を与願の印にしていますが、その本誓をこの尊は如意幢幡で象徴しています。
この如意幢幡とは、芋頭に如意宝珠を載せて幢幡を吹き流したものであるようです。
また地蔵菩薩と同体とされていて、胎蔵界曼荼羅の地蔵菩薩もこの尊と同じ如意幢幡を左手に持っています。
供養会の真言ではサンスクリットでチンターマニドヴァジャといいますがこのドヴァジャが幢幡という意味であるようです。
しかしサンスクリットはヴァジュラケートのケートです。
ドバジャとは種々の色のついた布で飾った旗を指していてケートもほぼ同じ意味として使われているようですが更に目印を加えたものであるようです。
目印とは亀・龍・鳥・獣などを目印にしたようなものですがドバジャとケートは意味が似通っているので通用された名称であるようです。
合掌
金剛光菩薩 (インドの古い言葉 Vajrateja ヴァジュラテージャ)
今回ご紹介する菩薩さまは金剛光菩薩(こんごうこうぼさつ)です。
左手は拳にして腿(もも)におきます。
右手には日輪を持ちます。。
宝生如来の円内のグループのうちの一尊で宝生如来の東側、彫刻では下の位置になります。
宝生如来が持つ宝珠の輝きを身体としますが、このことを手に持っている日輪で表現しています。
この輝きは闇に喩(たと)えられる衆生の無知を打ち砕き、衆生と仏のあらゆる世界を輝きで包み込みます。
山川草木すべてを金色にする働きがあるとされています。
また別のお経では自ら光を発すると、帝釈天や梵天などあらゆる神々や人々も直視することができないほどの威光がありますので、全世界の生き物はみなこの威光に従うとされています。
また別のお経では、すべての如来がこの輝きを獲得し、あらゆる仏があらゆる衆生に光明を注ぎ、衆生の無知の闇をやぶるとされているようです。
合掌