金継3漆で穴埋め

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漆接着漆が固まってきました。

まだ完ぺきに固まっているわけではありませんが、作業には問題ない範囲の硬さまでになってきました。

ずれる心配がなくなりましたので、次は隙間などの穴埋めをしていきたいと思います。

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今回使うのは木屎漆(こくそうるし)というものをつかいます。

木を粉末状にしてそれを鍋を使って少し焦がしたものを焼き曳粉といいますが、木に熱を加えることにより、水分が飛んで、焼締まり粉が丈夫になります。

その焼曳き粉を漆と一緒に練りこみます。

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小さなヘラが手元にありませんでしたので、彫刻刀を使ってヘラを作ります。

 

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極々小さな穴は次回の錆漆の作業で埋めるのであくまでも大きな穴を中心に埋めていきます。

 

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金継ぎについて (天然素材の漆を使った仕上げ方)

今回、金継で使用する素材は、天然漆、金、木を細かくしてこんがり熱を加えた焼き曳き粉、砥石の粉である砥の粉、接着に使う小麦粉、です。

これらはすべて、仏像の修復などにも使いますが、それを応用して金継で挑戦しています。

金継の記事をブログに掲載しようと思ったきっかけが、自然素材の漆を使って仕上げている金継ぎの器が非常に少ないと感じていました。

器には暖かいスープを入れることもあります、口に直接触れることもあります。

その時に、科学的に作られた石油系の接着剤やパテなどを使うと、私個人的にはあまり体には良くないような気がしておりました。

ごくわずかな面積なのでそれほど心配をする必要もないとも思いますが、それに気付いたのは、量販されているお箸を、たまたま使った時でした。

温まったお湯の中にしばらくお箸が入っていました。

たまたまですがそのお箸を使おうと思っていたら、漆塗りではなく石油系の樹脂で塗られたお箸なので、温まるとその樹脂の香りがほのかに漂いました。

その時に手間を省いて作られたお箸や漆塗りと称される、石油樹脂系の塗装などを使った器を使うのは実は健康にはよくないのでなないだろうかと、感じていました。

私が金継を趣味的に始めたのは健康のためではありませんが、天然素材で修復するやり方をみなさんに公開しようと思っていたのは、漆という天然素材を一般の人にも、挑戦してみたいと思えるようになっていただけたらとおもいました。

金継を通して漆素材を肌で実感することができます。

そして、漆素材でできたものを見るときに今までとは違った見方で見ることができます。

一口に金継といっても普段使いの器や高価な器など様々ですが、非常に高価な器などはプロに任せればよくて、それこそ数多くのサイトがありますから、簡単に見つけることができると思います。

普段使いに使われる器や、処分しようと思っていた器などで挑戦すると、失敗もそんなに怖くないともいますので、まずは試してみてはいかがでしょうか。

処分しようと思っていた器で試す場合だと気持ちが入らないこともありますが失敗覚悟で自信をつけるためならよいですが、。一番良いのは普段使いの器だと思います。

別の漆作業中、リラックマのマグカップにもほつれがあることに気がつきました。

私用にそれも一緒に直しましたが、あまり気が乗らず、いまだにその器だけ途中で止まっています。

人によって様々だと思いますが、そういうこともあります。

漆は科学系樹脂比べ健康に害がないと書きましたが、作業中は体質によりかぶれること

があります。

被れないようにビニール手袋で保護しても、弱い人はかぶれますので、かぶれるのは嫌な人はやめておいてください。

外に出て山に登る習慣がある人などはかぶれにくいとも言われますが、それでもかぶれることがあります。

一度は、かぶれる覚悟を持って挑むぐらいのちょうど良いと思います。

私も被れたことはありますが、被れると徐々に痒くなります。

掻いてしまいたくなりますが、そこをぐっとこらえて掻かないようにすれば被害は最小ですみます。

そして、ゆっくりと治ります。

だいたい完治に1週間ぐらい期間は必要ですがそういったことも含め天然漆の持つメリットデメリットと上手に付き合うと、作業またも楽しいものです。

 

 

金継2 (漆接着)

 

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漆接着のはみ出した部分をきれいに取り除いていきます。

麦漆(接着剤)は、2日経過して、ある程度固まって少し柔らかいぐらいです。

このぐらいだと、はみ出した部分の麦漆が除去しやすくなります。

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接着して二日ぐらいなら各パーツのずれを修正することができます。

このぐらいの硬さだと、ずれを修正したら動かないので作業もしやすいです。

 

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他の器も同じように除去しずれを修正します。

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この状態でしばらく置いておきます

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

金継ぎ 1

 

 

久しぶりに金継を知り合いから頼まれました。

ちょうど私の使っているマグカップも金継をしたいと思っていた所だったので、同時に直していきます。

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上の写真の抹茶椀は井戸茶碗です。

知り合いから頼まれたものですが、この手の器は個人的に好きで、古くから朝鮮に伝わり日本でもお茶会などで良く使われます。

また金継をしても映える器なので、とても直し甲斐があります。

 

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このマグカップはウェッジウッドで普段使いに私が使っていました。

 

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このマグカップはエルメスのマグカップでこちらも個人的に使っていました。

マグカップはよく使うので早く直したいですね。

以前から直そう直そうと思っていましたが、知り合いの器を修繕するのをきっかけに一気に進めたいと思います。

 

これからの時期は漆日和で、漆作業をするのにとても適した時期です。

だいたいの目安として乾かすのに適した温度が20度ぐらいです。

湿気も必要で、だいたい湿度70パーセントぐらいが良いとされています。

もともと、漆の木が生える山の中の多湿地帯と同じような環境を作ってあげるのがよいのではないでしょうか。

今回の作業は、接着です。

接着も漆を使います。

しかし漆の原液をそのまま使うわけではなく、小麦粉と一緒に練ります。

練りこむことにより粘着性が出てきて、接着力も高まります。

他にもご飯を練りこんだものに漆と一緒に混ぜて、さらに練りこんだものを接着剤として使うこともあります。

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こうして漆と小麦粉を混ぜて練りこんだものを使って漆を接着していきます。

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これで接着作業は終了、しばらく固まるまでゆっくり待ちます。

完全に漆が固まるには一か月ぐらいかかりますが、作業ができる程度に固まるのは3日ぐらいです。

合掌