金継ぎについて (天然素材の漆を使った仕上げ方)

今回、金継で使用する素材は、天然漆、金、木を細かくしてこんがり熱を加えた焼き曳き粉、砥石の粉である砥の粉、接着に使う小麦粉、です。

これらはすべて、仏像の修復などにも使いますが、それを応用して金継で挑戦しています。

金継の記事をブログに掲載しようと思ったきっかけが、自然素材の漆を使って仕上げている金継ぎの器が非常に少ないと感じていました。

器には暖かいスープを入れることもあります、口に直接触れることもあります。

その時に、科学的に作られた石油系の接着剤やパテなどを使うと、私個人的にはあまり体には良くないような気がしておりました。

ごくわずかな面積なのでそれほど心配をする必要もないとも思いますが、それに気付いたのは、量販されているお箸を、たまたま使った時でした。

温まったお湯の中にしばらくお箸が入っていました。

たまたまですがそのお箸を使おうと思っていたら、漆塗りではなく石油系の樹脂で塗られたお箸なので、温まるとその樹脂の香りがほのかに漂いました。

その時に手間を省いて作られたお箸や漆塗りと称される、石油樹脂系の塗装などを使った器を使うのは実は健康にはよくないのでなないだろうかと、感じていました。

私が金継を趣味的に始めたのは健康のためではありませんが、天然素材で修復するやり方をみなさんに公開しようと思っていたのは、漆という天然素材を一般の人にも、挑戦してみたいと思えるようになっていただけたらとおもいました。

金継を通して漆素材を肌で実感することができます。

そして、漆素材でできたものを見るときに今までとは違った見方で見ることができます。

一口に金継といっても普段使いの器や高価な器など様々ですが、非常に高価な器などはプロに任せればよくて、それこそ数多くのサイトがありますから、簡単に見つけることができると思います。

普段使いに使われる器や、処分しようと思っていた器などで挑戦すると、失敗もそんなに怖くないともいますので、まずは試してみてはいかがでしょうか。

処分しようと思っていた器で試す場合だと気持ちが入らないこともありますが失敗覚悟で自信をつけるためならよいですが、。一番良いのは普段使いの器だと思います。

別の漆作業中、リラックマのマグカップにもほつれがあることに気がつきました。

私用にそれも一緒に直しましたが、あまり気が乗らず、いまだにその器だけ途中で止まっています。

人によって様々だと思いますが、そういうこともあります。

漆は科学系樹脂比べ健康に害がないと書きましたが、作業中は体質によりかぶれること

があります。

被れないようにビニール手袋で保護しても、弱い人はかぶれますので、かぶれるのは嫌な人はやめておいてください。

外に出て山に登る習慣がある人などはかぶれにくいとも言われますが、それでもかぶれることがあります。

一度は、かぶれる覚悟を持って挑むぐらいのちょうど良いと思います。

私も被れたことはありますが、被れると徐々に痒くなります。

掻いてしまいたくなりますが、そこをぐっとこらえて掻かないようにすれば被害は最小ですみます。

そして、ゆっくりと治ります。

だいたい完治に1週間ぐらい期間は必要ですがそういったことも含め天然漆の持つメリットデメリットと上手に付き合うと、作業またも楽しいものです。

 

 

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