曼荼羅の貼り付け 2

曼荼羅の貼り付け 2

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中大八葉院の仮付けの次は蓮華部院の作業を進めました。

さすがに五〇〇体近くある各尊像の貼り付けは単純作業

ですがとても時間がかかります。

一体の尊像は少し大きめに輪郭線をカットしているので、

隣との隙間をなくして置いたとしても、やはり枠からは

み出ます。

はみだした部分は今後仕上げに近づくにつれて少しづつ

修正彫りをしますので、今回はこのままにしておきます。

置いていくうちに少しづつ全体像が見えてきて気分が高

まっていく自分に気が付きました。

私が思っていた以上にとても迫力があり、作業の手が休

むことなく置いていくことが、どんどんと楽しくなって

きました。

置いた時期とブログを書いている時期は少しずれますが

、その時は忘年会が一時間後というタイミングでキャン

セルをしようかと真剣に思ってしいました。

まずはここまで。

                                                                                        合掌

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曼荼羅の貼り付け

曼荼羅の貼り付け

 

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曼荼羅の貼り付けは全体を見るための仮の接着で簡単に外れるよう

にボンドで点付けをします。

点付けとは各尊像の裏面にボンドを小さく一点もしくは二点とほん

の少しつけます。

上の写真は中大八葉院の板で、重くなるので五点付けます。

まず最初に板を置いてから、各尊像をボンドで点付けをして一体づ

つ置いていきます。

まずは真ん中の中大八葉院から作業から始めていきます。

    合掌

 

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胎蔵界 157 不空見菩薩尊像

 不空見菩薩尊像(梵名:アモーガダルシャナ)

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この菩薩さまは不空見菩薩(ふくうけんぼさつ)です。

地蔵院の上から二番目に佇んでおられます。

左手には蓮を持ちますが、蓮の上には炎、その中に目・

鼻・口があります。

右手は伸ばして外に向けます。

五眼である、肉眼、天眼、慧眼、法眼、仏眼の眼で一

切の衆生を見ることが確実(不空)です。

そのため左手に持つ蓮の上には炎の中に顔が表されて

いますが、本来ならば不空見の特徴である眼のみを表

現すればよいのですが、古い曼荼羅では目鼻口を表現

していますので、顔全体を描くようになったようです。

                      合掌

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模刻のページ

謹刻

 

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この如来頭部は古い修理仏を模刻したものです。

八年程まえに彫刻したものだと思いますが、古

い平安や鎌倉時代の彫刻に近づけたいと思いで

きるだけ忠実に再現しようと思い制作しました。

面相は特に難しく、たくさん彫りましたが、気

高さや穏やかさ、やさしさ、厳しさ、すべてを

備えた如来の品格はいまだに試行錯誤の連続で

す。

面相そして手先は尊形の全体像に大きく影響を

与えるぐらい非常に重要なポイントになるとこ

ろでもあります。

それだけにとても奥深くまた神経質にもなりま

すが彫刻をしていて充実感があります。

この如来仏頭以外にも少しずつですが、彫刻を

進めながらこの模刻のページに掲載していきた

いと思います。

                                                                        合掌

胎蔵界 171 慈発生菩薩尊像

 

 慈発生菩薩尊像(マイトリアビウドガヤ)

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 この菩薩さまは慈発生菩薩(じほつしょうぼさつ)です。

除蓋障院という枠の下から三番目に佇んでいます。

左手には開いていない蓮の華をもっています。

この尊像は大慈によって一切を育むことを象徴的に表し

ていますがそれを大慈の徳により次第に清らかな心が開

いていくことを左手の蓮の華で示しています。

右手の印は水を注いで華を開く楽しみを表しています。

                      合掌

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美しいフォルム (固定ページ)

美しいフォルム

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美しいフォルムという固定ページでは、今は美術館など

記事がメインとなっていますが、制作するにあたり影響を

受けた美術品や私生活で使っている美しいと感じた道具を

紹介したいと思い設けました。

私が制作したもの以外のことを載せてきますので、今後は

神社仏閣や個人的なものなど少し掲載していければと考え

ております。

                                                                                                合掌

 

 

 

胎蔵界 89 勝三世明王尊像

勝三世明王尊像(トライロークヤヴィジャヤ)

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この明王さまは勝三世明王(しょうさんぜみょうおう)です。

持明院の向かって一番左に佇んでいます。

青黒く、お顔には三つの目がついています。

左手には三鈷杵を持ち、右手は三鈷戟を持ちます。

三世とは過去・現在・未来、あるいは三界(欲界・色界・無色

界)を指します。

ここでは特に三世を、時間・空間にうごめく貪・愼・痴(とん

じんち)の三毒をいいます。

この尊像の老成の姿は、三毒を降伏しおわり、勝利を得たこ

とを表します。

左右の手の三鈷杵や三鈷戟は身・口・意に亙る智の働き

って、あらゆる障害を克服したことを示しております。

                                                                                         合掌

 

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胎蔵界 88 大威徳明王尊像

大威徳明王尊像(梵名:ヤマーンタカ) 

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この明王さまは大威徳明王(だいいとくみょうおう)です。

持明院の左から向かって二番目に佇んでおられます。

お顔が三面あり、それぞれの面に目が三つあります。六本の

手足を持ち左右の第一手を内縛し中指を立てます。

左の第二手は戟、第三手は輪を持ち、右手第二手は剣、第三

手は棒をもち、お座りになっている台は瑟々座に坐ります。

六足尊とも呼ばれていますが、お経には「ルドゥラを破壊し、

ヤマの命を絶つ」とあります。

ルドゥラは暴悪を意味し、シヴァ神を指すようです。

ヤマは死の神で、かれらを破滅するこの恐ろしい神が、仏教

に帰依すると力強い守護神となる。

六面の忿怒相や手に持つさまざまな武器は、いかなる敵に対

しても真っ向から対決することを示します。

この明王様は無量壽如来の悪者を懲らしめるための怖い姿で

もあり。

文殊菩薩の化身とされます。

                                                                                                 合掌

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胎蔵界 67 持金剛利菩薩尊像

 

持金剛利菩薩尊像(梵名:ヴァジュラーグラダラ)

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この菩薩さまは持金剛利菩薩尊像(じこんごうりぼさつ)です。

金剛手院の一番下の真ん中に佇んでおられます。

左手に独鈷杵を持ち、右の膝を立て、住無戯論菩薩と同じ菩薩

さまだとされております。

金剛利とは鋭利な武器にも喩えられる鋭い智慧を表しています。

                                                                                       合掌

 

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胎蔵界 66 金剛持菩薩尊像

 

  胎66金剛持菩薩尊像(ヴァジュラダラ)

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この菩薩さまは金剛持菩薩(こんごうじぼさつ)です。

金剛手院の下から二番目の真中に佇んでおられます。

左右の手にそれぞれ独鈷杵を持ち、天衣をまとっています。

ヴァジュラダラとはインドでは単に金剛杵を持つものという意味

ですが、密号は常定金剛で金剛のように堅固でこれ以上勝れたも

のがない禅定に入り、如来の智慧を常に備え損失させないことを

表すようです。

                         合掌

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