四天王像をいよいよのみで削ります。
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今回は木の奥行き(厚み)があるので、抑揚のある力強い四天王像を彫刻していきたいと思います。
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まずは顔の周りを彫り始めていきます。
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しかし顔を彫るというよりは、お腹の出っ張りを出して背筋をピンと後方に伸ばし顔を奥にして、胸の厚みも出すように意識します。
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ですので、お腹の厚みを出すために顔を彫っているような感じです。
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一気に顔をのみで叩き出していますが、これでもまだ前に顔が出ています。
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ギリギリジャストの場所に顔を持って行かずに少し余裕を残しています。
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顔の鼻先から後頭部までの顔の奥行きはまだまだ厚みが残っていますが、これぐらい残しておきます。
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まずは前から見た感じをアバウトに彫り、次は横、後ろ、斜めからと、全体を彫ります。
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それでもまだ耳や肘のや膝の位置、足や腕の流れなどは、それぞれ微調整可能な状態を残しつつ、全体のバランスを見ながら徐々に攻めていくといったところです。
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最初にそれらの位置をきっちり決めすぎて彫り出すと、彫り進めて彫刻の中盤ぐらいで全体のバランスをみた時に微調整をしたくても攻めすぎて動かせないということがあります。
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今の彫刻と昔の彫刻の違いは、私個人の感想ですがコピー機やカメラの発達により、より精密に仏像のポイントとなる先ほどの肘、膝の位置、腕や足の流れ、耳の位置、目や鼻の位置を荒彫りをする前に把握できやすいのです
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例えば横から見て肘がこの位置だから角材の状態からいきなり肘を動かせないぐらい決めつけて彫出すと実際には位置が違っていたこともあります。
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それはなぜかというと、撮影の段階でカメラの位置が真横から撮影していないからです。
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真横だと思って彫りすすめたら違ったということはよくあることです。
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ですので、写真は忠実ですが、撮影の距離や位置で違った形状になります。
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写真は真横から撮影していないかもしれないという気持ちを忘れず写真はあくまで目安として、コピー機やカメラのなかった時代に立ち返り、本来持っている個人個人の持っているバランス感覚を大切にして彫り進めていきたいですね。
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