香合のデザインが決まりました。
カットしてしまうと後戻りができないのでもうこの
デザインで進むしかありません。
そのデザインとは円相です。
一筆で 〇を書いた字のことです。
私は、床の間などにこの一字で 〇 と書かれた字が
お軸にかけられている物を幾度か見た覚えがありま
した。
しかし、その時は漠然と見ていただけで特に気に留
めていませんでした。
まるい香合を作りたいと思っていましたので、この
円相がぴったりだと感じました。
作るうえで、機械では絶対に作れないもの、つまり
正円ではなくて少しゆがんだ丸い香合を作りたかっ
た。
そして蓋と本体が離れますが、そこも平にせずに若
干ねじったように作りたかったということもあり、
この〇はぴったりのような気がしました。
禅の世界では理解や説明を必要とせず、つまり見た
人の主観でどのようにも意味が変化して、様々なこ
とが推測ができるようです。
この円相も輪廻を表したものであったり、あるいは
〇は境目がなく、欠けることも、余ることもない、
お釈迦さんが悟られたことの一つに中道という言葉
がありますが、その中道に近いのかなあとと私なり
に理解させてもらったりします。
考えていくと禅問答のようにだんだんとわからない
深みにどんどんと、入っていってしまいそうなので、
この話題はこれで終わりとして、香合の制作を始
めたいと思います。
まずはコピー用紙にコンパスで正円を描いたら、
カットして木にあてがいながら、どの位置でカッ
トするかを決めて、のこぎりを使って切断します。
この木に描いた下線は以前書き込んだものでこの線
は無視してカットしています。
だいたい四角にカットできましたら、今度は身
と蓋の間にのこぎりを入れてカットします。
カットが終わりましたら、今度は蓋 の輪郭線を
決めてまずは蓋から続いて身の部分を丸くカット
していきます。
だいたい鋸で四角、八角、一六角、どんどん丸め
てからその角を彫刻刀を使って削ります。