木彫りの初音ミクを制作してみる 3

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前回の彫刻で気になっていた猫背ぎみを徐々に修正していきます。

背筋を伸ばすために顔を彫りこんで顔を奥に沈めていきます。

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肩も少し大きいので肩幅も狭くしていきます。

着物の袖のラインもまずは鉛筆で下書きをして、全体の雰囲気を見てみます。

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髪の毛を束ねた向かって左側の髪の毛の塊をもう少しボリュームを出したいので少し膨らませてみます。

 

 

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全体を漠然と彫刻したら、下書きを改めて書き込んでいきます。

最初にきっちりと決めて彫刻をしていないので、漠然と彫り進め修正できる範囲内で浅く彫り、下図のように鉛筆で下書きをして初めてきっちりと彫りだします。

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今回は下図線を書き足した時点で休憩します。

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    木彫りの初音ミクの制作工程

木彫りの初音ミクを制作してみる 2

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彫りだして消えた線を改めて鉛筆で下図を加筆した状態です。

私は顔を早い段階で彫りだすのですが、初音ミクの場合、前髪の奥に顔があります。

この状態だとお顔を彫るのが難しいのでまずは前髪をきっちりと決めます。

少し余裕を残しながら前髪のラインを彫刻刀で立て込みを入れ丁寧に奥の顔の表情を作っていきます。

 

 

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顔→抹茶椀→着物の衿→前髪→顔という順番を何度も繰り返します。

一発で決めないほうが良いですよ。

 

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この段階で手を大まかに出していきます。

しかし親指以外の指はまだ溝を彫りません。

親指とその他の手という感じに思っておいた方が良いです。

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この段階に来ると目のくぼみをつけますが、これは全体の感じ雰囲気を見るためであくまでも目安です。

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この段階では肩が広すぎで若干猫背に見えます。

そして左のひじがボリュームがありすぎです。

この段階までは一つ一つの線を浅く浅く彫るように心掛けます。

深くするのは仕上げの一歩手前の時に深く彫るところと浅く残しておくところを考えて刀を入れますのでその時のお楽しみに取っておいてください。

また一日経過すると他にも気になる点が出てくるので、深追いせずにこれで二回目を終了します。

 

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木彫りの初音ミクの制作工程

木彫りの初音ミクを制作してみる 1

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木材をつかって3D加工がどこまでできるのか気になって検索したところNCルータで立体的に加工している動画を見つけました。

その時のモチーフが初音ミクです。

それが初めて、真剣に見た初音ミクでした。

自動的にドリルと土台が動きそして出来上がっていくさまをみて最後の仕上げがどうなるのだろうと思ってみていました。

ドリルで仕上げるため、シャープな彫り面ではなく、どうしてもガサガサした面になってしまうようで、そこは少し残念でした。

しかし機械で荒彫りして人間が仕上げるようにすると、クオリティーがぐっとあがるだろうなあと感じてみていました。

そんなことを空想していると自分でもどうしても彫りたくなってきて、今回の制作を開始した次第です。

遊びで彫るとはいえ、かなり真剣に彫っていきます。

特に顔の表情は、気合を入れて彫ります。

道具は挑戦したいという人が出てくるかもしれないので、必要最低限で制作をしていきたいと思います。

一番上に道具の彫刻刀が画像で掲載しておきましたが、このページでは一番右の彫刻刀のみを使っています。

まだ仕上がっていないので彫刻刀がどの種類まで必要なのかわかりませんが、どうしても他の彫刻刀が必要だと感じたらプラスしていきます。

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私はきっちりと下書きをせずにIpadで見ながら、着物姿の初音ミクに私オリジナルで抹茶椀を持たせてラフに描いています。

「御相伴いたします」、「お先にちょうだいいたします。」もしくは「御薄いかがですか」どのテーマにしようか彫りながら考えてみます。

 

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初めて刀をいれます。

 

 

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まずは初音ミクを浮き立たせていくため周りを削ります。

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抹茶椀が一番出っ張っているのでその周辺を削ります。

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ラフに書いた下書きが消えかけたら加筆していきます。

実は初めて彫る人には非常に難しい彫り方になっています。

というのもきっちりとした線を木に移しその線の通りに輪郭線を削り最初のラインを消さないように削るのが優しい制作方法だと思いますが、私は、細かな修正を加えながら彫りたいので彫りながら違和感が出てきたらその部分を修正し新たにラインを描きなおすやり方をしています。

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木彫りの初音ミクの制作工程

 

 

金剛界 25 金剛拳菩薩尊像 

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金剛拳菩薩尊像(梵名:Vajrasandhiヴァジュラサンディ)

この菩薩さまは金剛拳菩薩(こんごうけんぼさつ)です。

二本の手を金剛拳にして胸に当てます。

不空成就如来の四親近のうちの一尊で、不空成就如来の北(曼荼羅図では右)に位置します。

この尊像のサンスクリット名のサンディとは密接な結合を意味し、手の指を堅固に結び合わせて握る働きを手で象徴しています。

それは一切如来の誓願の堅固であることの標幟(ひょうじ:目印)です。

指を堅く握ったこの形を金剛拳といいます。

金剛拳は金剛界の共通の拳の握り方なのでこの拳をつくるこの尊を一切如来拳菩薩とも呼びます。

十六大菩薩は、発願菩提心を体とする金剛薩埵から始まって、その修行は、この尊に至って、金剛去ったの三昧が一切如来の誓願を標幟する金剛拳印として現れます。

これは真言密教の修行者の理想の姿である金剛薩埵の修行の成就を意味します。

それゆえに十六大菩薩の最後に位置します。

金剛薩埵の目標は、自らには仏陀の一切智慧を獲得し、衆生には利益と安楽をもたらすことであるが、

そのためには自らが涅槃の境地に安住することはしない。

あえて衆生の苦しむ世間に身を置く。

これを無住処涅槃といいます。

仏菩薩の解脱した境地をあえて世間に結び付ける働き、すなわち無住処涅槃が、この金剛拳菩薩によって実現されます。

またこの無住処涅槃にあって衆生を涅槃の苦から解き放ち、安楽の境地の成就に結び付けます。

このように、金剛拳の堅固な結び合わせは、金剛薩埵の修行の成就を意味する第十六番目の尊として表されます。

合掌

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金剛界 42 慈氏菩薩

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慈氏菩薩尊像(梵名:Mitreya マイトレーヤ)

この尊像は慈氏菩薩(じしぼさつ)です。

左手の手のひらを仰向けにして軍持をおきます。

慈氏とはマイトレーヤの訳語で、慈悲深きもので弥勒菩薩も同じくマイトレーヤと呼ばれています。

賢劫十六尊の筆頭で、東の框(第二重)の北端に位置します。

軍持とはダンディーの音写語で水差しのことで、智慧の水をもって法雨を注ぐことを示しています。

合掌

 

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金剛界 2金剛波羅蜜菩薩尊像

 

 

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金剛波羅蜜菩薩尊像(梵名:Vajraparamita ヴァジュラパーラミター)

この菩薩さまは金剛波羅蜜菩薩(こんごうはらみつぼさつ)です。

天女のお姿で左手は掌面を外に向けた拳で、右手は触地の印をします。

毘盧遮那如来のすぐ下(東方)に佇んでいます。

阿閦如来が毘盧遮那如来を供養するために出現させた女尊です。

金剛波羅蜜の金剛は菩提心(悟りを求めんとする決意)の堅固なることを意味し、五鈷金剛杵は堅固な菩提心の象徴(三昧耶形)であります。

波羅蜜とは、彼岸に至るということで、菩提心の力によって彼岸に至るという誓願(三昧耶)をもった菩薩であります。

三形の五鈷杵は堅固な菩提心の象徴であるが、菩提心には悟りを求める心(能求菩提心)と求められる心を意味しています。

合掌

 

 

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金剛界 4法波羅蜜菩薩尊像

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法波羅蜜菩薩尊像(梵名:Dharmaparamita ダルマパーラミター)

この菩薩さまは、法波羅蜜菩薩(ほうはらみつぼさつ)です。

天女のお姿で羯磨衣を着ます。

三摩地の印を結び、印の上に蓮華を立て、華上にお経が入った箱を載せます。

毘盧遮那如来の西方の月輪に佇んでいます。

観自在王(阿弥陀)如来が毘盧遮那如来を供養するために出現させた女尊です。

法波羅蜜の法とは諸法実相のことで、すべての事物はそのままで真実の相を表していることをいいます。

それを観る眼、すなわち観察する叡知である般若波羅蜜の徳を表します。

般若とは叡智、悟りの智慧のことで仏の智慧をいいます。

そしてこの実相の法は妾分別の塵垢を離れて清浄であるから、蓮華が汚泥に咲いて決して汚されることなく清浄であるので、蓮華によって象徴されています。

合掌

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金剛界 26 金剛嬉菩薩尊像

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金剛嬉菩薩尊像(梵名:Vajralasi ヴァジュララーシー)

この尊像は金剛嬉菩薩(こんごうきぼさつ)です。

天女の姿で両手を剛拳にして、腰の側におき、左を向いて、やや頭を下げます。

この尊像は大日如来が阿閦如来を供養するために出生したものであります。

あたかも女性が愛する男性につくすように、自然の発露としての喜びが金剛嬉菩薩という女尊として生々しく表現されるます。

『摂真実経』によれば、行者は金剛嬉菩薩を観想する場合、自らが金剛嬉菩薩になりきり、十方世界の諸仏・菩薩・衆生に喜楽を与える如くせよ、とあります。

『聖位経』には、金剛嬉菩薩から光明が流出し、遍く十方世界を照らし一切如来を供養し、凡夫の貪りに染まった世界を破し、嬉菩薩そのものである円満安楽を獲得するとあります。

合掌

 

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金剛界 34 金剛鉤菩薩尊像

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金剛鉤菩薩尊像 (梵名:Vajrankusa ヴァジュラーンクシャ)

この菩薩さまは金剛鉤菩薩(こんごうこうぼさつ)です。

左の手を拳にして腰に当て、右の手に鉤を執ります。

鉤・索・鎖・鈴 (こう・さく・さ・れい)の四摂菩薩の一つです。

四摂の摂とは摂取の摂で、衆生を救いとる意味と、一切の如来たちを集める意味があるようです。

この尊像は一切の衆生を曼荼羅に招集して涅槃に入らしめる。

菩提心の発生の意味で、一切の衆生に菩提心を発さしめて涅槃に入らしめるところから、そのように言われています。

合掌

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法華経のなかの釈迦三尊像

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厨子入り釈迦三尊像

携帯できる仏像の中ではもっとも手の込んだものになります。

中尊が釈迦如来坐像、この両脇の菩薩さまは末法に法華経を広めることをお釈迦さまから命じられた菩薩さまの代表です。

白象に乗っておられる向かって右が普賢菩薩騎象坐像、反対側の獅子に乗っておられるのは騎獅文殊菩薩坐像です。

お釈迦さまに近侍する菩薩として「釈迦三尊」という名称で一般的になりました。

制作者として中尊のお釈迦様は小さいのですがストレスなく彫れるぐらいの小ささで、その両脇の菩薩像のサイズが顔の長さ3mm程の寸法なので、これから面相を出すのが大変です。

といいながら大変というよりは、さらに小さい仏像をチャレンジしたいという欲求のほうが高いので早く彫りたいですがね。

 香佛舎 釈迦三尊像ギャラリー 

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