胎蔵界 172 折諸熱菩薩尊像

折諸熱菩薩尊像  (梵名:サルヴァダーハプラシャミタ)

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この菩薩さまは折諸熱悩菩薩(せつしょねつのうぼ

さつ)です。

除蓋障院の下から二番目に佇んでいます。

左手にお経を持ち、右手は与願印を示します。

貪・瞋・痴 (とん・じん・ち)という衆生の迷いを

すべて焼き尽くし、左手のお経は新たに知恵を授

けることを指しています。

貪は むさぼり

瞋は怒り

痴は無知のことを指して、無知識のことではなく、

仏法の教えを知らずに悶々としていることです。

                                                                               合掌

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胎蔵界 36 大吉祥変菩薩尊像

大吉祥変菩薩尊像 (梵名:ラクシュミーマハーヴィドヤー)

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この尊像は、大吉祥変菩薩と呼びます。

蓮華部院の向かって左の下から二番目に佇んで

ます。

左手は腕を立てて拳を伏せて開いた蓮の花を持ち

ます。

右手は掌を仰向けて親指を屈して左に向けます。

お顔は少し左上を向きます。

様々なお姿に変化をして多くの人々を救済する

ところから大吉祥変と呼びます。

梵名のラクシュミーマハーバイドウヤーであっ

たと思われていますが、伝統的に尊名がラクシ

ュマーマハーヴァイドヤーとされ、このラクシ

ュマとは善兆を意味し祥瑞大明とも称されてい

ます。

         合掌

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胎蔵界34 不空羂索観音菩薩尊像

  不空羂索観音菩薩尊像  (梵名:アモーガパーシャ)

 

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この菩薩さまは不空羂索観音菩薩(ふくうけんじゃ

くかんのんぼさつ)です。

蓮華部院という枠の上から四番目の向かって左側

に佇んでいます。

頭にかぶさっている宝冠には化仏という小さな仏

さまが、表現されています。

お顔は三面あり、またそれぞれに額に目がありま

す。

そして腕は四本あります。

左手の第一手(胸前)には開いた蓮の華をもち、第二

手に羂索があります。

右手の第一手(胸前)には念誦をもち、第二手に澡 瓶

(そうびょう)という水がめを持ちます。

鹿の皮の衣を着て、赤い蓮華に坐ります。

羂索とは網と釣り糸ののことで、大きな慈悲の網で

苦悩にあえぐ衆生という鳥を捕らえ、また利益をも

たらす釣り糸で苦海にさまよう魚を釣り上げる働き

をします。

そのような働きが空しくないので、不空羂索の名前

があります。

ほかには羂も索も、ともに衆生を彼岸に導く縄であ

るとする説もあります。

この尊像にはほかにも、お顔が一面、十一面、そし

二本、六本、八本、十本、十八本などと異なった像

が多いようです。

ある経典によると、孝行な息子が母親の盲目を治す

ために、鹿皮を着て鹿も乳を求めていました。

そんな中、狩人が鹿の皮を着た孝行息子を誤って射

ってしまいました。

神々は彼を哀れみ、蘇生させて母の眼も癒しました。

この孝行息子がこの尊の前世であったようです。

そういった因縁によりこの尊は鹿皮を着ともいわれ

ています。

獣の中でも鹿は特に子を思う気持ちが強いようです。

合掌

 

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胎蔵界 87 般若菩薩尊像

般若菩薩尊像 (プラジニヤーパーラミター)

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こちらの菩薩さまは般若菩薩(はんにゃぼさつ)と

呼びます。

持明院の真ん中に佇んでいます。

お顔にはもう一つ目があります。

腕は六本あります。

左手の第一手は梵きょうをもち臍の前に置きます。

第二手は手のひらを仰げて臍の下に安じます。

第三手は頭指を屈します。

 

右手の第一手は持華印を結び。

第二手は施無畏印にし膝にあてます。

第三手は掌を立て薬指を屈します。

般若菩薩は仏の智慧を本質とする尊で三つの目は

真実を観る般若菩薩の智目で仏部、蓮華部、金剛

部の三部の徳を表すようです。

また六本の腕は、布施・持戒・忍辱・精進・禅定・

智慧の六波羅蜜を意味し福徳と智慧の円満を示す

ようです。

                                                                                合掌

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胎蔵界 23 馬頭観音尊像

胎蔵界

馬頭観音尊像  (梵名:ハヤグリーヴァ)

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久しぶりの曼荼羅の投稿です

この菩薩さまは、お馴染みの方もいらっしゃると

思いますが、馬頭観音(ばとうかんのん)です。

蓮華部院向かって右の一番下に佇んでいらっしゃ

います。

三面二臂、(お顔が三つに二本の腕)で各お顔には

額に目があります。

手の組み方は馬頭印というこの尊独特の印相をし

ています。

右ひざを立てて、白い馬の頭を頭上に戴きます。

梵名の意味は「駿馬の首をもつもの」で、インド

の起源が求められ、ヴィシュヌ神の第18番目の化

ともいわれます。

『大日経疎』では転輪聖王の宝馬はいつ、どこで

も休むことなく疾駆するように、身命をおしまず

衆生を救おうとする菩薩の大いなる、精進力にた

とえられています。

蓮華部院という中で唯一忿怒形をしています。

特に馬頭観音は衆生救済の思いが強いのでそのた

め だといわれています。

                                                                             合掌

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胎蔵界 33 豊財菩薩尊像

豊財菩薩尊像(梵名:ボーガヴァティー)

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 この菩薩さまは豊財菩薩(ぶざいぼさつ)です。

 蓮華部院の上から3番目の向かって左側に佇んでいます。

左手には開いたハスの華一房と開いていない蓮の華を三

房持っています。

開いていない蓮の華は頭の左に、開いた蓮の華は右に伸

びています。

右手は掌を仰向けて、小指と薬指を屈して肩の辺りに挙

げます。

豊財とは財の豊かさを意味し、この菩薩さまは福徳と智

慧の財が豊かで安寧と幸福を求めるものに自在に財を施

与するとされます。

また開いた蓮の華は仏の智慧の財、開いていない蓮の華

は衆生の心が仏種を具える豊かさを表すとする解釈も伝

統的に行われています。

サンスクリットの名称から豊かな恵みをもたらす神聖さ

を見るインドの伝統的な女神のイメージがあったと思わ

れています。

                                                                                           合掌

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胎蔵界 29 大吉祥明菩薩尊像

大吉祥明菩薩尊像(梵名:シュリーまはーヴァイドヤー)

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この菩薩さまは大吉祥明菩薩(だいきちじょうみょうぼさつ)です。

蓮華部院の下から二番目の真中に佇んでいます。

左手に花弁が開く前の蓮の華を持ち、右手は掌を外に向け小指 と

薬指を屈します。

この菩薩さまは『大日経』『大日経疎』には記されていませんが、

不空羂索経に記されています。

28の大吉祥大明菩薩と名称は似ていますが、蓮の華が開いていま

す。

開いていないのがこの大吉祥明菩薩です。

                                                                                                          合掌

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胎蔵界 30 寂留明菩薩尊像

寂留明菩薩尊像(梵名:シヴァーヴァハヴィドヤー)

 

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この菩薩さまは寂留明菩薩(じゃくるみょうぼさつ)です。

蓮華部院の一番下の真中に佇んでいます。

お姿は、左手は親指を伸ばし、他の四指を屈して独鈷杵

の形にします。

右手は掌を外に向け高く挙げ、左膝を立てて、天衣をま

といます。

インド名のシヴァーヴァハヴィドヤーとは「至福をもた

らす智慧をそなえたもの」という意味で、現図の高く挙

げた右手は煩悩を振り払い、左手の独鈷杵の印契はそれ

を降伏させることを表しているようです。

                                                                                            合掌

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胎蔵界27 如意輪観音菩薩尊像

如意輪観音尊像 (梵名:チンターマニチャクラ)

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この菩薩さまは如意輪観音(にょいりんかんのん)です。

蓮華部院の 上から4番目の真ん中、つまりこの院の枠

の真ん中の真ん中に佇んでいます。

この菩薩さまの特徴として、冠には阿弥陀さまの化仏

がいらっしゃいます。

そして腕は合計六本あり、右手は思惟の形、如意宝珠

、念誦を持ちます。

左手には台座の天板に手を降ろし支えているように見

えますが少し盛り上がっています。

盛り上がっているのは光明山という山です。

また別の腕には開いたハスの華そして、宝輪を持ちま

す。

如意輪観音は有名な仏像ですが、一般的に知られてい

るのは六本の腕で表現されているお像が多いです。

それ以外にも二本、四本、八本、あるものもあります。

如意宝珠は福徳、法輪は智特、を表しており、この功

徳により衆生の苦を取り除きます。

合掌

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胎蔵界 24 大随求菩薩尊像

大隋求菩薩尊像 (梵名:マハープラティーサラー)

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この菩薩さまは大随求菩薩(だいずいぐぼさつ)です。

 蓮華部院の一番上の真ん中にたたずんでいます。

この菩薩は八本の腕を持ちます。

右手には金剛杵、剣、斧、三叉戟を持ちます。

左手には炎のある金輪、輪索、宝幢、経典を持ちます。

マハープラティサラーとは「大いなる護符をもつもの」

という意味で、その護符を衆生が求めるに随って災い

を除き願いを叶えます。

日本では、この菩薩さまの真言を唱えて滅罪や子授け

を祈願する信仰が平安時代以降に盛んにおこなわれま

した。

                                                                                       合掌

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