京都嵯峨 厭離庵で開催された地歌の会に行ってきました。

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嵯峨の秋風 虫の声

静寂の中で

第二回、厭離庵 地歌の会が本日平成27年10月25日(日)午後2時に開演しました。

約2時間、厭離庵での地歌(尺八、唄、三味線、琴)と休憩時間にお庭の散策、とても優雅なひと時を味わってきました。

厭離庵の場所は京都の嵯峨の清涼寺の近くにあるお庭の美しい山荘の旧跡で当時は藤原定家が住んでいたところでもあります。

そして、小倉百人一首を編さんした処でもあります。

そこを冷泉家が修復し霊元法王より、「厭離庵」の寺号を賜り、安永(1772年)より臨済宗天龍寺派となりました。

再び荒れたこともありましたが、明治43年仏堂と庫裡を建立し、山岡鉄斎の娘、素心尼が住職につき、それより后尼寺となりました。

厭離庵への入り口はとても狭く、どんどん入っていくとさらに狭く暗くなってきて、大丈夫だろうかと思いながらも、しばらく歩き続けると、門が見えてきました。
門をくぐると、不思議と光が差してきて、美しいお庭が姿を現しました。

非公開の場所ということもあり、嵐山の観光客の人混みから離れ、静かな空間でお庭を眺めていました。

厭離庵(えんりあん)の厭という字は飽き飽きしたりもううんざりして、見るのもいやな状態を指す言葉だそうですが、その厭から離れられるようなそんな気分にさせていただけます。

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林益郎さんの京都初個展

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最終日ですが林益郎さんの個展に行きました。

一点一点、薪を使って窯で焼成して作品作りをされています。

お茶道具がメインですが、他にも酒器や花器などの道具も手がけられています。

私は朝鮮の古い粉引の茶碗が好きなのですが、彼の作品にも私の好きな粉引の器が沢山あります。

林さんはお花をされているので、お花を生けられる人の気持ちを意識しながら作陶されているのか、花を生ける器がさらにお花を引き立てます。

使えば使う程、馴染んできて落ち着いてさらに良い雰囲気になるのではないだろうかと想像しながら拝見していました。

本日最終日ですが、四条花見小路の近くの祇園小舎で開催中です。

 

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林益郎君のFacebookページです。

 

あべのハルカスで高野山の名宝を鑑賞

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あべのハルカスでは高野山の名宝展が開催中です。

見所がたくさんあるので楽しみにしていました。

運慶作の八大童子像、快慶作の四天王像や孔雀明王像など、名品ぞろいです。

しかし、せっかくあべのハルカスまで来たので地上300メートルの天井回廊への興味も出てきて、天井回廊と名宝展をセットでチケットを購入すると割安になるという事も背中を押され、天井回廊まで行ってみました。

 

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今日は一日雨で、スムーズに進む事が出来ました。

 

 

 

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16階から一気に60階までは、感覚としては30秒ぐらいでしょうか、意外と早く到着しました。

 

 

 

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59階から58階を撮影。

 

 

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57階は中庭のになっていて天井は吹き抜けになっています。

 

 

 

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展望台から高野山の名宝展が開催されている16階まで降りてきました。

展覧会では以下の仏像を中心に見ていきました。

室町時代作の弘法大師坐像(金剛峰寺)

唐代の諸尊仏龕(ぶつがん)(金剛峰寺)

平安時代の不動明王坐像(金剛峰寺)

不動明王を囲む運慶作の八大童子像 (金剛峰寺)

快慶作の孔雀明王坐像(金剛峰寺)

快慶作の四天王立像(金剛峰寺)

その中で唐代の諸尊仏龕は総高23.1センチの白檀で出来た観音開きの中に、中央に釈迦如来、向かって右側に観音菩薩、向かって左側に弥勒菩薩が配置され、その周りにも多くの修行者が刻まれています。

とても細かく多くの像を彫りだしているにもかかわらず、どの像を見ても良い表情をしていました。

唐時代の工人の技量の素晴らしさを垣間みる事が出来ます。

平安時代の不動明王は、平安時代の柔和な雰囲気と怒りの様相が、とても上品で吸い込まれるような魅力があります。

日本では忿怒形の姿をただの怒りとして表現していないように不動明王をみていつも感じています。

もちろん、大日如来の化身でもあるので当たり前といえばそれまでなのですが、仏像には儀軌といって、仏像を制作するのに当たって、守るべき法則があります。

その法則を守って制作しても、魅力的に表現できるという事はまた別です。

儀軌だけでは、伝えられない表情の中に垣間見える怒りの中の優しさや包容力などは、どのようにして当時の工人達が学んだのだろうか。

とても知りたいところです。

その不動明王の周りを取り囲む八大童子像は、運慶作でとても生き生きとした彫刻使いが感じられます。

1メートル前後程の高さの童子像で、彫刻としてはとても表現しやすい大きさです。

ですので、素晴らしい造形美の仏像がこのサイズには、多く作られています。

なんといっても八大童子像の魅力は肌の弾力感だと思います。

この弾力感を木彫で表現するのは非常に難しいのですが、それを運慶の才能で見事に表現されています。頭の先から、足先まで、どこを見ても力を手を抜いていない、それがまるで生きているような清々しい童子像は、本当に日本の宝だと強くおもいました。

そして、快慶作の四天王像も見事です。

写真で見ると大きく感じるのですが、実際には134センチ程の高さの像です。

快慶さんの仏像の素晴らしさは、完璧なところだと思います。

精密に計算された力強さを感じます。

これは私の独断なのですが、彫刻を始めた当初は運慶さんよりも快慶さんの方が上手だと感じていました。

それは上記のような精密に計算された美しさが理由なのですが、この四天王像は私の中で上位にはいる素晴らしい像である事は今でも変わりませんが、完璧な作品が持つ人を寄せ付けない壁を感じさせるのではないだろうかと、今日改めて見て感じました。

私の嘆きですが、よくもまあ鎌倉時代の名工達が完璧な仏像のお手本を残してくれたものだと思います。

そのおかげで私たちは目指すべき仏像の姿がより高度に、より難しく、そして楽しく学ばさせていただくことができます。

先代の技量に感嘆と尊敬を再確認した一日でした。

 

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合掌

南山城の古寺巡礼展 

現在、京都国立博物館で開催中の南山城の古寺巡礼展へ行ってきました。

今日は小雨が一日降り続くいていたにも関わらず、比較的たくさんの人が観に来てました。

ポスターの写真の像である重要文化財の十一面観音立像(禅定寺蔵)は286.3cmと大きくとても見ごたえがありました。

平安時代も末になると定朝さんの手により寄木造りの制法が普及し、体の厚みが少し薄くなり穏やかな和様といわれる日本の仏像が完成されます。

この十一面観音像は平安時代末10世紀末頃の彫刻だといわれておりますが、平安初期の胸板の厚いどっしりとした仏像の雰囲気を残した像です。

それは、ポスターからもうかがい知ることができましたが改めて実物を確認すると胸板の厚みも厚く堂々とした体躯で衣の衣文線(しわの線)の丁寧な彫りなど見ていて、ほれぼれとする出来栄えでした。

平安時代初期の彫刻の特徴の一つで全体の輪郭線だけを見た場合、肩のフォルムがいかり肩になっています。

平安初期の彫刻は肩の位置が少し高いのですが、この十一面観音の体はどっしりとしていますが肩はやや、なで肩になっています。

いわゆる定朝様といわれる形に近づいているように感じました。

画像で掲載することができないのはとても残念です。

今回の展覧会は平安時代頃の像が多く出品されていて、古い仏像が好きな方には、とても満足していただけるのではないかと思います。

最後に京都国立博物館の外観の写真を掲載しておきます。

ロダンの考える人が噴水の前にあります。

この像も、よく見てみると筋肉の肉付きや無駄な装飾を取り除いた表現方法など、改めてロダンの素晴らしさを再確認させてもらえます。

 

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南山城の古寺巡礼 京都国立博物館

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京都国立博物館は、現在新館は改装中につきしばらく休館していましたが、今年の9月13日から開館する予定となっています。

私は、その日を楽しみにしていますが、旧館のほうでは現在でも特別展など期間限定で開館しています。

 

今回は、南山城の古寺巡礼が4月22日から6月15日まで、旧館で開催されます。

この南山城の地は、奈良に近い京都南部の場所にあたり、古いお寺も所々に点在していて仏像

も見ごたえがあります。

観光地であると思いますが、静かに仏像を拝観したい人などはとても居心地の良い場所だと思

います。

そんな南山城の仏像を扱った展覧会は珍しいので私も来月早速、拝観に行ってきます。

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