現在、京都国立博物館で開催中の南山城の古寺巡礼展へ行ってきました。
今日は小雨が一日降り続くいていたにも関わらず、比較的たくさんの人が観に来てました。
ポスターの写真の像である重要文化財の十一面観音立像(禅定寺蔵)は286.3cmと大きくとても見ごたえがありました。
平安時代も末になると定朝さんの手により寄木造りの制法が普及し、体の厚みが少し薄くなり穏やかな和様といわれる日本の仏像が完成されます。
この十一面観音像は平安時代末10世紀末頃の彫刻だといわれておりますが、平安初期の胸板の厚いどっしりとした仏像の雰囲気を残した像です。
それは、ポスターからもうかがい知ることができましたが改めて実物を確認すると胸板の厚みも厚く堂々とした体躯で衣の衣文線(しわの線)の丁寧な彫りなど見ていて、ほれぼれとする出来栄えでした。
平安時代初期の彫刻の特徴の一つで全体の輪郭線だけを見た場合、肩のフォルムがいかり肩になっています。
平安初期の彫刻は肩の位置が少し高いのですが、この十一面観音の体はどっしりとしていますが肩はやや、なで肩になっています。
いわゆる定朝様といわれる形に近づいているように感じました。
画像で掲載することができないのはとても残念です。
今回の展覧会は平安時代頃の像が多く出品されていて、古い仏像が好きな方には、とても満足していただけるのではないかと思います。
最後に京都国立博物館の外観の写真を掲載しておきます。
ロダンの考える人が噴水の前にあります。
この像も、よく見てみると筋肉の肉付きや無駄な装飾を取り除いた表現方法など、改めてロダンの素晴らしさを再確認させてもらえます。