京都の骨董街 新門前 吾目堂 鉄斎堂 1 ー新門前周辺と鉄斎堂ー

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今日は、主に日本や中国のアンティークを扱う夢工房吾目堂さんへ行く用事があったので時間に余裕を持って京都の骨董街の一つ新門前周辺を散策してみました。

途中に鉄斎堂という日本画を主に取り扱った建物にふらっと入って目の保養をして楽しんでいました。

鉄斎堂では日本画の展示会をしていたのですが、林司馬 ー模写の世界展ーが開催されていました。

 

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最初にご紹介しました鉄斎堂です。

林司馬さんの描いた日本画ははじめてみますが、精密模写という繊細な線の描き方が何ともうつくしかったです。

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電源スイッチの隠し引き戸

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私の知り合いの指物師の森地さんの制作された引き戸です。

電源スイッチを使わないときは引き戸を使って閉めておきます。

 

 

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実は取っての部分は骨董市で見つけたものを、取り付けています。

お寺さんはとても品のある方で、既製品の取ってではなく、このように古い取ってを上手に使われています。

古い取っ手と新しい木目の美しさが合わさって何ともいえない上品な引き戸に仕上がっています。

この引き戸を制作された木工塾もりちのリンクを最後に貼付けておきます。

木工塾もりち

 

白玉の水鳥を白檀で彫刻 後編

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この白玉の水鳥は後ろを向いて顔を体にくっつけている姿をしていて首の下に隙間が空いています。

この隙間は最後まで彫らずにきっちりと形が整ってから隙間を空けていきます。

 

 

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羽の下線を描いていくと、厚みを残すところと、彫りだす箇所が明確になってきて、画像では表現しきれない微妙なオウトツがよくわかるようになります。

すると迷いがなく彫り進む事ができます。

最後に首の隙間を貫通させて仕上げにかかります。

 

 

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今回は彫刻刀のみの仕上げで完成とします。

紙ヤスリなどを使って、表面をつるっとさせる仕上げ方もありますが、彫刻刀のみで仕上げます。

彫刻刀での仕上げだと削り後が若干残って木彫らしい仕上げになります。



香佛舎で制作行程をまとめました。

香佛舎 クリックするとページに進みます。

白玉の水鳥を白檀で模刻 前編

西洋などの豪華な石と言えばダイヤモンドなどきらきらと輝く石などが高級品として扱われていますが、日本でも、ヨーロッパなどで制作された宝石に魅了されている方々も多いと思います。

キラキラ輝く宝石に比べてアジアに目を向けると特に中国で産出される石の中でも白玉は、西洋で重宝されるような輝きを放ってはいませんが、どちらかというと鈍い光り方をしています。

しかし、この濁ったような石の質感ですが、身近でみると何とも言えない魅力を感じます。

中国では代々と玉(石)が珍重され、故宮博物館などでは国宝に指定されているものもあります。

今回、この水鳥の彫刻が施されている白玉(はくぎょく)を模して白檀に刻んでいきたいと思います。

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白檀の彫刻をブログに載せるのは意外と今回が初めてで、彫刻している最中、一刀、一刀彫るにつれ新鮮な白檀の匂いが漂ってきます。

白檀にも彫りやすいものと少し彫りづらいものがありますが、赤くて濃い色ほど彫りやすく、薄くなってくると彫りにくくなり見た目も、濃い色の方が白檀らしい奇麗な色に仕上がります。

今回、彫刻をした白檀の木は前者の赤くて濃い色の部類に入る木です。

 

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削ると削り屑がでますが、白檀や、香木と言われる貴重な木になると、この削り屑も捨てないで大事に取っておきます。

香りの成分の粉に使ったり、熱を加えて匂いを楽しんだりすることができます。

 

 

 

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白檀は固い木です、それで上の様に荒彫りの段階でも一刀一刀の刻みの面積は小さなものになり、仕上げの様に小刻みに荒彫りをしていきます。

柔らかい木のような感覚で彫るととても固いですが、彫り方を変えて小さく小刻みに時間をかけて彫ると適度な力で彫り上げる事が出来ます。

 

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続く

江戸時代 蕎麦猪口の金継 3 完成 

まずは動画から。

寄木造りの制作行程の前に色絵の蕎麦猪口の金継ぎ2までをブログに掲載していました。

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上図は前回までの金継の行程の画像です。

前回は錆び漆を盛り上げたところで終わっていました。

今回はその錆び漆で盛り上げたところをサンドペーパーで平らにしていくところから始めていきます。

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300番程度の粗さの耐水性のサンドペーパーを使って水を含ませながらフラットの状態になるまで研ぎだしています。

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面がフラットに仕上がると今度は黒い顔料の入っている漆を塗ります。

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上図は漆を塗ってから5日程経過した状態です。

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800番程の粒子のサンドペーパーを使ってフラットにします。

番数が小さい程荒く、数字が大きいほど粒子が細かくなります。

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前回の井戸茶碗の金継のときには、赤い顔料の入った漆を使って金を蒔きましたが、今回は透明な漆を下地に金を蒔いていきます。

色の顔料が入っていると、顔料の厚みの分若干盛り上がるのですが、今回は透明な漆を使用しているのであまり厚みが出ないようになります。

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これで金を蒔く下地が出来上がりました。

 

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金を蒔いて完成ですが、下地の漆がしっかりと固まっていないので1日置いて下地の漆が固まると金の輪郭線を爪楊枝のような細い先を使って整えていきます。

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完成

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江戸時代 色絵蕎麦猪口の金継ぎ 2

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この高温多湿時期は漆は比較的早く固まります。

それは、温度も関係がありますが、どちらかというと湿度が高いほうが大きいです。

今回、3日間という短い間でしたが、盛り上げておいた木屎漆が刃物で削れるぐらいまで固まっていました。

上下の写真はその削り終えたあとですが、モニターでは見えづらいのですが、細かな隙間が所々あります。

その隙間に錆漆(さびうるし)を埋めていきます。

錆漆は砥の粉(とのこ)と漆を練り合わせてパテのようにヘラを使ってうめていきます。

今回使用した砥の粉ですが、普通の砥の粉よりも粒子が細かい、鳴滝砥の粉(なるたきとのこ)を使用しました。

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下の写真が、錆び漆で穴埋めした状態です。

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あとは固まるまでしばらく放置しますが、これが冬場の作業になると、何もしなければ固まるのがものすごく遅くなります。

では冬場にはどうするのかというと、器が余裕をもって入る段ボールがあればその中に湿らせた新聞紙などを敷き詰めて、器をいれます。

段ボールを閉めたらさらに段ボールに水スプレーをかけビニール袋で覆いかぶせます。

器が入った段ボールの下には一人用の電気カーペットを敷き段ボールを暖めます。

小さい物なら良いのですが、これが段ポールに入りきらない物になると、色々と工夫をしなければならず、出来るなら梅雨の時期から秋口までの間だけ漆作業をしたいですね。

 

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江戸時代 色絵蕎麦猪口の金継ぎ 1

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今回、修繕する器は江戸後期の色絵の蕎麦猪口です。

依頼された方は、大切な人とお茶を楽しむために使われていましたが、少しかけてしまい直してほしいという事で私の手元で修復させていただく事になりました。

修復箇所は一カ所、ほつれた部分がありますので、その部分を木屎漆(粉末状の木と漆で練り合わせたもの)で埋めてはみ出た部分を彫刻刀で削り落とすのが今回の流れになります。

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陶磁器には、大きく分けて二種類あります。

土が原料の陶器

石が原料の磁器

今回は石が原料の磁器です。

磁器の場合、表面がツルッとして滑らかなため木屎漆だけで固めても後でぺろっと剥がれる場合があります。

そのために、磁器の表面に麦漆(小麦粉と漆を練ったもの)を薄く塗りこみます。

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盛り上げすぎないように薄い膜をつくります。

次に、木屎漆を作ります。

木屎漆の材料は焼き挽粉と漆を練り合わせて作りますが、焼き挽粉は、粉末にした檜(ひのき)を焦がさないようにチョコレート色になるまで丁寧に火であぶったものです。

粉末にした檜を火であぶる事により、水分が飛んで少し体積が小さくなります。

そうする事で収縮を防ぎ、強固になります。

 

 

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木屎漆で埋めた状態です。

 

 

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今回は埋めるところまで、漆が固まるまでしばらく待ちます。

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25日の北野天満宮の天神さん

 

 

 

 

 

 

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天神さんとして親しまれている京都北野天満宮の骨董

市が毎月25日に開催されています。

ちょうど日曜日と重なり、天満宮の近くに住んでいる

指物師さんと一緒に6年ぶりに天神さんに行ってまいり

ました。

自転車では入れないので家の前に置かせてもらい二人

で天満宮まで歩いて見に行ったのですが、さすがに人

が多く数年前まで骨董にどうしようもないぐらい,骨董

にはまっていた頃が懐かしく、ネット用語でリアルと

いうのでしょうか、外の世界に飛び出して心躍る時を

過ごしてまいりました。

最近はバーチャルの世界でこそこそとしていましたが、
やはりリアルはいいですね。
なんといっても0と1で構成されていない、外での自然

や人とのふれ合いは必要なことではないだろうかと改め
て感じて過ごしてまいりました。

それでも人と人の間をすり抜けて入って行くのは少し億
劫ですが。

しかしここ最近は家にこもりすぎていたのを改めて実感
させられました。

私と骨董との出会いは、知り合いの古伊万里の金継を頼
まれて修繕したのが、始まりですが、それが今から12年
ほど前になります。

修繕をしてから、骨董に目覚めました。
そんな私が最初に古伊万里のそば猪口から手に入れて
自分なりに修復して楽しんで家でもマイカップとして
使ってました。

しばらくすると日本だけでなくアジアや、ヨーロッパ
の器にも魅せられていきました。
これは私の独断と偏見で書いていますが、美しい絵を
じっくりと鑑賞して楽しみたいと思う人、また美しい
絵を手に入れたいと思う人 (人に自慢するために購
入したいのではなく、また応援するためでもなく、自
分の自己満足のためだけに手に入れたい人に限る)の
場合脳みその回転が変わってくると思います。

手に入れたいと思った瞬間、あらゆる角度から考察す
るようになります。

この高揚感を冷静に観察し、この衝動は本物だろうか
、または一時のものだろうか。

と自分の心と心の葛藤が繰り返されていき、度を過ぎ
るとわけがわからなくなります。

本当に古いものだろうか偽物か、仮に偽物であっても
筆遣いがとても見事だと思ってみたり、また考えれば
考えるほどわからなくなります。

そういう時は、少し時間を置いてみます。

すると、思っていた程好きなものではないなと、感じ
たり、またその逆もあります。

骨董の知り合いから聞いた話ですが、良いものは飽き
ることがない。

どんなに歳月が過ぎようが、いつみても素晴らしいも
のは素晴らしい。

その逆のパターンで最初はよかったと思っていたけど、
一週間ですぐに飽きちゃた、という事もあります。
しかし最初に手に入れたものが、一生ものとは限りま
せん。
必ず飽きます、そして目移りします。
それは良いものを手に入れたいという気持ちを持ち続
けていたら自然なことです。

同じ日本人としてこのようなことをいうと語弊がある
かもしれませんが、私は飽きるという事はとても大切
なことだと感じています。
ほとけさまから頂いた大切な飽きるという思い。

趣味に飽き、物に飽き、勉強に飽き、人間関係に飽き
とまあ、人間なんて自分勝手なものです。

飽きることのオンパレード、飽きたらやめたらいいん
です。
なぜやめられないのか、それは人の目が気になる、
いいじゃないですか、人からあいつは飽き性だと思わ
れても、もったいないからという理由だけで使い続け
ると、自分はいったい何が好きなのか何を作れば良い
のか分からなくなります。

以前の私がそうでした。

何を創造し作ってよいのか全く分からない状態でこの
自分のセンスのなさに嫌気がさしていました。
そんなとき自分の直感だけを頼りに、自分が本当に好
きだと思うものを、周りの人間に何と思われようがそ
れを押し通してみました。

ちょうどその頃、骨董と出会いました。
私の友人知人ほとんど骨董に興味がない人ばかりでし
たが、それでも使いそして飽きたら別のを使う、非常
に贅沢な使い方ですが、不思議なことに、今の私は自

分の好みが100パーセントに近いぐらいわかるようにな
りました。

おかげで今は全く物を買うことがなく、昔手に入れた
ものを大切に使い続けて行く理想的な生活を手に入れ
ました。

この飽きるという言葉、別の言葉に言い換えたほうが
良いのかもしれませんね。

たとえば、向上心とか。

合掌

 

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乱雑に配置されたものの中から光り輝くものはないか

以前の私は目を輝かせながら歩いていました。

 

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鑿や鉋などたまに掘り出し物があります。

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京都の天然砥石販売している露店

昔はよくお世話になりました。

御主人私のことを覚えてくれていたのでびっくりです。

写真小僧になったのかと思われそうなので遠くから撮影。

 

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