江戸時代 色絵蕎麦猪口の金継ぎ 2

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この高温多湿時期は漆は比較的早く固まります。

それは、温度も関係がありますが、どちらかというと湿度が高いほうが大きいです。

今回、3日間という短い間でしたが、盛り上げておいた木屎漆が刃物で削れるぐらいまで固まっていました。

上下の写真はその削り終えたあとですが、モニターでは見えづらいのですが、細かな隙間が所々あります。

その隙間に錆漆(さびうるし)を埋めていきます。

錆漆は砥の粉(とのこ)と漆を練り合わせてパテのようにヘラを使ってうめていきます。

今回使用した砥の粉ですが、普通の砥の粉よりも粒子が細かい、鳴滝砥の粉(なるたきとのこ)を使用しました。

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下の写真が、錆び漆で穴埋めした状態です。

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あとは固まるまでしばらく放置しますが、これが冬場の作業になると、何もしなければ固まるのがものすごく遅くなります。

では冬場にはどうするのかというと、器が余裕をもって入る段ボールがあればその中に湿らせた新聞紙などを敷き詰めて、器をいれます。

段ボールを閉めたらさらに段ボールに水スプレーをかけビニール袋で覆いかぶせます。

器が入った段ボールの下には一人用の電気カーペットを敷き段ボールを暖めます。

小さい物なら良いのですが、これが段ポールに入りきらない物になると、色々と工夫をしなければならず、出来るなら梅雨の時期から秋口までの間だけ漆作業をしたいですね。

 

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