三尊像の彫刻 千手観音坐像 飯綱権現立像 毘沙門天 5 彫刻の開始

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今回から彫刻を始めます。

まずは、彫刻をする面を間違えないようにこの段階できっちりと確認して彫らないところと彫るところがわかるように鉛筆で線を描いておきます。

 

 

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まず荒彫りをする前に、ランダムに描いた三尊像の絵をプリントアウトして貼付けます。

 

 

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まずは一番シンプルな飯綱権現から始めました。

 

 

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次に毘沙門天を荒彫りを開始しました。

 

 

 

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次に千手観音坐像を荒彫りしました。

三尊を同じタッチで彫刻をして全体像を見ながら彫り進めます。

 

 

 

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千手観音の沢山の手は今はまだ手を付けません。

基本的な千手観音の本体の姿をまずはきっちりと決めます。

 

 

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差し込み式の香合佛 阿弥陀如来立像 薄彩色仕上げ

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薄彩色仕上げ

彩色仕上げには大きく分けて極彩色仕上げと、薄彩色仕上げがあります。

極彩色仕上げは、下地を漆でしっかりと固めて、その上に胡粉という白色で塗り真っ白にします。

その上から鮮やかな色を載せていきます。

薄彩色仕上げは、木地の上から直接彩色をします。

木目が見える程度に薄く色をのせるので薄彩色といわれています。

そして、今から仏像に色を施すのは、薄彩色になります。

今回使う色は群青と金色の二色になります。

阿弥陀様の髪の色に群青を載せて、衣に金彩を施します。

 

 

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金は本金を使用しますが、この大きな絵皿に入っている金は膠分が入っていないので、あらかじめ膠を薄めたぬるま湯をほんの少し用意して、それを筆に含ませて金を溶かしながら描いています。

 

 

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まずは髪に群青をのせました。

そして、金彩を施して完成とします。

 

 

 

 

 

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 香佛舎 制作行程

香佛舎 ギャラリー

 

 

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差し込み式の香合佛 阿弥陀如来立像 3 木地仕上げ

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阿弥陀様の香合佛の木地が仕上がりました。

木地と書きましたが、これから彩色を施します。

その前に木地で仕上げた状態をご紹介したいと思います。

 

 

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香合の蓋の外側だけ、細かいサンドペーパーで仕上げた上から椿油を薄く塗りました。

阿弥陀様は、彫刻刀のみの仕上げです。

 

 

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最後に手で差し込み式の香合佛をのせてもらいました。

 

 

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木地仕上げ 完成

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差し込み式の香合佛の制作行程 阿弥陀如来像 2

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実はこの差し込み式の香合佛は、途中彫刻をしない時期が長くて、上の状態からさらに2ヶ月程経過したのが下からの画像です。

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面相なども細かいですが、時間の経過とともに彫るべき箇所がだんだんと見えてきます。

顔を細かく調整し、手先の調整と手首をさらに細くして肘から手先にかけてのバランス見ながら彫り進みます。

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阿弥陀様のおなか周りで手と脇腹の間がへこんでいます。

そのへこんだ部分はかなりへこませます。

するとおなかが出てきて、仏様らしい雰囲気になります。

 

 

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以前、袈裟の線を下書きしましたが、もう一度描き込みます。

さらに袈裟の細かな衣紋線もえがきます。

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下図線に沿って刻みを入れますが、バランスが悪いと感じたら、彫りながら微調整します。

 

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次は形を作りながら仕上げていきます。

 

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香佛舎 制作行程 

差し込み式の香合佛を制作 阿弥陀如来像 1

香佛舎 阿弥陀如来 ギャラリー

 

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差し込み式の香合佛の制作行程を、3回か4回に分けてご紹介してみたいと思います。

材料は檜を使っています。

上の画像で言えば奥の小さな材が屋根の部分で、手前の向って右の丸い穴があいている方が外側になり、向って右側の四角い角材が仏像を彫る材にあたります。

丸い穴があいている材は、ドリルで穴をあけてから、外側の丸みを作ります。

 

 

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まずは仏像を彫る前に丸い穴に差し込めるようにします。

そして屋根に当たる部分は少し穴に差し込めるようにして、あとで接着剤で固定します。

 

 

 

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これで基本形が出来ました。

仏像を彫る準備ができます。

 

 

 

 

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まず最初に決めるのは光背の形です。

このような形を上から見た船の形状に似ているところから舟形光背と呼びます。

光背の形が決まると、頭の位置がどの辺りにくるのかが見えてきます。

それで額口を決めます。

額口は髪の生え際で、そこから10等分にします。

中心線を中心に今度は幅の線を描き込みます。

幅の寸法も10等分した一等分と同じ長さにします。

そのマス目を基準に手足や肘の張っている箇所を確かめ描き込みます。

 

 

 

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まず最初に頭頂部分を削り光背の先を際立たせます。

 

 

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頭頂部から仏像の輪郭線を削っていきます。

そして、足先を出すために腿(もも)から足首の位置まで斜めに落としますが、足先は最終的に奥に下がります。

 

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全体を彫りだしますが、両手先の位置を確認し、刻みを薄く入れます。

すると阿弥陀様のお姿が薄らと見えてきます。

 

 

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それから、面相を入れていきます。

 

 

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このぐらいから、一度差し込んだりして調子を確かめます。

 

 

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それから4ヶ月程経過しました。

このぐらい経過していると、色々なところが見えてきます。

まず第一に顔が前に出過ぎていました。

それで、面相をもう一度削り、顔を奥にします。

 

 

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両手先や肘周りも彫り込んでいきます。

 

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何度も何度もやり直して袈裟をとりあえず描きますが、調子を見ながらなので絶対的な線ではありません。

 

 

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線を基準に浅く彫り込んでいきます。

 

 

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香佛舎 制作行程

差し込み式の香合佛に色を加える

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昨日、鳩居堂で手に入れた金泥を試してみました。

金の色がとても上品で筆に水で薄めた膠を含ませて金を溶かしながら彩色しています。

一番細い筆で描きます。

本来ならば金粉を膠を含んだ水と一緒に時間をかけて指で練り合わせます。

この練り合わせるのにとても時間がかかります。

時間をかける事で金色が筆で描きやすくなり描いた後がなめらかになります。

 

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最後にもういちど削り屑を確認して彫刻刀で整えたら完成です。

 

 

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彩色前の状態

 

合掌

差し込み式の香合佛

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私の友人から頼まれた香合佛が完成しました。

指二本分ぐらいの仏様とお子さん二人が一緒になっている仏様のご依頼です。

実は彼とは小学校5年生以来なんと26年ぶりにFacebookで再会しました。

依頼された友人も私が仏像を彫っているとは夢にも思っていなかったようでした。

その友人とは同じ京都で、しかも歩いて15分程のところに住んでいます。

この数年の間もしかしたらどこかですれ違っていた事もあったかもしれません。

私は争い事が好きではないのですが、そんな私とは真逆で、どうも腕っぷしの強い男となぜか意気投合することがよくあり彼もそういうタイプでした。

そんな真逆の二人ですので共通点を探すのが難しいところですが一つあげるとしたらお互い孤独がだったのかもしれません。

その後、お互い別々の土地へ引っ越しをしました。

そして25年間の空白があったにもかかわらず、再会したときは昨日まで一緒に遊んでいたかのように、徹夜をして当時の思い出話をしゃべり込んでいました。

私は覚えていなかったのですが、彼は私に謝らなければいけない事をしたといってそれを長年後悔していたようです。

当の私は全く覚えていないのですが、まあ一杯おごってもらったらちゃらにしましょう、という事で一件落着となりました。

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彩色像

法華経のなかの釈迦三尊像

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厨子入り釈迦三尊像

携帯できる仏像の中ではもっとも手の込んだものになります。

中尊が釈迦如来坐像、この両脇の菩薩さまは末法に法華経を広めることをお釈迦さまから命じられた菩薩さまの代表です。

白象に乗っておられる向かって右が普賢菩薩騎象坐像、反対側の獅子に乗っておられるのは騎獅文殊菩薩坐像です。

お釈迦さまに近侍する菩薩として「釈迦三尊」という名称で一般的になりました。

制作者として中尊のお釈迦様は小さいのですがストレスなく彫れるぐらいの小ささで、その両脇の菩薩像のサイズが顔の長さ3mm程の寸法なので、これから面相を出すのが大変です。

といいながら大変というよりは、さらに小さい仏像をチャレンジしたいという欲求のほうが高いので早く彫りたいですがね。

 香佛舎 釈迦三尊像ギャラリー 

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香佛舎 六角の筒状の厨子入り観音菩薩立像

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香佛舎 六角の筒状の厨子入り観音菩薩立像

以前、丸い筒状の厨子入り釈迦如来立像をブログに公開しましたが、今回はその六角バージョンを制作しました。

丸い筒状の厨子を制作していた時に、四角、八角、十六角、三二角、丸(仕上げ)という手順で削っていたのですが、途中の八角の時に、八角もいいなと思っていたので今回は、六角で試しています。

八角ではない理由として、角の数ができるだけ少ないほうが、インパクトが強くなると思ってそうしたのですが、六角で少し不満が出てきたらその時に別の角数でも試してみたいと思います。

正円は轆轤(ろくろ)で作ると簡単にできてしまうので私が香合佛を作るうえで、轆轤では造れないような形状のものを作っていこうと考えています。

香佛舎 http://kougou.org/?page_id=1032

 

 

 

 

 

組紐穴付きの不動明王の香合仏 

 

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組紐穴付きの不動明王の香合仏

組紐は絹でできた紐でよく使われるのが保存用の桐箱を固定するために組紐を使って結びます。

木の素材と組紐の相性がとてもよく、香合仏に使えないだろうかと思い試しに作ってみました。

この組紐は家にあったのを試しに使ってみました。

やはり組紐との相性も良いと思いました。

今後カラーバリエーションを増やしていろんな組み合わせを考えていきたいと思います。

組紐は、素材が絹か化繊によって障り心地や質感が全然違います。

同じ緑でも良い素材を使っているかによって写真写りも若干変わってきます。

香合仏とは関係ないですが、もし組紐に興味がある方がいらっしゃいましたら伊藤組紐店で一度見てください。

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