差し込み式の香合佛の制作行程を、3回か4回に分けてご紹介してみたいと思います。
材料は檜を使っています。
上の画像で言えば奥の小さな材が屋根の部分で、手前の向って右の丸い穴があいている方が外側になり、向って右側の四角い角材が仏像を彫る材にあたります。
丸い穴があいている材は、ドリルで穴をあけてから、外側の丸みを作ります。
まずは仏像を彫る前に丸い穴に差し込めるようにします。
そして屋根に当たる部分は少し穴に差し込めるようにして、あとで接着剤で固定します。
これで基本形が出来ました。
仏像を彫る準備ができます。
まず最初に決めるのは光背の形です。
このような形を上から見た船の形状に似ているところから舟形光背と呼びます。
光背の形が決まると、頭の位置がどの辺りにくるのかが見えてきます。
それで額口を決めます。
額口は髪の生え際で、そこから10等分にします。
中心線を中心に今度は幅の線を描き込みます。
幅の寸法も10等分した一等分と同じ長さにします。
そのマス目を基準に手足や肘の張っている箇所を確かめ描き込みます。
まず最初に頭頂部分を削り光背の先を際立たせます。
頭頂部から仏像の輪郭線を削っていきます。
そして、足先を出すために腿(もも)から足首の位置まで斜めに落としますが、足先は最終的に奥に下がります。
全体を彫りだしますが、両手先の位置を確認し、刻みを薄く入れます。
すると阿弥陀様のお姿が薄らと見えてきます。
それから、面相を入れていきます。
このぐらいから、一度差し込んだりして調子を確かめます。
それから4ヶ月程経過しました。
このぐらい経過していると、色々なところが見えてきます。
まず第一に顔が前に出過ぎていました。
それで、面相をもう一度削り、顔を奥にします。
両手先や肘周りも彫り込んでいきます。
何度も何度もやり直して袈裟をとりあえず描きますが、調子を見ながらなので絶対的な線ではありません。
線を基準に浅く彫り込んでいきます。