金剛蔵菩薩尊像(梵名:Vajragardha ヴァジュラグルバ)
この菩薩さまは金剛蔵菩薩(こんごうぞうぼさつ)です。
金剛蔵とは金剛の胎児あるいは、金剛を懐胎しているものの意味で、金剛は大智(仏の智慧)のことです。大智の子、あるいは大智を具えているとの意味でもあります。
金剛薩埵と同体とされ、また一百六臂金剛蔵王菩薩とも同体とされています。
金剛薩埵が大智の因(菩提を求める心)
金剛蔵菩薩は大智の果(菩提そのものとしての心)です。
合掌
金剛宝菩薩尊像(梵名:Vajraratna ヴァジュララトナ)
この菩薩さまは、金剛宝菩薩(こんごうほうぼさつ)です。
右手は宝珠を持ち、左手を与願印にします。
『金剛頂経』によると、この尊が持つ宝珠は一切如来が衆生を灌頂する摩尼宝珠であるとされ、この灌頂により衆生は安楽や満足を享受できます。
『瑜祇経(ゆがきょう)』によると真如の境界から光が生み出され、その光が神々や人々に行きわたり、それぞれの願望を満たすとされますが、その願望の満足を宝珠で象徴しています。
与願の印をしているのは、菩提心を生じた後に、一切の衆生に諸々の施与する誓願を表します。
この与願印と宝珠で宝生如来の徳を展開することを表します。
合掌
あともう少しです。
顔は目が難しいのは言うまでもありませんが、鼻、唇もそれ以上にもしかしたら難しいかもしれません。
初音ミクの場合、鼻は少し出ているだけなので、小鼻は表現していませんが、仏像などは鼻、小鼻、目と鼻の間の境目などは、何度彫刻しても難しく感じます。
おそらく、初音ミクの場合一番難しいのが唇ではないだろうかと思います。
アニメでは細くて小さな線で表現されています。
これを彫刻で表現するのは難しいだろうなと感じていました。
下唇をうっすらと表現することにしました。
完成です。
結局これだけ、彫刻刀を使いました。
後は、箱の表面を鉋で削り、真田紐を通して持ち運びもできるようになりました。
最後になりましたが、クリプトン・フューチャー・メディア代表取締役の伊藤博之さんには大変感謝をいたしております。
初音ミクの著作権について販売目的以外の利用を自由にしてくださり、安心して彫進めることができました。
本当にありがとうございました。
そして初音ミクを通して木彫の面白さをみなさんと共有できたこと、私も大変励みになります。
仕上げの一歩前の段階の状態です。
手は顔の次に難しく、顔と手がうまく彫れると、見栄えがぐっと上がります。
逆に顔と手がいまいちだと、全体をどれだけ仕上げても、思っているような彫刻に近づくことができないぐらい重要な部分です。
手には抹茶椀を持たせています。
左手で抹茶椀の高台(底)を持ち、右手で添えています。
ここまで小さいと逆に難しいのですが、親指とその他の手で構成されていた手に4本の指を彫りだしていきますが、その前に鉛筆で指と指の間の溝を描きます。
シャープペンのほうが良いと思いますが、鉛筆も先を鋭利にすると描くことができます。
それでは溝を彫りだしていきます。
手が決まってきたら抹茶椀の淵を鉛筆で描き丸刀で浅く彫りだします。
顔も少しずつ幅1.5mmの平刀で小刻みに仕上げていきます。
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顔を奥に彫りこみ目の位置も微妙に決めていきます。
この段階ではまだ目の位置がはっきりしていません。
全体的にまだ修正がきく範囲内で彫進めているのでボリュームを持たせたいところ、削るところを鉛筆を使って描きます。
アニメの顔を彫刻するのは初めてなので試行錯誤しながらの状態です。
アニメの場合、はっきりとした色の区別で表情を表していますが、色を使わない彫刻の場合、非常に難しいと感じました。
鼻ほんの少し膨らんでいるだけで、唇もあるのかないのか、わかりにくいぐらい小さいので、できるだけ浅く彫ってみました。
ここまで小さいものを彫ると、特に表情は鉛筆の線があることによって表情がわかりにくくなります。
浅く彫った後は、幅1.5mmほどの平刀で小刻みに表情を整えていきます。
顔ばかり彫ると全体が見えなくなるので、その他の個所も気になった点を彫刻します。
この段階まで顔ができると、深追いしないほうが良いです。
一度、休息を入れましょう。
ここで、熱中しすぎて顔ばかり彫っていくと、やる気がある気持ちとは裏腹に当初の頭の中で思い描いた顔から遠ざかってきます。
この段階で、前髪のボリュームがあるので、角度によっては顔が陰になって見えなかったり、陰で表情が変わってきたりします。
そのため前髪も浅くしていきます。
着物のしわは、実際の着物のイメージ写真を見ながら彫刻すると良いと思います。
洋服とは違う雰囲気のしわなので、色々と参考にしてください。
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実は木彫の初音ミク完成しました。
ブログではまだ途中段階ですが、中途半端ではありますが、動画を制作してYouTubeにアップしてみました。
作曲 秋山裕和
http://www.hmix.net/
前回の彫刻で気になっていた猫背ぎみを徐々に修正していきます。
背筋を伸ばすために顔を彫りこんで顔を奥に沈めていきます。
肩も少し大きいので肩幅も狭くしていきます。
着物の袖のラインもまずは鉛筆で下書きをして、全体の雰囲気を見てみます。
髪の毛を束ねた向かって左側の髪の毛の塊をもう少しボリュームを出したいので少し膨らませてみます。
全体を漠然と彫刻したら、下書きを改めて書き込んでいきます。
最初にきっちりと決めて彫刻をしていないので、漠然と彫り進め修正できる範囲内で浅く彫り、下図のように鉛筆で下書きをして初めてきっちりと彫りだします。
今回は下図線を書き足した時点で休憩します。
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彫りだして消えた線を改めて鉛筆で下図を加筆した状態です。
私は顔を早い段階で彫りだすのですが、初音ミクの場合、前髪の奥に顔があります。
この状態だとお顔を彫るのが難しいのでまずは前髪をきっちりと決めます。
少し余裕を残しながら前髪のラインを彫刻刀で立て込みを入れ丁寧に奥の顔の表情を作っていきます。
顔→抹茶椀→着物の衿→前髪→顔という順番を何度も繰り返します。
一発で決めないほうが良いですよ。
この段階で手を大まかに出していきます。
しかし親指以外の指はまだ溝を彫りません。
親指とその他の手という感じに思っておいた方が良いです。
この段階に来ると目のくぼみをつけますが、これは全体の感じ雰囲気を見るためであくまでも目安です。
この段階では肩が広すぎで若干猫背に見えます。
そして左のひじがボリュームがありすぎです。
この段階までは一つ一つの線を浅く浅く彫るように心掛けます。
深くするのは仕上げの一歩手前の時に深く彫るところと浅く残しておくところを考えて刀を入れますのでその時のお楽しみに取っておいてください。
また一日経過すると他にも気になる点が出てくるので、深追いせずにこれで二回目を終了します。
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木材をつかって3D加工がどこまでできるのか気になって検索したところNCルータで立体的に加工している動画を見つけました。
その時のモチーフが初音ミクです。
それが初めて、真剣に見た初音ミクでした。
自動的にドリルと土台が動きそして出来上がっていくさまをみて最後の仕上げがどうなるのだろうと思ってみていました。
ドリルで仕上げるため、シャープな彫り面ではなく、どうしてもガサガサした面になってしまうようで、そこは少し残念でした。
しかし機械で荒彫りして人間が仕上げるようにすると、クオリティーがぐっとあがるだろうなあと感じてみていました。
そんなことを空想していると自分でもどうしても彫りたくなってきて、今回の制作を開始した次第です。
遊びで彫るとはいえ、かなり真剣に彫っていきます。
特に顔の表情は、気合を入れて彫ります。
道具は挑戦したいという人が出てくるかもしれないので、必要最低限で制作をしていきたいと思います。
一番上に道具の彫刻刀が画像で掲載しておきましたが、このページでは一番右の彫刻刀のみを使っています。
まだ仕上がっていないので彫刻刀がどの種類まで必要なのかわかりませんが、どうしても他の彫刻刀が必要だと感じたらプラスしていきます。
私はきっちりと下書きをせずにIpadで見ながら、着物姿の初音ミクに私オリジナルで抹茶椀を持たせてラフに描いています。
「御相伴いたします」、「お先にちょうだいいたします。」もしくは「御薄いかがですか」どのテーマにしようか彫りながら考えてみます。
初めて刀をいれます。
まずは初音ミクを浮き立たせていくため周りを削ります。
抹茶椀が一番出っ張っているのでその周辺を削ります。
ラフに書いた下書きが消えかけたら加筆していきます。
実は初めて彫る人には非常に難しい彫り方になっています。
というのもきっちりとした線を木に移しその線の通りに輪郭線を削り最初のラインを消さないように削るのが優しい制作方法だと思いますが、私は、細かな修正を加えながら彫りたいので彫りながら違和感が出てきたらその部分を修正し新たにラインを描きなおすやり方をしています。
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