この木は,家の敷地内に生えていた、どこにでも生える木で今まさに燃やされそうになっていました。
おそらく鳥が種を運んできて、いつのまにか自生していたものと思われます。
そして、なんという木だろうかという事もきにかけず、調べなかったので、葉っぱの形も記憶に残っていなくて、今となっては調べるのがちょっと難しくなっています。
私が香合を制作している最中に、なんとなく目に入り、そして手に取ってみました。
成長の早い木なので、年輪の幅は広くて堅く、見るからに彫りにくそうに感じました。
さらに、急激な乾燥で年輪の中心から割れが入っています。
すべてにおいて、彫刻用材としてはダメな木です。
しかし、私はこの欠点だらけの木がいつの間にか、魅力的に感じてきました。
今年の香合の制作は柾目の年輪の幅が細かく、彫りやすい檜で四角い形、丸い形、と試しながら制作していましたが、ちょっと試しに、この木で作ってみようと思い立ちました。
どのように完成していくかどうか今の段階では漠然としたイメージしか持てていませんが、とりあえず香合に適した大きさに鋸(のこぎり)を使って切っていきたいと思います。