私が木彫を始めた頃、彫刻刀も材料も手に入れるのが難しかった。
それで、彫刻刀は本職が使うような道具を何本もそろえる事はできずに、身近にある物を最大限利用して、親が持っていた大工道具を利用したり木は間伐材をもらってそれで彫刻していました。
また建築用の固くて節の沢山ある桧を安く分けてもらったこともありました。
その時の私は、身近な物を改良したり、創意工夫して楽しんでいたのかもしれません。
もしかしたら、彫刻を始めた頃にすべてがそろっていたら、途中で飽きていたかもしれません。
最近、私はそんな事を時々回想しています。
実は私のブログを見て、仏像彫刻を始めたという人からメッセージが届きました。
その方は今、日本には住んでいませんが、その国では日本のような彫刻道具や材料を手に入れるのが難しくなかなか思うように彫刻する事が出来ないでいます。
手探り状態ですが、私は今この状態を創意工夫して楽しんでいるのかもしれません。
それは、まるで私が彫刻を始めた頃のようにその当時の心境をもしかしたら思い出しているのかもしれません。