青砥の水加減
青砥は荒砥石と仕上げ砥石の間の行程で使います。
天然の仕上げ砥石の陰に隠れていてあまり表舞台に出てきませんが大変貴重な存在です。
人造砥石のキングも素晴らしい中砥石ですが、キングの中砥石と仕上げ砥石の間に青砥が入ると、刃先の研ぎ上がりが大変美しくなります。
刃先が美しいと彫刻などの作業のモチベーションが上がります。
画像の青砥は最近、北野天満宮の骨董市で手に入れた青砥です。
砥石の台が出来上がったので早速使ってみたいと思います。
キングの赤い人造の中砥石で砥ぐ時はたっぷりの水に浸しておいて、砥石に充分水分を含ませます。
水分を含ませないとすぐに砥石の中に水が吸い込まれ表面を濡らしてもすぐに水がなくなります。
表面が水で濡れていないと砥ぐ事が難しいです。
そのためにたっぷりと水を含ませるのですが、天然の仕上げ砥石の場合はキングの砥石のように水を含ませません。
天然の仕上げ砥石は材質が微細でものすごく長時間(数千万年間)かけて圧力がかかっていました。
そのため、もともと水分が染み込む余地があまりありませんので仕上げ砥石を使って砥ぐ場合は、使う直前に砥面を少し濡らす程度にします。
青砥の場合はどうかというと、キングの砥石と比べると水分の染み込みは少ないのですが、しかしゆっくりと時間をかけて少し吸んでいきます。
そのために青砥は水分を染み込ませたら良いのかというと私は結構アバウトに使っています。
コップに水を入れておいて水を注いで青砥の表面を濡らして使います。
あるいは水道の蛇口から直接水をかけます。
青砥を使って研ぎながら水分がなくなる直前に水をさしたりして使っています。
またはコップの水で濡らしながら砥ぎます。
水分がなくなりそうになったらその都度、水をさします。
少し手間がかかりますが、青砥が荒砥と仕上げ砥石の間に入る事で仕上がりまでの行程がスムーズに運びます。
しかしそんな青砥も今では数が少なくなりつつあります。
大切な天然資源これからも大切にしていきたいですね。