四天王像の彫刻準備 トレース

四天王像の彫刻
四天王像の彫刻を始める前にまずはイメージとしてどこの四天王像を基本にするのかを決めていきます。
まずは個人的にこれはいいなと思う四天王像をあげると、奈良・興福寺蔵の四天王像(作者不詳)そして 和歌山・高野山金剛峰寺蔵の四天王像(快慶作)そして 京都・東寺蔵の四天王像(平安初期)最後に奈良・法隆寺講堂の四天王像(室町時代)この四種類の四天王像が私の中でほぼ決まっていました。
この中で四体の四天王像のお姿が全体としてまとまっているのが、個人的には金剛峰寺蔵の快慶作の四天王像のように感じました。
京都の東寺も大変好きなのですが、このあたりは快慶展を見た後もあって快慶の方向に目がいっていたのかもしれません。
快慶さんの四天王像をモデルとして決まると、資料集めをしなければいけません。
この前の快慶展の図録もあるのですが、彫刻のような立体の場合、真横や後ろの写真も必要で図録だけでというのは難しいのです。
そこで様々な角度を掲載している、図版が必要なのですが、その本が日本彫刻史基礎資料集成 鎌倉時代編という結構高価なものになります。
しかし、大きな図書館で置いてあるところもあるので図書館でコピーをとれば、真横や真後ろの画像も容易に手に入れることができます。
四天王像のモデルが決まっても、トレースするときは輪郭線と大雑把な流れの線だけをトレースして、細かいところはこの段階では書き込まないようにします。
モレスキンのA3のスケッチブックに収まるように拡大コピーをかけて輪郭線に沿ってカットし、裏に鉛筆で黒く塗りつぶしてスケッチブックに写し取っていきます。

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