仏画を元に仏像制作

 

仏画と仏像はとても密接な関係にあります。

もともと彫刻は仏画などの絵を参考に立体に表現しているという事もあります。

現代では彫刻ならその元となった彫刻を、絵ならその原画である絵を参考に別々のものとして捉えられている傾向にあります。

仏画と彫刻を両方できるのが理想ですがなかなか難しい所ですね。

しかし、仏様を彫刻で表現する場合でも仏画の軽やかな線の動きを意識しているのとそうでないのとでは立体彫刻の表現に多少の違いが出てきたりする事もあります。

衣の風でなびいているリズムカルな動きなどは、彫刻だけで表現しようとしてもなかなか難しいですが、仏画の表現を取り入れて下図を描く時に参考にしたりすると、柔らかい表情を作るヒントになる場合もあります。

また彫刻だけで考えると一本の四角い原木に収まるように作ろうと思って、自分の中に制作する上での制限をかけてしまうことがあります。

仏画は奥行きや幅を大きく優雅に表現できるので、仮に彫刻のように原木に収めようと考えていたとしても、仏画の表現が頭に入っていると原木の中でその表現を演出できないかと考えたりできます。

逆に仏画を描く場合でも、彫刻の立体感が頭に入っているのと入っていないのでは、その表現方法において立体感が違ったものになったりするので、やはり両者は同じぐらい大切なものだと思います。

そして仏画は線がとても重要な要素になります。

筆で描くその線の濃淡を太い線、細い線だけで表現するのは非常に難しいことで初めて筆を持った人は、ビクビクして線がガタガタにぎこちなくなってしまうと思います。

しかも一発勝負で、大胆にスムーズに繊細に堂々と、ひと筆で仕上げていくその作業は沢山の経験を積まなければ本当に難しいです。

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