毎年香合を作らせていただいておりますが、今年はど
のようなデザインにしようかまだ迷っています。
先に材料の木を手元に置いて色々と考えていましたが、
頭の中では、これでいこうとイメージがついても次の
日には、また別のイメージを思い浮かべていたりして
気持ちがあっちこっちいきます。
去年の香合の制作は1月から作り始めましたが今年は
まだ手付かずの状態、焦るのもよくないので、手元
に木を置いて触れながら、イメージを固めていこう
と思います。
香合というのはお香を入れる蓋つきの容器です。
茶のお湯を沸かす炉にお香を入れますが、かすか
に香るように、じかに炭の火に触れずに少し離して
おきます。
そのお香を炉に入れる前は 、あらかじめ香合に入れ
ておきます。
香合の中には3個入れて、その内2個を炭の近くに落
として入れますので、お点前の種類にもよりますが、
一個だけ香合にいれておきます。
風炉と炉ではつかうお香の種類が違います。
11月~4月までの炉の時期には陶磁器の香合を用い
ます。
練香という黒くて弾力のあるお香ですが、それが漆
器などの器を傷めるため、漆器には用いません。
5月~10月までのお香は角板を薄くカットした、香
木を使います。
香合の素材も、唐木、竹製などの漆器の香合をこの
時期は用います。
また年中使える貝の香合などもあります。
このような条件から私は5月~10月までの、間に使わ
れる香合しか作ることができませんが今回作る香合は
5月の茶会につかいます。
香合を作るうえで、誰も作らないようなものを作って
いきたいのですが、あまりにも奇抜すぎるのも良くな
いので、そのあたりは難しいところですが、その分や
りがいもあります。
どの時代で使われても、いつでも新鮮な気持ちで使え
る、そういう香合を作れるように毎年色々と考えてい
ますがなかなか道のりは遠いですね。
続く