不動明王尊像(アチャラナータ)
この明王さまは不動明王(ふどうみょうおう)です
持明院の向かって右端に佇んでいます。
頭上には蓮華を戴き、髪は編んで長く左肩に垂らします。
左手には索を持ち、右手には剣をもちます。
瑟々座という台に坐します。
不動明王について『大日経疏』には、不動明王は、「如来
の使者である。右手に刀を、左手には羂索を持ちます。
頭髪は左の肩に長く垂らし、左目は細く閉じ、下の歯で右
辺の唇を噛み、左辺の下唇はやや外にだします。
きわめて恐ろしい忿怒の形相をしていて、石の上に坐り、
額には水波のような皺があり、童子の姿をとり、その身は
卑しい」と記されています。
不動とは菩提心の堅固なることをいいます。
それは悟りの智慧が動揺しないことを示します。
仏法を障害するものに対して怒りをもって対決し、右手の
剣は煩悩を断じ、左手の索はあらゆる衆生を引き寄せ正し
い道に導くことを表しております。
火焔の中に佇むのは、自らが火焔となり、あらゆる煩悩を
焼き尽くすすさまじいばかりの姿勢を示します。
合掌