羯磨波羅蜜菩薩尊像(インドの古い言葉:Karmaparamita カルマパーラミタ)
この菩薩さまは、羯磨波羅蜜菩薩(かつまはらみつぼさつ)です。
肌の色は緑色、天女の形で羯磨衣を着ています。
左手に宝珠を載せた蓮華を持ち、右手に羯磨杵を持ちます。
この金剛界八十一尊曼荼羅の中尊のである毘盧遮那如来の北方に佇んでいます。
羯磨波羅蜜の羯磨は、インドの古い言葉でカルマン(Karman)の音写語で作業という意味です。
その作業とは、精進形を指しています。
精進波羅蜜には4種類あります。
①有情利益のために倦まず勤める利楽精進
②怠け心を退治して一切の善法のために倦まず勤める摂善精進
③もろもろの障害に打ち勝って邁進する被甲精進
④仏の妙業を一身に体現する拳精進
その中の①の有情利益のために勇猛邁進する姿を表現したのが羯磨金剛女尊で、その妙用を事物で象徴すれば羯磨杵となります。
三形の羯磨杵は三鈷杵を十字型に組み合わせたもので、通常は十字三鈷杵と呼びます。
十二鈷杵ともいいます。
三鈷は三業(如来の身、口、意の働き)を示し、二つの三鈷杵を交えることは衆生の三業と仏の三密とが融合して一体となることを示しています。
合掌