金剛利菩薩尊像(梵名:Vajratiksna ヴァジュラティークシュナ)
この菩薩さまは金剛利菩薩(こんごうりぼさつ)です。
金色に輝き左手にお経を載せた蓮の華を持ち、右手には剣を持ちます。
無量寿如来の南方、図では向かって左に佇んでいます。
胎蔵界曼荼羅でいう文殊菩薩です。
文殊菩薩の持つ鋭利な剣を象徴して、金剛なる鋭利な剣を持つ菩薩という意味が尊名としてつけられています。
剣には般若波羅蜜多という仏の智慧を表すようで、仏の智慧が衆生の苦やその原因の煩悩を断ち切ることをこの剣が象徴しています。
またこの剣が両刃なっているのは、二辺の両極端を断ち切る中道を表すともいわれています。
般若という智慧は、姿かたちがないですが、智慧は説法の声で衆生に受け止められています。
それゆえに、すべての如来が獲得した般若は仏の声となって出てくきますが、文殊菩薩は般若と同体とみなされるので、般若の声に即したものと考えられています。
合掌