この尊像は毘耶那迦(びなやか)です。
白肉色で象頭人身、左手に羅蔔根(らふこん:大根)を執り、右手は仰げて歓喜丸を載せます。
外金剛部二十天の一尊像で、北方に位置しています。
五類天の中では、水居天の一尊像です。
『大聖歓喜天雙身大自在天毘那耶迦王帰依念誦供養法』は、大自在天とその妃烏摩(うま)には三千の子があり、そのうち千五百は毘那耶迦を第一とて、悪事を行う類であります。
他の千五百は扇毘耶夜迦(善に導くもの)と呼ばれ、持善天を第一としました。
この扇毘那夜迦は観音の化身であります。
観音と毘耶那迦との関係は、毘耶那迦が観音の美貌に夢中になり、観音はその性格を改めることで毘耶那迦の願いを許しました。
また別のお経には「毘那耶迦は種々の形相があり、中でも大聖天歓喜王は象頭人身で具現する。それは障いをするものを正見に導くためで、象のように鼻が極めて長い理由は、香塵を愛好するからであります。瞋恚(しんい:自分の心に逆らうものを怒りうらむ)は強力ですが、よくそれを養育し、調御するからである」ともいわれております。
合掌
下の画像は現在の木彫曼荼羅の進行状態です。
両界曼荼羅
左 金剛界八十一尊曼荼羅
右 大悲胎蔵生大曼荼羅
動画
金剛界八十一尊曼荼羅と大悲胎蔵生曼荼羅の制作
私が曼荼羅の事を意識したのは、私の先生が曼荼羅を納める
所を間近でみてきたことが一番大きい。
近い距離で曼荼羅を見ると想像以上に、見応えがあります。
宗教心はおそらく関係ない、そして知識も関係ない、ただその
場で見せてもらうだけで、あまりの高貴さと迫力に圧倒されて
しまいます。
まず最初に仏様の数にびっくりしました。
尊像数
金剛界八十一曼荼羅 81体 胎蔵界曼荼羅
412体 合計493体
わたしがこれから開始する浮き彫りの曼荼羅はあまりする人が
いませんが
非常に長い長い 道のりの彫刻になることは間違いがありません。
作業年数でいえば5年ぐらいみておかなければいけない、人に言
ってしま えばやめるにやめれない、きっと出来上がったら魅力的
な彫刻だろうと は思う、やはり人と同じものを作っていてもあま
り、刀が乗らない。
私は精神論はできるだけ控えて作業に取りかかりたいと考えてい
ます。
そういうことで少し物足りないこともあるかもしれません。
これから始まる長い長い道のり、今から取り組む作業は仕事では
ないの でもしかしたら私がその前にギブアップするかもしれませ
んが。(>_<)
一日に一体、彫ることが難しいので最短でも2年以上はかかると考
えてい ますので、4〜5年ぐらいかなと考えております。
これだけ意気揚々と曼荼羅を浮き彫りで彫ると書いては見たものの
、実 は曼荼羅の事を詳しく知っているわけでもなく、制作しながら
一尊一尊 を確認しての取り組みになります。
では、早速取り掛かります。
合掌
1. 木彫曼荼羅の開始
2. 曼荼羅の方位
4. 曼荼羅の仮づけ
5. 曼荼羅と善無畏