金剛界 22 金剛業菩薩尊像

kongoukai 22-3

金剛業菩薩尊像(梵名:Vajrakarma ヴァジュラカルマ)

この菩薩さまは金剛業菩薩(こんごうごうぼさつ)です。

左手は金剛拳にして腰におき、右手は羯磨杵を掌に載せ胸前におきます。

不空成就如来の四親近のうちの一尊像です。

副成就如来の南(画像では左)に位置します。

『金剛頂経』では、毘盧遮那如来がヴィシュバカルマンという菩薩の誓願によって、仏の働きを加持して金剛堅固にする三摩地に入って、仏のあらゆる衆生救済の働きを可能にするとされる。

ヴィシュバカルマンとは『金剛頂経』では、四波羅蜜のうち羯磨波羅蜜菩薩となった毘盧遮那如来の属性としても説明されます。

元来インドでは、ヴェーダの時代にはブラフマンと同体とされ、宇宙の建立の働きをするとされ尊崇された尊格のです。

この遍満する働きを仏の働きに認めたのが『金剛頂経』といえます。

合掌

kongoukai 22-1

金剛界 17 金剛法菩薩尊像

kongoukai 17-2

金剛法菩薩尊像(梵名:Vajradharma ヴァジュラダルマ)

この菩薩さまは金剛法菩薩(こんごうほうぼさつ)です。

左手で胸前で蓮華を持ち、右手でその一弁を開いている姿を表しています。

無量寿如来の四親近のうちの一尊で、無量寿如来の東(図では下)に坐っています。

胎蔵界曼荼羅では観自在菩薩です。

観自在菩薩は煩悩に汚れた凡夫の世界を、本性は蓮華のごとくに清らかであると観察し、言葉にいい表せない正しい教えを説法して衆生を救済するので、このように尊名を金剛法菩薩とも称されています。

持っている蓮華は清らかな菩提心を象徴している。

凡夫の説法によって菩提心が発されずにいますが、この尊の正法の説法によって菩提心が発されます。

その有様を、この尊が左手に持つ蓮華の花弁を右手で開くことで象徴します。

合掌

kongoukai 17-1

金剛界 8 金剛王菩薩尊像

kongoukai 8-1

金剛王菩薩尊像 (梵名:Vajraraja バジュララージャ)

この菩薩さまは金剛王菩薩(こんごうおうぼさつ)です。

両手を金剛拳にして胸の前で交差させます。

胎蔵界曼荼羅の金剛手印の金剛王菩薩と同じ尊像とされています。

一切如来を引き寄せ自利行に自在となり、一切衆生を引き寄せ利他行に自在であるとされます。

一切如来と一切衆生を引き寄せることを象徴するために、三昧耶会・供養会・降三世三昧耶会には引き寄せることを象徴した印を結びます。

合掌

 

kongoukai 8-2

金剛界 56 金剛蔵菩薩尊像

 

kongoukai 56-1

金剛蔵菩薩尊像(梵名:Vajragardha ヴァジュラグルバ)

この菩薩さまは金剛蔵菩薩(こんごうぞうぼさつ)です。

金剛蔵とは金剛の胎児あるいは、金剛を懐胎しているものの意味で、金剛は大智(仏の智慧)のことです。大智の子、あるいは大智を具えているとの意味でもあります。

金剛薩埵と同体とされ、また一百六臂金剛蔵王菩薩とも同体とされています。

金剛薩埵が大智の因(菩提を求める心)

金剛蔵菩薩は大智の果(菩提そのものとしての心)です。

合掌

kongoukai 56-2

金剛界 65 金剛食天

kongoukai 65-2

金剛食天(Vajramala ヴァジュラマーラ)

この尊像は金剛食天(こんごうじきてん)です。

頭が像で体が人身です。

右手を仰げて華鬘を持ち、左手は拳にして伏せて腰に当てます。

毘那耶迦の一類。外金剛部二十天の一尊像です。

五類天の中では、虚空天の中では、虚空行天の一。

金剛飲食天ともいいます。

また別の経典では、「南方の飲食天は別名を厳鬘大将といい、その形は天人のようであり、天冠の上に象頭を安置する、左手に索を執り、右手に華鬘を執る」といいます。

合掌

kongoukai 65-1

金剛界 12 金剛宝菩薩尊像

konngoukai 12-1

金剛宝菩薩尊像(梵名:Vajraratna ヴァジュララトナ)

この菩薩さまは、金剛宝菩薩(こんごうほうぼさつ)です。

右手は宝珠を持ち、左手を与願印にします。

『金剛頂経』によると、この尊が持つ宝珠は一切如来が衆生を灌頂する摩尼宝珠であるとされ、この灌頂により衆生は安楽や満足を享受できます。

『瑜祇経(ゆがきょう)』によると真如の境界から光が生み出され、その光が神々や人々に行きわたり、それぞれの願望を満たすとされますが、その願望の満足を宝珠で象徴しています。

与願の印をしているのは、菩提心を生じた後に、一切の衆生に諸々の施与する誓願を表します。

この与願印と宝珠で宝生如来の徳を展開することを表します。

合掌

konngoukai 12-2

 

 

金剛界 25 金剛拳菩薩尊像 

kongoukai 25-2

金剛拳菩薩尊像(梵名:Vajrasandhiヴァジュラサンディ)

この菩薩さまは金剛拳菩薩(こんごうけんぼさつ)です。

二本の手を金剛拳にして胸に当てます。

不空成就如来の四親近のうちの一尊で、不空成就如来の北(曼荼羅図では右)に位置します。

この尊像のサンスクリット名のサンディとは密接な結合を意味し、手の指を堅固に結び合わせて握る働きを手で象徴しています。

それは一切如来の誓願の堅固であることの標幟(ひょうじ:目印)です。

指を堅く握ったこの形を金剛拳といいます。

金剛拳は金剛界の共通の拳の握り方なのでこの拳をつくるこの尊を一切如来拳菩薩とも呼びます。

十六大菩薩は、発願菩提心を体とする金剛薩埵から始まって、その修行は、この尊に至って、金剛去ったの三昧が一切如来の誓願を標幟する金剛拳印として現れます。

これは真言密教の修行者の理想の姿である金剛薩埵の修行の成就を意味します。

それゆえに十六大菩薩の最後に位置します。

金剛薩埵の目標は、自らには仏陀の一切智慧を獲得し、衆生には利益と安楽をもたらすことであるが、

そのためには自らが涅槃の境地に安住することはしない。

あえて衆生の苦しむ世間に身を置く。

これを無住処涅槃といいます。

仏菩薩の解脱した境地をあえて世間に結び付ける働き、すなわち無住処涅槃が、この金剛拳菩薩によって実現されます。

またこの無住処涅槃にあって衆生を涅槃の苦から解き放ち、安楽の境地の成就に結び付けます。

このように、金剛拳の堅固な結び合わせは、金剛薩埵の修行の成就を意味する第十六番目の尊として表されます。

合掌

kongoukai 25-1

 

金剛界 42 慈氏菩薩

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慈氏菩薩尊像(梵名:Mitreya マイトレーヤ)

この尊像は慈氏菩薩(じしぼさつ)です。

左手の手のひらを仰向けにして軍持をおきます。

慈氏とはマイトレーヤの訳語で、慈悲深きもので弥勒菩薩も同じくマイトレーヤと呼ばれています。

賢劫十六尊の筆頭で、東の框(第二重)の北端に位置します。

軍持とはダンディーの音写語で水差しのことで、智慧の水をもって法雨を注ぐことを示しています。

合掌

 

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金剛界 2金剛波羅蜜菩薩尊像

 

 

kongoukai 2

金剛波羅蜜菩薩尊像(梵名:Vajraparamita ヴァジュラパーラミター)

この菩薩さまは金剛波羅蜜菩薩(こんごうはらみつぼさつ)です。

天女のお姿で左手は掌面を外に向けた拳で、右手は触地の印をします。

毘盧遮那如来のすぐ下(東方)に佇んでいます。

阿閦如来が毘盧遮那如来を供養するために出現させた女尊です。

金剛波羅蜜の金剛は菩提心(悟りを求めんとする決意)の堅固なることを意味し、五鈷金剛杵は堅固な菩提心の象徴(三昧耶形)であります。

波羅蜜とは、彼岸に至るということで、菩提心の力によって彼岸に至るという誓願(三昧耶)をもった菩薩であります。

三形の五鈷杵は堅固な菩提心の象徴であるが、菩提心には悟りを求める心(能求菩提心)と求められる心を意味しています。

合掌

 

 

kongoukai 2-1

 

金剛界 4法波羅蜜菩薩尊像

kongou 4-1

法波羅蜜菩薩尊像(梵名:Dharmaparamita ダルマパーラミター)

この菩薩さまは、法波羅蜜菩薩(ほうはらみつぼさつ)です。

天女のお姿で羯磨衣を着ます。

三摩地の印を結び、印の上に蓮華を立て、華上にお経が入った箱を載せます。

毘盧遮那如来の西方の月輪に佇んでいます。

観自在王(阿弥陀)如来が毘盧遮那如来を供養するために出現させた女尊です。

法波羅蜜の法とは諸法実相のことで、すべての事物はそのままで真実の相を表していることをいいます。

それを観る眼、すなわち観察する叡知である般若波羅蜜の徳を表します。

般若とは叡智、悟りの智慧のことで仏の智慧をいいます。

そしてこの実相の法は妾分別の塵垢を離れて清浄であるから、蓮華が汚泥に咲いて決して汚されることなく清浄であるので、蓮華によって象徴されています。

合掌

kongou 4-2