金剛界 3 宝波羅蜜菩薩尊像

kongoukai 3-1

宝波羅蜜菩薩尊像 (梵名:Ratnaparamita ラトナパーラミター)

この菩薩さまは宝波羅蜜菩薩(ほうはらみつぼさつ)です。

天女のお姿をしていて、羯磨衣を着ています。

左手には宝珠を載せた蓮の華を持ち、右手には円いものを持ちますがこれは宝珠といわれています。

宝生如来が毘盧遮那如来を供養するために出現させた女尊です。

宝波羅蜜の宝とは財宝そのもので、財福の徳を意味しています。

この尊像の種字ではタラクと呼ばれていて、タタターのタで真如を表したりまたラジャスという塵垢を表す意味が入っていて、アクの涅槃点が付いて否定を表しているようです。

つまり真如もなければ塵垢でもない空の立場を示しており、涅槃寂静をあらわしているようです。

合掌

kongoukai 3-2

 

金剛界 73 金剛面天

kongoukai 73-1

金剛面天 (梵名:Vajrankusa ヴァジュラーンクシャ)

この天部の尊像は金剛面天(こんごうめんてん)です。

猪の頭ですが身体は人の姿をしています。

鈷鉤を執り、左手は拳にして腰におきます。

『金剛頂経』には尊名をバカラで密号を金剛鉤と呼んでいます。

ヒンドゥー教神話にはバラーハ(野猪)はヴィシュヌの化身の一つで、猪の姿で現れます。

三形の鉤はカギですが、神話では大地を掘り起こす鍬を持っています。

合掌

kongoukai 73-2

 

金剛界 67 熒惑天

kongoukai 67-1

熒惑天 (梵名:pingala ピンガラ)

この尊像は熒惑天(けいわくてん)です。

右手は胸の前で火聚を執り、左手は拳にして腰におきます。

外金剛部二十天の一つで、南方に位置します。

合掌

kongoukai 67-2

 

金剛界 49 智幢菩薩尊像

kongoukai 49-2

 

 

 

 

 

 

 

 

智幢菩薩尊像(梵名:jnanaketu ジュニヤーナケートゥ)

この菩薩さまは智幢菩薩(ちどうぼさつ)です

左を拳にして腰にあて、右手には如意幢幡を持ちます。

一切の願を円満し、貧窮の苦しみを度脱するといわれております。

右手で持っている三形の如意幢幡とは、先端に如意宝珠を付けた

旗のことです。

戦場において軍旗は敵味方を識別し、兵士の意気を鼓舞するもの

です。

それと同じように、如意幢幡は衆生の救度と智慧の獲得を目指す

仏教の旗印の役割をはたしています。

合掌

 

 

 

kongoukai 49-1

 

 

 

金剛界 33 金剛塗香菩薩尊像

kongoukai 33-1

 

 

 

 

 

 

 

 

金剛塗香菩薩尊像(梵名:Vajragandha ヴァジュラガンダー)

この菩薩さまは金剛塗香菩薩(こんごうずこうぼさつ)です。

天女のお姿をして左手に塗香器を持ち、右手は香を塗る勢いを

あらわしています。

不空成就如来が大日如来を供養するために出生したものである

ようです。

金剛頂経には「毘盧遮那如来の供養に応えるために、塗香による

供養の三昧に入り、一切の塗香の供養で荘厳し、法界に行きわ

たらせ、金剛塗香天女身として現じる」

塗香は、沈香や白檀などの香木を粉末にした身体に塗る香料です。

塗香は浄の意味もあるようで、塗香やよく垢を浄にし、熱悩を除

きます。

すなわち、この尊は、身・口・意の三業を清め、煩悩を払う働き

を象徴しています。

真言行者が、行をする前に塗香を身体に塗り、それによって自ら

が五分法身(戒・定・慧・解脱・解脱智見)と成ることを祈念する

ことはそのためです。              合掌

 

 

 

 

kongoukai 33-2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

金剛界 32 金剛燈菩薩尊像

 

kongoukai 32-2

 

 

 

 

 

 

 

金剛燈菩薩尊像 (梵名:Vajraloka ヴァジュラーローカー)

今回ご紹介します菩薩さまは金剛燈菩薩(こんごうとうぼさつ)です

天女の姿で両手に燈器を持ちます。

この菩薩は大日如来を供養するために出生したものです。

『金剛頂経』には「観自在王如来(阿弥陀如来)は毘盧遮那如来の供養に応えて、光明

の供養によって飾り、法界に行きわたらし、金剛光明天女として現じる」

とあります。

光明とは智慧の光で、智慧の燈明をもって無明の闇を照らし、光り輝く世界に荘厳する。

この働きをなすのが金剛燈菩薩です。

合掌

                               

 

kongoukai 32-1

 

 

 

金剛界 30 金剛焼香菩薩尊像

kongoukai 30-1

 

 

 

 

 

 

 

 

金剛焼香菩薩尊像(梵名:Vajradhupa バジュラドゥーパー)

この菩薩さまは金剛焼香菩薩(こんごうしょうこうぼさつ)です。

天女のお姿で、両手には香炉を持ちます。

この尊像は阿閦如来が大日如来を供養するために出生した尊像

です。

ただし、理趣会のみで他の会とは異なり、金剛薩埵を囲んでいる

一尊像として表現されています。

持物である香炉は塗香ではなく焚香です。

「不動明王(阿閦如来)は毘盧遮那如来の供養に応えるために悦びの

三昧に入り、雲海のごとき焼香供養の厳装をなして、遍く一切の

金剛界に広げて金剛焼香天女身となす。」

とあります。

金剛焼香如来とは、智慧の喜びとその動きが一切に行きわたることを

示します。

香が自由自在にひろがるように、衆生に歓喜を与えることを象徴的に

表したものです。

合掌

 

 

 

 

kongoukai 30-2

金剛界 37 金剛鈴菩薩尊像

klongoukai 37-2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

金剛鈴菩薩(梵名:Vajravesa ヴァジュラ―ヴェーシャ)

この菩薩さまは金剛鈴菩薩(こんごうぼさつ)です。

両手に五鈷鈴を持ちます。

尊名のヴァジュラ―ヴェーシャは金剛遍入と訳します。

鈴の音が一切に行きわたる(遍入)ところからともいわれ

ておりますが、遍入とは入我我入、すなわち、本尊が

我の心中に入り、我が本尊の三昧に入ることを意味して

います。

鉤で引き寄せ、索で導入、鎖で留め、完全に曼荼羅に遍入

せしめるのであります。

三形の五鈷鈴は把手が五鈷杵である鈴で、鈴とは修法の

時にこれを振り、書損を呼び覚まし歓喜せしめることを

表します。

 

 

 

kongoukai 37-1

 

 

金剛界 20 金剛語菩薩尊像

kongoukai 20-1

 

 

 

 

 

 

 

金剛語菩薩尊像(梵名:Vajrabhasa ヴァジュラバーシャ)

この菩薩さまは金剛語菩薩(こんごうごぼさつ)です。

左手は金剛拳にして腰におきます。

右手は胸の前で如来舌(舌中に三鈷杵)を持ちます。

無量壽如来の西方(図では上)に佇んでいます。

前の金剛因菩薩が菩提道場から説法に立ち上がる仏陀の

境界を表すのに続き、この尊は説法の働きを表します。

衆生の戯論の迷妄を打ち破る仏陀の説法の言葉がこの

尊の体となっています。

仏陀の境界は、衆生の言葉にいい表すことのできない

微妙なものでありますが、その境地が衆生救済の目的を

もって語られています。

衆生は仏陀の救済の意図を充分にわかっていないので

意図が隠されたままに言葉が受け止められています。

 

この衆生の隠された意図を持つ如来の微妙な言葉を

秘密語といいます。

仏の深い境界を普通の言語の意味通りに安易に受け止め

られないように、あえて意味を隠した言葉を秘密語とい

います。

この秘密語の究極が真言であります。

この尊は、あらゆる如来の真言の境地を速疾に成就する

とされる。

この微妙な言葉の尊であるから、密号は妙語金剛とも

いわれております。

そして如来舌を持っているのは、この如来の秘密語を

象徴しています。

合掌

kongoukai 20-2

金剛界72 毘沙門天尊像

kongoukai 72-1

 

 

 

 

 

 

 

 

毘沙門天尊像(インドの古い言葉:Vaisravana ヴァイシュラヴァナ)

この尊像は毘沙門天(びしゃもんてん)です。

左手には塔、右手には宝棒を持ちます。

外金剛部二十天の一つで、西に位置し、四天王、八方天、十二天の一つで北方を守護する。

金剛頂経というお経には毘沙門天に該当する尊を倶尾羅天(くびらてん)とします。

この毘沙門天と胎蔵界曼荼羅の倶尾羅天の関係は、本尊が倶尾羅とする、あるいは眷属とするなど古来より混同されてきたが その理由はヒンドゥー教では同体異名のようであります。

倶尾羅はヴェーダ神話のクベーラを指し、クベーラは福徳を授ける神のようです。

印相については違いが多く、根本印は内縛し、二無名指を立てて先を合わせ、二頭指を屈して鉤のようにするようです。

真言のバイラバは恐怖を意味し、それはヒンドゥー教の最高神シヴァの別名で、後代に流行した尊であります。

この毘沙門天の灌頂名をサンスクリットは金剛怖畏(vajrabhairava)としている。

合掌

 

kongoukai 72-2