金剛語菩薩尊像(梵名:Vajrabhasa ヴァジュラバーシャ)
この菩薩さまは金剛語菩薩(こんごうごぼさつ)です。
左手は金剛拳にして腰におきます。
右手は胸の前で如来舌(舌中に三鈷杵)を持ちます。
無量壽如来の西方(図では上)に佇んでいます。
前の金剛因菩薩が菩提道場から説法に立ち上がる仏陀の
境界を表すのに続き、この尊は説法の働きを表します。
衆生の戯論の迷妄を打ち破る仏陀の説法の言葉がこの
尊の体となっています。
仏陀の境界は、衆生の言葉にいい表すことのできない
微妙なものでありますが、その境地が衆生救済の目的を
もって語られています。
衆生は仏陀の救済の意図を充分にわかっていないので
意図が隠されたままに言葉が受け止められています。
この衆生の隠された意図を持つ如来の微妙な言葉を
秘密語といいます。
仏の深い境界を普通の言語の意味通りに安易に受け止め
られないように、あえて意味を隠した言葉を秘密語とい
います。
この秘密語の究極が真言であります。
この尊は、あらゆる如来の真言の境地を速疾に成就する
とされる。
この微妙な言葉の尊であるから、密号は妙語金剛とも
いわれております。
そして如来舌を持っているのは、この如来の秘密語を
象徴しています。
合掌