平成27年 香合作り その2 香合にラップを巻いて木屎漆の準備をする

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今回の香合作りは中身を漆塗りにしようと考えています。

そして外側は桧の素地をそのままにして鉋を当てて仕上げようと考えています。

木に漆を塗るということはよくありますが、木の一部に漆を塗るのは難しく、特に柔らかく染み込みやすい木だと、染み込んだところが汚く見えてしまいます。

そのために今回は漆の部分は取り外しが出来るようにして、最後に接着をしたいと思います。

まずは粉末状の木と漆を練り込んだ木屎漆を、身と蓋の内側に盛り上げたいと考えています。

そして蓋の合わせ口も盛り上げて固まったら削りだして、身と蓋を重ねあわせようと思います。

そのためにいつも以上に木屎漆の厚みの分深く縁も細く彫っていこうと思います。

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目標に近いところまで彫り込めたら奇麗に仕上げていきます。

 

 

 

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内側だけでなく外側も鉋をかけますが、最終的な仕上げではないので軽くかけています。

 

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新しい角材の道具が出てきましたが、これは木屎漆を内側に入れた後に、押さえ込みます。

そうすることで木屎漆が均一の厚みにすることが出来ます。

初めてのことが多いのですが、その木屎漆が固まったら取り外しが出来るようにしようと考えています。

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木屎漆が香合の内側と角材にくっつかないようにあらかじめラップをかけていきます。

 

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平成27年 香合作り その1 デザインを考えながら進める。

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今年も香合の制作が始まります。

一年に一つだけとはいっても、お茶席で沢山の人の目に触れるということもあってか、気合いが入ります。

そして仏像ではなく、木のシンプルな箱です。

一からデザインができるので普段使わない感覚を使うので良い刺激にもなります。

今回は、どのようなデザインにするか大まかには考えていますが、試し試し作りながら考えていきます。

なので、回り道も多いと思います。

このブログを見ている人にとっては答えが早くわからないのでイライラとするかもしれませんが何卒ご了承ください。

まずはじめに、四角い香合をイメージして木取りをしてみました。

下は厚みの半分を鋸でカットして蓋と身に分けました。

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この状態で一度、鉋をあてて表面を奇麗に整えます。

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蓋と身の両方に溝を彫る前に枠の幅を罫引でひきます。

今、罫引という道具の撮影をするのを忘れていたことに気がつきました。

罫引というのは上下の画像のような目安を引くための道具です。

側面の面に罫引をあてて、側面を基準に充てがいながらひきます。

金属の刃がついてるので、それで目安線が付きます。

次回は身の部分を彫っていきたいと思います。

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続き

白玉の水鳥を白檀で彫刻 後編

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この白玉の水鳥は後ろを向いて顔を体にくっつけている姿をしていて首の下に隙間が空いています。

この隙間は最後まで彫らずにきっちりと形が整ってから隙間を空けていきます。

 

 

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羽の下線を描いていくと、厚みを残すところと、彫りだす箇所が明確になってきて、画像では表現しきれない微妙なオウトツがよくわかるようになります。

すると迷いがなく彫り進む事ができます。

最後に首の隙間を貫通させて仕上げにかかります。

 

 

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今回は彫刻刀のみの仕上げで完成とします。

紙ヤスリなどを使って、表面をつるっとさせる仕上げ方もありますが、彫刻刀のみで仕上げます。

彫刻刀での仕上げだと削り後が若干残って木彫らしい仕上げになります。



香佛舎で制作行程をまとめました。

香佛舎 クリックするとページに進みます。

白玉の水鳥を白檀で模刻 前編

西洋などの豪華な石と言えばダイヤモンドなどきらきらと輝く石などが高級品として扱われていますが、日本でも、ヨーロッパなどで制作された宝石に魅了されている方々も多いと思います。

キラキラ輝く宝石に比べてアジアに目を向けると特に中国で産出される石の中でも白玉は、西洋で重宝されるような輝きを放ってはいませんが、どちらかというと鈍い光り方をしています。

しかし、この濁ったような石の質感ですが、身近でみると何とも言えない魅力を感じます。

中国では代々と玉(石)が珍重され、故宮博物館などでは国宝に指定されているものもあります。

今回、この水鳥の彫刻が施されている白玉(はくぎょく)を模して白檀に刻んでいきたいと思います。

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白檀の彫刻をブログに載せるのは意外と今回が初めてで、彫刻している最中、一刀、一刀彫るにつれ新鮮な白檀の匂いが漂ってきます。

白檀にも彫りやすいものと少し彫りづらいものがありますが、赤くて濃い色ほど彫りやすく、薄くなってくると彫りにくくなり見た目も、濃い色の方が白檀らしい奇麗な色に仕上がります。

今回、彫刻をした白檀の木は前者の赤くて濃い色の部類に入る木です。

 

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削ると削り屑がでますが、白檀や、香木と言われる貴重な木になると、この削り屑も捨てないで大事に取っておきます。

香りの成分の粉に使ったり、熱を加えて匂いを楽しんだりすることができます。

 

 

 

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白檀は固い木です、それで上の様に荒彫りの段階でも一刀一刀の刻みの面積は小さなものになり、仕上げの様に小刻みに荒彫りをしていきます。

柔らかい木のような感覚で彫るととても固いですが、彫り方を変えて小さく小刻みに時間をかけて彫ると適度な力で彫り上げる事が出来ます。

 

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続く

干支の香合仏 阿弥陀如来の彫刻

阿弥陀如来の香合佛が完成間近ですが、完成に近づく

と細かい作業もふえます。

こういう時は0.3ミリのシャープペンが重宝しますが

このぐらい小さな香合仏だともう少し細いペンが欲し

くなります。

 

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彫刻刀は3ミリの平刀です。

3ミリってこんなに大きかったかな。

 

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これからも沢山の数をこなして、もっとスムーズに

そして、的確に彫れるように技術を高めていきたい

ですね。

 

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香合の制作 13 完成 (動画有り)

香合が完成しました。

最後の漆が固まり、手で触っても固まっていることが確認できましたので最後に椿油と仕上げの砥の粉で磨き上げて完成です。

それから、中に板状のお香を入れて撮影してみました。

 

 

音源元 クラシック名曲サウンドライブラリー

http://classical-sound.seesaa.net/

 

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袱紗の上に置いてみました。

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香合の制作工程をブログや動画で紹介し、香合も6月のお茶会にも間に合い、ひと段落つきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

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香合の制作12 漆の塗り重ね

前回の黒漆がかたまりましたので、二回目の研ぎだしです。

下の状態が研ぎ出し前の状態ですが、作業を進めるにあたり研ぎすぎて下の木地が出てこないように慎重に研ぎます。

 

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上の画像は研ぎだす前のつやがある状態です。

それを400番から800番のサンドペーパーで全体をまんべんなくつやをなくすように研ぎだしていきます。

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研ぎ出したあとの状態ですが、研ぎ残しがあるところは、つやが残っています、つやの部分だけを研ぐ気持ちでさらに研いでいきます。

 

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全体につやがなくなると、次の作業に勧めます。

綿棒を使って香合全体に薄く延ばしながら塗りこんでいきます。

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漆を拭きとる専用の和紙を使ってふき取ります。

綿の布端を代用しても拭きとれます。

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全体に漆がかかりました。

蓋にも同じように全体に漆をかけていきます。

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この状態でしばらく置いておきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

香合の制作 11

前回漆を塗ってから3週間程経過しました。

全体的に漆が固まり、内側の黒い部分を砥石とサンドペーパーを併用して滑らかにしていきます。

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砥石やペーパーを使って研ぎだした状態ですが、黒い漆と木の部分がまばら模様になっています。

あまり突っ込んで研ぐと研ぎすぎになり、塗ったところがすべてはがれてしまいます。

何回も塗り重ねることを前提にこの上に黒い漆を塗り重ねます。

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塗りあがりました。

漆が固まるまでしばらくの間この状態で置いておきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

香合の制作10 二回目の漆

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前回漆を全体的に塗ってから3週間ほど経過しました。

かなり細かい800番から1000番ぐらいの耐水性のサンドペーパーで

全体に滑らかになるように当てていきます。

 

その上からもう一度漆を薄くのばして全体に塗ってから全体に塗った漆を拭き取って

いきます。

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全体的に漆をかけていますが、円相の字の黒い部分は塗っていません。

一つ一つを乾かして作業しないと、作業がやりずらいので今回はここまでとします。

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