香象菩薩尊像(梵名:Gandhahastin ガンダハスティン)
この尊像は香象菩薩(こうぞうぼさつ)です。
右手には蓮の上に鉢器(三形の鉢器)を載せたのを持ち、左手は拳にして腰に置きます。
ガンダハスティンとは発情期の象をいいます。
その時期の象はこめかみから芳香を放ち異性を引き付けます。
その妙なる香りと偉大な力を象徴した尊です。
この尊像の密号という秘密の名前は大力金剛と呼び、大力とは象の力を勇猛精進に喩え、焼香の徳として、護戒とは声量を表す塗香の徳を示しています。
焼香は目には見えないけれど、その薫りを残すように、精進もまた目には見えないのだけど、悟りへの原動力となるものです。
塗香はその身体に塗ると熱を奪い、すがすがしい気分となります。
戒もそれを保つことによって心の清涼がえられます。
三形の鉢器は塗香の器だといわれています。
合掌