醍醐寺の三宝院に快慶作の弥勒菩薩坐像があります。
快慶が制作した仏象は比較的多く現存していますが、その中でも醍醐寺三宝院の弥勒菩薩は特に見ごたえがあります。
どうしてこんなにも魅力があるのだろうかと、今タイピングしながら考えています。
これは私の仏像の好みの問題なのかもしれませんが、基本的に座禅を組んでいる姿は、美しく見えるのではないだろうかとおもいます。
そして衣の表現では快慶の弥勒菩薩は通肩(つうけん)という両肩に衣が、かぶさっている姿をしています。
その姿が厳密にはちがうのですが、全体的に遠くから見ると左右対称に見えます。
そしてその袈裟の衣文線(衣のしわ)が組んだ手を中心に放射状に広がっているような印象を受けそれが、より魅力的に感じさせているのだと思います。
また持物である五輪塔がアクセントとして全体の中心にあります。
高く結いあがっている菩薩の髻(結い上げた髪の毛)、その髻をすっぽりと覆いかぶさるように宝冠がついていますが、この頭上の宝冠が高い位置にあることで像全体の表現をスマートにまとめ、それが菩薩の叡智や賢さなどを引き立てているように感じます。
他にも魅力的な要素はまだまだあるのだと思いますが、今回は弥勒菩薩の歴史的なことがらやそのご利益などは多くの方々が書き記しているので、私は、弥勒菩薩を見ていて惚れ惚れするところを、稚拙ながら記してみました。