毘耶那迦 (梵名:Vinayaka ヴィナーヤカ)
この尊像は毘耶那迦(びなやか)です。
白肉色で象頭人身、左手に羅蔔根(らふこん:大根)を執り、右手は仰げて歓喜丸を載せます。
外金剛部二十天の一尊像で、北方に位置しています。
五類天の中では、水居天の一尊像です。
『大聖歓喜天雙身大自在天毘那耶迦王帰依念誦供養法』は、大自在天とその妃烏摩(うま)には三千の子があり、そのうち千五百は毘那耶迦を第一とて、悪事を行う類であります。
他の千五百は扇毘耶夜迦(善に導くもの)と呼ばれ、持善天を第一としました。
この扇毘那夜迦は観音の化身であります。
観音と毘耶那迦との関係は、毘耶那迦が観音の美貌に夢中になり、観音はその性格を改めることで毘耶那迦の願いを許しました。
また別のお経には「毘那耶迦は種々の形相があり、中でも大聖天歓喜王は象頭人身で具現する。それは障いをするものを正見に導くためで、象のように鼻が極めて長い理由は、香塵を愛好するからであります。瞋恚(しんい:自分の心に逆らうものを怒りうらむ)は強力ですが、よくそれを養育し、調御するからである」ともいわれております。
合掌