目次
印刀の彫刻刀一本で仏像彫刻 2 荒削りの仏さま 大まかに削る
印刀の彫刻刀一本で仏像彫刻 3 荒削りの仏さまに衣の線を刻む
今回ご紹介する仏様は如来形の一刀彫です。
この仏さまのモデルは、仏像の宝冠や光背などに小さな仏さまが表現されていますがそれらの小さな仏さまを化仏と呼びます。
一つ一つを見ていくと、すっきりとシンプルに彫られています。
顔の表情もざっくりと彫られているのに仏様の高貴な表情が見てとれます。
今回の荒削りの仏さまはその化仏をモデルに制作しています。
まず最初に木をそろえますが、一番身近にある木を使おうと思います。
そのため、この木の幅を計測すると33ミリありました。
きりが良い30ミリまで削ろうとも思ったのですが、出来るだけ木を最大限利用しようと思い、幅33ミリで作ってみます。
まず最初に、幅(33ミリ)を三等分にします。
三等分にした一つ分を、一つとします。
次に頭のてっぺんから一つ分下に線を引きます。
その部分が額の位置になり額の位置を額口とよびます。
額口から10つ目下が仏さまが立っている台座の天板になります。
次に顔の幅を決めます。
幅は一つ半(11ミリ+5.5ミリ=16.5ミリ)になります。
額口から下に一つが肩の位置になりさらに額口から一つ半が顎の位置になります。
ちなみに目の位置が額口から半下がったところにあり、口が額口より一つ下がったところより若干上になり、鼻の位置が口のすぐ上になります。
これでまず斜線の部分を削ります。
次に横のカットですが、まずは横顔のでっぱった鼻の位置の奥行きを決めますが、奥行き寸法は実は適当に決めましたが、
いめーじとして半より短めです。
鼻先から一つ半が後頭部の奥行きになります。
耳の位置は鼻先から一つのところが耳の真ん中をとおります。
横が決まれば彫刻刀でカットします。
足先は奥に引っ込みますので雰囲気を見てえんぴつで試し書きをしながら上の画像のように決めていきます。
横の胴体部分もカットします。
これで木取りが完了いたしました。