このあたりから彫刻が難しくなってきます。
鼻とほっぺたの境目はかくかくとしないように滑らかに彫りますが、印刀一本だとよけいに難しくなります。
その境目はできるだけ最後まで彫らないように目と口元を仕上げていき、小鼻の両端を決めて、細かく小鼻を彫刻しますが、そのときにも鼻とほっぺの境目は残しながら彫ります。
最後の最後にその境目がもう少し彫っても良いかなと感じたら少しずつ削ります。
ただ丸刀を使わないので小刻みに動かしていくようにします。
追記
鼻と頬と目の境を彫る前に小鼻の幅を決めて、小鼻の下の二つの穴を若干緩やかに形作ります。
そして小鼻の上の凹みをほんの少し、彫っているのか彫っていないのかわからないぐらいの感じで彫ります。
真下から見た小鼻の形を思い描きその通り彫ります。
そして、小鼻が少し進んだら今度は顔と頬と目の境目を目の方向に向かって彫り進めます。
しかし、あまり突っ込まずに他の箇所に移ります。
唇は、小鼻の幅よりも若干大きくなります。
その感覚で、下唇の両端を深く彫ります。
すると、唇の真ん中はつながっているのですが、上唇と下唇が分かれているように見えます。
そして唇の真ん中はあまり触らずに軽く彫る程度にしておきます。
するとメリハリのある顔になります。
横から見ると口がまだ出っ張っています。
口元の出っ張りを削りそして耳の輪郭も出していきます。
耳の下を削るときは慣れないときは線を引いておきます。
額口よりも一つとほんの少し下になります。
羽織っている袈裟が両肩にかかっています。
前から見ると肌が見えますが、出来るだけ肌が見えているところを最初は狭くして彫り進めます。
仕上げながら幅を広げていきます。
私は彫刻を始めて間もない頃によくこの幅を最初にきっちりと決めすぎて、仕上げには広がっている事がありました。
そういうこともあり、狭めにしておいた方が良いと思います。
耳は最初に穴の位置を決めます。
その穴の位置を基準に鉛筆などで描き加えます。
耳の穴を最初に彫刻をすると荒彫りの状態でも耳の感じが見えてきます。
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