仏像の撮影をする写真家の目

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私たちがよく見かける仏像の写真集には、仏像がバランスよくトリミング(切り取る)されて美しくレイアウトされ、そして写真集という形で我々の目に触れるようになります。

その撮影している現場を覗いてみると写真からは想像できないような騒然とした撮影現場です。

しかし撮影をしている人が仏像と対峙し、畏敬の念を込めてシャッターを切る姿は雑然とした撮影現場の中であっても、ふと美しいなと感じます。

上の画像は人よりも大きな千手観音菩薩立像です。

下の写真は掌で軽く握ったら隠れるぐらいの小さな仏像です。

どちらの仏像もそれぞれに魅力を感じます。

仏像の写真で思い出すのが土門拳の仏像写真集です。

土門拳は一体の仏像を撮影するのに3日もかけるような、とても繊細な撮影作業をされる方です。

立体的な仏像は撮影するカメラの角度により顔の印象ががらりと変わります。

別の仏像ではないかと思うぐらい、角度によって違った印象になります。

どの角度でどの位置からどの距離で、光の向きはどの方向から照射するのが良いのか、仏像が美しくそして厳かな雰囲気に見える最もバランスのよい位置に立って撮影されているように感じます。

ただカメラを仏像に向けたら撮影できるというものでもなく、撮影者によってわずかに変わる微妙な光の加減や角度で撮影された表情は、どれも畏敬の念が入っているように感じます。

合掌

 

 

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